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「Google Chrome 35」安定版が公開、次世代JavaScript規格“ECMAScript 6”対応が拡充

23件の脆弱性も修正

「Google Chrome」v35.0.1916.114

 米Google Inc.は20日(現地時間)、Webブラウザー「Google Chrome」の最新安定版v35.0.1916.114を公開した。Windows XP/Vista/7/8に対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 8.1での動作も確認した。現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Mac OS X/Linux版も用意されている。

 「Google Chrome 35」における変更点は、開発者向けの機能強化がメイン。たとえばJavaScriptエンジン“V8”がv3.25.28.16へとアップデートされ、次世代JavaScript規格“ECMAScript 6”で採用される予定の新しい機能がいくつかサポートされた。

 1つは“Promise”で、非同期なコードを書く際にコールバックとネストを減らしてコードをスッキリと記述することが可能。“WeakMaps”と“WeakSets”はオブジェクトへの参照が“弱く”保持されるシーケンスで、ガベージコレクションの対象となるため、キャッシュのような仕組みを実装したり、メモリリークを回避するのに役立つ。“Object.observe”は、オブジェクトへ変更が加えられたことを検知して何かを実行するといった動作を簡潔に記述するためのもの。いずれもメモリ効率がよく、柔軟で可読性の高いコードを書くのに役立つ機能だ。

 さらに、“Shadow DOM”が接頭辞なしで利用できるようになった。“Shadow DOM”は、ページ本体とスタイルやスクリプトが干渉することなく、さまざまなページで再利用可能なウィジェットを定義するための仕組み。機能そのものは「Google Chrome 25」から実装されているが、今回それがベンダープレフィックスなしで使えるようになり、より身近な技術となった。

 なお、ベータ版で実装されたCSSの“touch-action”プロパティは、いくつかのサイトで不具合がみられたため、安定版での採用は見送られている。

 また、今回のアップデートには23件の脆弱性の修正が含まれているので注意。深刻度の内訳は、4段階中上から2番目の“High”が3件、上から3番目の“Medium”が3件などとなっている。

ソフトウェア情報

「Google Chrome」Windows向け安定版
【著作権者】
Google Inc.
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
35.0.1916.114(14/05/20)

(柳 英俊)