レビュー

GUIに特化した独自コーデックを搭載。高速なリモートデスクトップツール「AnyDesk」

“AnyDesk アドレス”を交換するだけで接続できるシンプルさも魅力

「AnyDesk」Beta 1.0.3

 「AnyDesk」は、シンプルで高速なリモートデスクトップ操作ソフト。Windows XP/7/8/8.1に対応しており、作者のWebサイトから無償でダウンロードできる。

 本ソフトの特長は、“DeskRT”と呼ばれるGUIに特化した専用のビデオコーデックを搭載すること。GUIを1つのイメージとして捉えた場合、風景写真などの他のイメージと比較して同じ色の領域が多い、コントラストが高い、エッジがシャープであるといった傾向が見られる。また、時間的・空間的な繰り返しパターンが比較的よく見られるのも特徴。こうした特質を利用して、品質を損なうことなく圧縮率を高めたのが“DeskRT”だ。

 GPUから直接データを取得したり、マルチコア化されたモダンなCPUに特化した設計がなされているのも特長で、競合のデスクトップ共有・リモートデスクトップ製品よりも低レイテンシ(遅延)、高リフレッシュレートを達成しているという。

 一方、使い方は極めてシンプル。相手に“AnyDesk アドレス”を教えてそれに接続してもらうだけでよい。接続を受け入れる際は、接続の許可・拒否を選択するダイアログが表示されるので勝手に接続されることはない。また、このダイアログを出さずに接続を許可する“無人アクセス”をセットアップすることも可能。“無人アクセス”には別途パスワードが設定できる。

相手に“AnyDesk アドレス”を教えて接続してもらうだけ。接続を受け入れる際は、接続の許可・拒否を選択するダイアログが表示される
“無人アクセス”をセットアップすることも可能

 また、接続の際は音声を鳴らすかどうか、キーボード・マウスを利用するかどうか、クリップボードを共有するかどうかを選択することも可能。たとえばキーボード・マウスの利用を無効化すると、相手に自分のデスクトップの様子を見せるだけのプレゼンテーション用途に利用できる。そのほかにも、相手のデスクトップのスクリーンショットを撮影して自分のデスクトップへ保存する機能などを搭載している。

リモート接続した様子。接続先がマルチモニター環境の場合は、タブでモニターが切り換えられる。相手のデスクトップのスクリーンショットを撮影して、自分のデスクトップへ保存することも可能

 現時点ではWindows デスクトップ版のみの提供となっているが、Mac版(OS X 10.9 Mavericks以降)やiPad版、Linux版(Debianベースのディストリビューション向け)、Android タブレット版(Android 4.4 KitKat以降)などの開発も予定されているとのことなので期待したい。

 なお、本ソフトは現在のところベータ版として提供されているので注意。正式版は基本的に有償での提供となる予定だが、無償版も提供されるとのこと。無償版は定期的・継続的でない私的用途に限られるほか、同時接続数が1つに制限される。

ソフトウェア情報

「AnyDesk」
【著作権者】
AnyDesk Software GmbH
【対応OS】
Windows XP/7/8/8.1
【ソフト種別】
フリーソフト(ベータ版につき)
【バージョン】
Beta 1.0.3

(樽井 秀人)