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動画・音声チャット機能“Firefox Hello”を搭載した「Firefox 34」が安定版に

テーマの切り替えメニューや「WebIDE」などが追加。8件の脆弱性も修正

「Firefox」v34.0.5

 Mozillaは1日、Webブラウザー「Firefox」の最新安定版「Firefox 34」を正式公開した。Windows XP/Server 2003/Vista/7/8および64bit版のVista/7に対応する寄付歓迎のフリーソフトで、編集部にてWindows 8.1でも動作を確認した。現在、Mozillaの公式サイトからダウンロード可能。Mac OS X/Linux向けにも、それぞれ最新版が用意されている。

 「Firefox 34」の目玉は、リアルタイムコミュニケーションクライアント“Firefox Hello”だ。“Firefox Hello”は、Webブラウザーのみで「Skype」のようなビデオチャットやボイスチャットを実現したもの。“WebRTC”と呼ばれるWeb標準技術で実装されており、通話相手は“WebRTC”を実装したWebブラウザー(たとえば「Google Chrome」)ならばなんでもよい。

 “Firefox Hello”を利用するには、まずカスタマイズ画面を開いて[Hello]ボタンをツールバーへ追加する。一部環境ではまだ[Hello]ボタンが追加されていないようだが、数週間のうちに利用できるようになるとのことなので、もうしばらく待っていてほしい。“about:config”画面で“loop.throttled”の値を“false”へ変更し、「Firefox」を再起動すればすぐに試すことも可能だ。

カスタマイズ画面を開いて[Hello]ボタンをツールバーへ追加
[Hello]ボタンが見当たらない場合は、“about:config”画面で“loop.throttled”の値を“false”へ変更して「Firefox」を再起動させるとよい

 [Hello]ボタンをツールバーに追加したら、ボタンを押して通話のためのリンクを取得する。あとはこれを相手に伝え、リンク先の画面で呼び出してもらえば、「Firefox」に着信のポップアップが現れてチャットが可能。

[Hello]ボタンを押して通話リンクを取得
通話リンクをWebブラウザーで開いた様子。“Firefox Hello”の相手は“WebRTC”に対応している「Google Chrome」などでもよい
着信のポップアップ
ビデオ通話の様子

 そのほかにも、カスタマイズ画面にテーマの切り替えメニューが追加。テーマ適用後の様子をプレビューしながら、手軽にテーマを切り替えられるようになった。また、次世代プロトコル“HTTP/2(draft14)”と“ALPN”の実装、「Firefox」の起動時に“Firefox はすでに起動しています”と表示される問題の改善なども盛り込まれた。

 さらに、開発者向け機能として「WebIDE」が搭載された。「WebIDE」は一般的なWebアプリケーションや、それを「Firefox OS」向けにパッケージ化したアプリケーションを開発できる開発環境で、「Firefox OS」のシミュレーターなどが含まれている。

カスタマイズ画面にテーマの切り替えメニューが追加
開発者向け機能として「WebIDE」が追加

 なお、今回のアップデートには脆弱性の修正も含まれているので注意。修正された脆弱性は8件で、深刻度の内訳はMozillaの基準で4段階中最も高い“最高”が3件、2番目に高い“高”が3件、3番目に高い“中”が2件となっている。また、予定通り本バージョンから“SSL 3.0”が無効化された。“SSL 3.0”は約18年に渡って利用されてきた古いプロトコルで、後継と位置付けられる“TLS”の利用が強く推奨されている。

ソフトウェア情報

「Firefox」Windows向け安定版
【著作権者】
contributors to the Mozilla Project
【対応OS】
Windows XP/Server 2003/Vista/7/8および64bit版のVista/7
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
34.0.5(14/12/01)

(樽井 秀人)