REVIEW(09/09/07)

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ウイルス対策ソフトがヒロインの恋愛アドベンチャーゲーム「1980円の君」

何かと憎まれ役になりがちなウイルス対策ソフトを好きになれるかも?

「1980円の君 〜I am a software〜」v2.1.0 「1980円の君 〜I am a software〜」v2.1.0

この物語のヒロインとなる自称ウイルス対策ソフトの少女。「Kei7ウイルスセキュリティー2007」という架空の製品だ この物語のヒロインとなる自称ウイルス対策ソフトの少女。「Kei7ウイルスセキュリティー2007」という架空の製品だ

 「1980円の君 〜I am a software〜」は、画面に表示されるメッセージをマウスクリックで読み進めていくノベルタイプのアドベンチャーゲーム。Windows 98/Me/2000/XP/Vista/7に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。

 ゲームは複数の章に分かれており、1章あたり5〜10分弱で読むことができる。選択肢などは用意されておらず、ゲーム全体の総プレイ時間は1〜2時間ほどと、短時間で気軽にプレイすることが可能。また、ヒロインのセリフはすべて音声つきで、物語を盛り上げてくれる。

 『こんな所で寝ていると風邪ひきますよ』。物語は、眠っていた主人公の少年がそんなセリフによって目を覚ますところから始まる。目を覚ました場所は見知らぬ真夏の浜辺で、傍らにはそんな光景に似合わぬ厚着をした少女が立っていた。少年はわけがわからぬまま少女に促されてひとりボートに乗り、釣りをすることに。

 少年が釣った魚を手に浜辺へ戻ると、少女は“定義リスト”と書かれた本を片手に魚を仕分けしていき、大半の魚を腐っていたり病原菌がついていると言ってゴミ箱へと捨ててしまった。少女の行動に納得がいかない少年は、捨てられた魚をこっそり食べて倒れてしまう。そんな少年を泣きながら看病する少女。どうにか一命を取り止めた少年が夢から覚めると、目の前のPCにウイルス対策ソフトの通知画面が表示されていた……。

 本作は、夢とも現実ともつかない不思議な場所を舞台に、ウイルス対策ソフトを自称する少女と主人公の少年の心のふれあいを中心に物語が展開していく、ちょっと変わったラブストーリーだ。作中、“セクタ”や“ドライブ”といった専門用語や、難しい言い回しが登場したときには、画面上部にメッセージウインドウで解説文が表示されるので、難しい専門用語はわからないという人でも安心だろう。

 また、作中には「Firefox」のプロモーションキャラクター“フォクすけ”や、今日のPCのインターフェイスに多大な影響を与えたコンピューター“Lisa”といった、コアなPCユーザーにはなじみ深いキャラクターやネタが登場し、思わずニヤリとさせられる場面もあるので、普段はあまりノベルゲームを読まない人でも楽しく読むことができるはずだ。

 ウイルス対策ソフトは今やPCを利用する上で欠かせない存在だが、毎年更新料がかかる上にPCの動作が重くなるなど、何かと憎まれ役になってしまいがちだ。あなたがもし、ウイルス対策ソフトに不満をもっているなら、ぜひ一度本作をプレイしてもらいたい。ウイルス対策ソフトの頑張りを改めて知ることで、寛大な気持ちになれる『かも』しれない。

【著作権者】
Physics/Games
【対応OS】
Windows 98/Me/2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.1.0

(霧島 煌一)