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セキュリティソフト「Avast 2015」の正式版が公開

“ウェブシールド”がHTTPSスキャンに対応。新しい仮想マシン“AVAST NG”を追加

「アバスト 無料アンチウイルス」v2015.10.0.2206

 チェコのAVAST Software s.r.o.は21日(現地時間)、セキュリティソフト“Avast(アバスト)”シリーズの最新版「Avast 2015」を正式公開した。現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。なお、本バージョンから、製品名が“avast!”から“Avast”へ変更されている。

 「アバスト」は、“シールド”と呼ばれるリアルタイム保護システムでファイルシステム、ブラウザー、メールソフトを守ることができるマルウェア対策ソフト。定義ファイルを常に更新し続ける“ストリーミングアップデート”や、“Community IQ”と呼ばれるクラウドソーシング分析をもとにしたレピュテーション機能、未知のマルウェアの実行を防ぐ“ディープスクリーン(DeepScreen)”機能などを備えるのが特長。無償版・有償版を合わせ計4つのエディションがラインナップされており、とくにユーザー登録のみで無償で利用できる「アバスト 無料アンチウイルス」は人気が高い。

 「Avast 2015」では、これまで“メールシールド”でのみ対応していたHTTPS接続のスキャンが“ウェブシールド”でも利用できるようになった。独自のルート証明書を用いて中間ホストを立てる方式により、SSL/TLSで暗号化されたセキュア通信を復号して内容をチェックすることが可能で、SPDY+HTTPS/HTTP 2.0にも対応する。この機能は初期状態で有効だが、“ウェブシールド”の設定画面から無効化することも可能。

メイン画面
HTTPS接続のスキャンが“ウェブシールド”でも利用可能に

 また、“ディープスクリーン”機能に新しい仮想マシン“AVAST NG”が統合された。ハードウェアによる仮想化支援機能を活用した軽快な動作が特長で、アプリケーションを仮想マシン内で動作させることにより、マルウェアを安全に検知し、感染を排除することができる。この機能は有償版「アバスト」に搭載されている“サンドボックス”や“セーフゾーン”といった機能にも将来的に統合される予定とのこと。

 さらに、ホームネットワークをスキャンしてセキュリティチェックを行う“ホームネットワーク セキュリティ”機能が追加された。これは不審なデバイスが接続されていたり、ルーターのパスワードが工場出荷時のままになっているといったホームネットワークでよくあるセキュリティ上の問題点を検出してくれる機能で、[スキャン]-[ネットワークの脆弱性をスキャン]画面から利用できる。

“ディープスクリーン”機能に新しい仮想マシン“AVAST NG”が統合
ホームネットワークをスキャンしてセキュリティチェックを行う“ホームネットワーク セキュリティ”機能

 そのほかにも、不要なプログラム(PUP)のブロック機能やさまざまなスキャン処理をまとめて行うスマートスキャン機能といった新しい機能を搭載。安定性やパフォーマンスの改善や、無償版を含むサポート体制の強化なども行われている。

ソフトウェア情報

「アバスト 無料アンチウイルス」
【著作権者】
AVAST Software s.r.o.
【対応OS】
(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(個人利用および非商用利用のみ)
【バージョン】
2015.10.0.2206(14/10/21)

(樽井 秀人)