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「LibreOffice」v5.0のベータ版が公開、64bit版Windows向けビルドが登場

「Writer」「Calc」では画像のクロッピング機能がサポートされる

「LibreOffice」v5.0.0.0.beta1

 The Document Foundationは21日、オフィス統合環境「LibreOffice」の次期メジャーバージョンとなる「LibreOffice」v5.0.0.0のベータ版を初めて公開した。Windows/Mac/Linuxなどに対応するフリーソフトで、現在、本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。

 「LibreOffice」は、「OpenOffice.org」から派生したオープンソースのオフィス統合環境。クロスプラットフォームで動作し、“スタートセンター”と呼ばれるランチャーのほか、ワープロソフト「Writer」、表計算ソフト「Calc」、プレゼンテーションソフト「Impress」、図形描画ツール「Draw」、数式エディター「Math」、データベースソフト「Base」から構成されている。

 v5.0.0.0では、64bit版Windows向けのビルドが登場。64bit環境では、ネイティブで動作することによるパフォーマンスの向上が期待できる。なお、対応OSはWindows Vista以降となっており、Windows XPはサポートされないので注意。また、Javaランタイムを必要とする機能を利用する場合は、64bit版のランタイムを利用する必要がある。そのほかにも、「Outlook」のアドレス帳へアクセスできなかったり、「Firebird」データベースのドライバーがまだ利用できないといった、一部機能に制限がある。

 機能面における変更としては、PDF出力におけるタイムスタンププロトコルへの対応や“Adobe Swatch Exchange”形式のカラーパレットファイル(*.ase)のサポート、「Microsoft Office 2007」「MediaWiki」フィルターの改善による互換性の向上、HiDPIサポートの改善などが挙げられる。また、GUIの改善や対応言語の拡充なども行われている。

 そのほかにも、「Writer」では画像のクロッピング(切り抜き)がサポートされた。ドキュメントに埋め込んだ画像の右クリックメニューで[Crop Image]項目を選択すると画像の端や隅にガイドが表示され、それをドラッグしながら切り抜き操作を行うことが可能。[Shift]キーを押しながらドラッグすれば、画像のアスペクト比を保持しながら切り抜き作業を行うことができる。「Microsoft Word」との互換性も向上しており、テキストのハイライトや陰影を保持してインポート・エクスポートを行えるようになっている。

「Writer」「Calc」では画像のクロッピング機能をサポート
「Calc」では条件付き書式機能が強化

 さらに、「Calc」では条件付き書式機能が強化。特にデータバーの表示がGUIで柔軟にカスタマイズできるようになっており、数値を隠してバーのみを表示したり、バーの表示位置を調整できる。また、「Writer」でサポートされた画像のクロッピングも利用可能だ。

 なお、正式リリースは7月末頃が予定されている。

ソフトウェア情報

「LibreOffice」Windows版
【著作権者】
LibreOffice contributors
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8および64bit版のVista以降
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
5.0.0.0.beta1(15/05/21)

(樽井 秀人)