レビュー

タイル表示で画面に無駄のないストアアプリ版Twitterクライアント「Tweetium」

Windowsの横長画面を活かした情報量の多さが魅力。複数タイムラインの並列表示も可能

「Tweetium」v1.5.5

 「Tweetium」は、充実した機能と安定動作が魅力のTwitterクライアント。x86/x64/ARM環境に対応するWindows ストアアプリで、編集部にてWindows 8.1およびWindows RT 8.1で動作確認した。240円の有償アプリで1日間の試用が可能。“Windows ストア”からダウンロードできる。

 Windows ストアアプリのTwitterクライアントはTwitterの公式アプリも既に登場済みだ。しかし、公式アプリは画面中央に1列でタイムラインが表示され、画面左右は余白となっているため、Windowsで一般的な横長の画面では、表示される情報量に不満を感じている人もいるだろう。

 そんな人におすすめしたいのが「Tweetium」だ。タイル状に区切られたツイートが画面全体に敷きつめられるように表示される上、各タイルの大きさはツイートの文字数によって変化するため、情報量の多さとタイムラインの見通しのよさを両立しているのが魅力。ツイートのタップでタイルが拡大表示され、返信やリツイートなどの関連ツイートや、ツイートに含まれる画像の詳細を確認できる。

ツイートのタップで関連ツイートが表示される。ただし日本語のみのハッシュタグはリンクとして認識しないようだ。検索機能で補おう
画像の全画面表示などには対応しないが、コンテキストメニューからWebブラウザー経由で元画像を表示できる

 画面上部に用意されたタブからはタイムラインや返信、DMなどの表示を切り替えることができ、右端の[∨]ボタンからはTwitter上で保存済みのリストを新たなタブとして追加可能だ。また本アプリでは、ツイート内に表示されたユーザーIDおよびハッシュタグなどのリンクのクリックや、検索ボックスでの検索結果もタブとして表示されるのだが、これらのタブの右クリック(タップ&ホールド)で表示されるコンテキストメニューから[Pin]を選択することで、タブをピン留めして固定表示できる。

 さらに、ストアアプリ版のIEと同様の複数ウインドウ表示に対応しているのも本アプリの特徴。アプリケーションバーの[New Window]、または上記タブやリンクのコンテキストメニューから[Open New Window]項目を選択して新規ウインドウを開けば、Windows 8のスナップ機能により複数のタイムラインを横に並べて表示できるため、複数のハッシュタグを同時にチェックしたい場合などに活用できる。

検索結果などをピン留めしてタブの追加が可能。タブのドラッグ&ドロップ(ロングタップ→ドラッグ)で並び順の変更も行える
複数ウインドウを開くことで複数のタイムラインを横に並べて表示することも可能。横幅を縮めると1列表示に変化する

 数こそ少ないながら気の利いた設定オプションが用意されているのも「Tweetium」の特徴だ。画像のインライン表示の有無やURLクリックの有効・無効、マウスホバーによる各種操作ボタン表示の有無を設定できるほか、投稿時のEnterキーの挙動の変更(改行または投稿)など、タッチ操作時の誤操作予防に役立つ項目が揃っている。また、PCの画面サイズや好みに応じて文字サイズを3段階に変更することも可能。

 なお、設定にある“Bypass t.co links”をオンにすることで、Twitter公式の短縮URLをバイパスし、本来のURLを直接利用できる。リンクのコンテキストメニューからURLをコピーしたりWindows 8の共有機能でURLを共有する際に本来のURLを得ることが可能となる、ちょっと便利な機能だ。

 このほかにも各種キーボードショートカット、任意のユーザーとハッシュタグのミュート、ユーザIDの補完入力、ライブタイルによる新着通知など、かゆいところに手が届く機能が用意されている。とくにツイート文字列のコピーや投稿画面へのクリップボード経由での画像貼り付けといった、当たり前に見えて意外と対応アプリが限られる機能を実現しているのはポイントが高い。

 また、通信の安定性もセールスポイントとしてうたわれている。実際、タイムラインを大量に遡るなど公式アプリが落ちやすい場面でも安定して動作することを確認できた。

Webブラウザーで表示中のURLをWindows 8の共有機能から投稿可能。また、反対に本アプリで表示中のツイートのURLを別アプリに渡すこともできる
全11種類のテーマから好みの配色を選択できる

 このようにさまざまな魅力を備えた「Tweetium」だが、トースト通知とマルチアカウントに対応していない点には注意。通知はTwitter公式アプリのトースト通知機能やWeb版のメール通知で補うのがおすすめだ。なお、マルチアカウントに関してはアプリ内課金で「Tweetium Pro」へアップグレードすることにより最大5アカウントまで利用可能となるが、6カ月400円かつ自動更新なしという、やや特殊な課金形態となっている。現時点ではPro版はやや割高な印象があるが、異なるTwitterクライアント間で未読位置を同期するサービス“TweetMarker”への対応予定もアナウンスされているので、今後に期待したい。

ソフトウェア情報

「Tweetium」
【著作権者】
B-side Software
【対応OS】
Windows(x86, x64, ARM)
【ソフト種別】
ダウンロード販売 240円
【バージョン】
1.5.5 (14/02/05)

(霧島 煌一)