ニュース

定番のイラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」にアニメーション制作機能を追加

イラストを動かす機能を利用した“pixiv”でのコンテストも実施

「CLIP STUDIO PAINT EX」v1.5.0

 (株)セルシスは27日、定番のマンガ・イラスト制作ソフト“CLIP STUDIO PAINT”シリーズの最新版となるv1.5.0を公開した。現在、同社のWebサイトから体験版をダウンロードできるほか、旧バージョンのユーザーは無償でアップデート可能。

 最新版では、アニメーション制作機能が追加された。最上位版の「CLIP STUDIO PAINT EX」では無制限に、「CLIP STUDIO PAINT PRO」「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」では計24フレームまでの短いアニメーションや動くイラストが制作できる。

 アニメーション制作のために多数の機能が追加されており、“セル固有ライトテーブル”または“キャンバス共通ライトテーブル”に登録しておいたキャラクターや背景などの画像を“ライトテーブル”レイヤーとして表示可能。“ライトテーブル”レイヤーは元の画像に影響を与えることなく、自由に変形や移動を行える。

アニメーション制作機能のイメージ(同社資料より引用)
ライトテーブル機能(同社Webサイトより引用)

 さらに、編集中の画像前後に設定された画像の色を薄めて表示する“オニオンスキン”や、イラストを動かす際の順番や速度を設定するタイムラインなどが利用可能になった。また、アニメーションに演出を施すことのできる「CLIP STUDIO ACTION」との連携や、MOV/AVI形式などでの書き出しなどが行える。

 加えて、「CLIP STUDIO PAINT EX」「CLIP STUDIO PAINT PRO」ではカスタマイズしたイラストの解像度やレイヤー構成などをテンプレートとして保存する機能、「CLIP STUDIO PAINT EX」には他のソフトと連携するためにセルを連番画像へ書き出す機能などが追加されている。

 アニメーション関連以外の変更点としては、標準のファイルフォーマットが“CLIP STUDIO FORMAT”へ変更され、拡張子が“.clip”へと変更された。新形式ではファイルサイズの軽量化が図られ、読み込みや保存にかかる時間が短縮されるという。従来形式で保存されているファイルは最新版での編集時にファイルを新形式で保存することで軽量化をおこなうことが可能。

 また、「CLIP STUDIO PAINT EX」「CLIP STUDIO PAINT PRO」ではテキストの表現機能が強化され、フチをつけたりフレームでの折り返しが可能になった。さらに、「CLIP STUDIO PAINT EX」では複数のページにまたがる作品を一括して書き出すことのできる機能などが追加されている。

 このほか同日、アニメ機能搭載の記念キャンペーンとして、イラスト専門SNS“pixiv”と提携したイベント“ピクシブたんを動かそう!うごイラコンテスト”の作品募集が始まった。本コンステストは“pixiv”を擬人化したキャラクター“ピクシブたん”をテーマにしたうごくイラスト“うごイラ”を、規定のタグをつけて投稿することで参加できるもの。11月24日まで応募が可能で、参加方法の詳細はコンテストのWebサイトを参考のこと。参加にあたって、“pixiv”のプレミアム会員であれば「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」を利用できる。

 “CLIP STUDIO PAINT”シリーズにはイベント時などに配布される「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」のほか、基本的なイラスト制作機能を備えた「CLIP STUDIO PAINT PRO」(税込み5,000円)、高度なマンガ制作支援機能を備える「CLIP STUDIO PAINT EX」(税込み23,000円)などがラインナップされている。

ソフトウェア情報

「CLIP STUDIO PAINT」
【著作権者】
(株)セルシス
【対応OS】
64bit版を含むWindows XP/Vista/7/8/8.1/10
【ソフト種別】
シェアウェア(「CLIP STUDIO PAINT PRO」は税込み5,000円、「CLIP STUDIO PAINT EX」は税込み23,000円など)
【バージョン】
1.5.0(15/10/27)

(市川 祐吉)