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「FFmpeg 3.0」が公開、ネイティブAACエンコーダー採用でライセンス問題を緩和

“DXVA2”によるVP9デコードのサポートなども

 オープンソースのマルチメディアフレームワーク「FFmpeg」の最新版「FFmpeg 3.0」(コードネーム:Einstein)が、15日に公開された。現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロード可能。Windows向けのバイナリは“Zeranoe FFmpeg”からダウンロードできる。

 「FFmpeg」は、音声・動画ファイルのフォーマットを変換するツールやライブラリから構成されるオープンソースのマルチメディアフレームワーク。「Google Chrome」や「MPlayer」、「VLC media player」といったオーディオ・ビデオを扱うさまざまなソフトで利用されている。

 「FFmpeg 3.0」は、「FFmpeg 2.8」に代わる「FFmpeg」の新しい安定版。もっとも大きな変更点は、これまで実験的に提供されてきたネイティブAACエンコーダーの品質が十分に成熟し、安定版としてリリースされたことだろう。従来の「FFmpeg」はAACエンコーダー部分のライセンスが原因で、コンパイルして配布する際にいくつかの問題を抱えていたが、それらが解決される。

 なお、この変更に伴い、VisualOn社のAACエンコーダー「libvo-aacenc」と、HE-AACなどにするために開発された「libaacplus」のサポートは打ち切られている。

 そのほかにも、本バージョンではDirectXを利用したビデオアクセラレーション技術“DXVA2”によるVP9デコードをサポート。フィルターの拡充や各種コンポーネントのアップデートが行われている。また、前バージョンのv2.8.6で5件の脆弱性が修正されているので注意。v3.0におけるセキュリティ関連の修正は現在のところ不明だが、なるべく最新版を利用することをお勧めする。

(樽井 秀人)