REVIEW(10/09/15)

1組のマウス・キーボードで複数PCを操作する「Synergy+」をGUIで設定「QSynergy」

「Synergy+」の次バージョンで統合される予定

「QSynergy」v0.9.1「QSynergy」v0.9.1

 「QSynergy」は、1組のマウス・キーボードで複数PCを操作できる「Synergy+」の設定をGUIで行えるソフト。「Synergy+」「QSynergy」ともにWindowsなどに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 7で動作を確認した。それぞれ、作者のWebサイトからダウンロードできる。なお、「Synergy+」は寄付歓迎となっている。

 「Synergy+」を利用すると、ネットワーク越しに複数のPC間でマウスとキーボードを共有可能で、マウスとキーボードを1組で済ませられて便利。それぞれのPCのモニターはマウスで自由に行き来できるようになっており、あたかもマルチモニター環境のような使い心地だ。1つの机の上で複数のPCを利用している場合にはとくお勧めしたい。

 しかし、設定が若干複雑で、初心者にとってはハードルが高いのが難点。そんなときは、「QSynergy」を併用するとよい。本ソフトは、「Synergy+」の設定をGUIで行えるフロントエンドで、PC間のマウスの移動方法をグラフィカルに設定できるのがうれしい。

「QSynergy」へ「Synergy+」の実行ファイルのパスを登録「QSynergy」へ「Synergy+」の実行ファイルのパスを登録

 利用するにはまず、各PCへ「Synergy+」と「QSynergy」をインストールしよう。次に、それぞれのPCで「QSynergy」を起動し、[Edit]-[Settings]メニューから、「Synergy+」の実行ファイルのパスを登録する。

 続いて、サーバーPC(キーボードとマウスが接続された操作する側のPC)の「QSynergy」を設定をしよう。

[Screens and links]タブでクライアントPC(操作される側のPC)を登録しスクリーンの配置方法を指定[Screens and links]タブでクライアントPC(操作される側のPC)を登録しスクリーンの配置方法を指定

 まず、メイン画面で“Use this computer to control others (be a server)”のチェックをONにする。続いて、[Configure Server]ボタンを押すと、設定画面が表示される。設定画面では、PCのモニターの配置方法やホットキーの設定などを指定できる。ここでは最低限、[Screens and links]タブでクライアントPC(操作される側のPC)を登録し、スクリーンの配置方法を指定する必要がある。

 クライアントPCを登録するには、画面右上にあるモニターのアイコンをスクリーンの配置画面へドラッグ&ドロップする。スクリーンの配置画面は5×3マスのグリッドになっており、サーバーPCのスクリーンの上下左右にアイコンを配置して、PC間のマウスの移動方法を指定できる。あとは、追加したアイコンの名前を、クライアントPCのPC名へと変更すれば設定は完了だ。メイン画面に戻って、[Start]ボタンを押し、サーバーを起動させよう。

 最後に、各クライアントPC側の設定を行う。まず、メイン画面の“Control this computer from another one (be a client)”のチェックをONにして、サーバーPCの名前を指定しよう。あとは[Start]ボタンを押して、サーバーPCへ接続すればよい。

 なお、「QSynergy」は「Synergy+」の次期安定版であるv1.4.x系統で「Synergy+」へ統合される予定であるとのこと。「Synergy+」v1.4.xの公開は2012年に予定されている。

「QSynergy」

【著作権者】
Volker Lanz 氏
【対応OS】
Windowsなど(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.9.1(10/05/27)

「Synergy+」

【著作権者】
sorin.sbarnea 氏、nick.bolton.uk 氏
【対応OS】
Windowsなど(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
1.3.4

(柳 英俊)