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オープンソースで開発されている無償3DCG制作ツール「Blender」の最新版v2.70が公開

約2年半ぶりのメジャーバージョンアップ

「Blender」v2.70

 蘭Stichting Blender Foundationは19日(現地時間)、オープンソースの3DCG制作ツール「Blender」の最新版v2.70を公開した。本バージョンはv2.7系統の最初のリリースで、約2年半ぶりのメジャーバージョンアップとなる。

 「Blender」v2.70では、“Cycles”レンダリングエンジンで雲や煙の表現に利用できる“ボリューメトリック”が初めてサポートされたほか、モーショントラッカーでは重み付きトラックへ対応。平面トラッキングも改良された。

 また、メッシュモデリングでは“ラプラシアン変形(Laplacian deform)”や、“ワイヤフレーム(Wireframe)”といった新しいモディファイア(オブジェクトを破壊せずにさまざまな効果を追加する処理)が追加。ベベルツールやナイフツールも改善されている。さらに、ゲームエンジン“Blender Game”では“LOD(レベルオブディテール)”が新たにサポートされた。

 一方、ユーザーインターフェイスにも改善が加えられている。まず目に付くのは、“Default”画面左側にあるコマンド画面がタブ切り替え型になったことだろう。また、オブジェクトのモディファイアやコンストレイント(編集や動きに与える制約)がマルチスレッドで評価されるようになったことにより、マルチコアCPU環境で処理速度が向上。多数のオブジェクトを扱ったり、複雑なモディファイアを処理する際にパフォーマンスアップが体感できるだろう。そのほかにも、これまでのリリースに存在した560以上の不具合が修正されたという。

「Blender」v2.69
「Blender」v2.70

 「Blender」は、無償の本格的3DCG制作ツール。元はWindows向けの商用ソフトだったが、開発元であるNaN Technologiesが2002年に倒産。その資産を買い取ったBlender Foundationにより、オープンソース化された。Windows以外のプラットフォームへも移植されており、現在ではWindows/Mac OS X/Linuxがサポートされている。

ソフトウェア情報

「Blender」Windows版
【著作権者】
Stichting Blender Foundation
【対応OS】
64bit版を含むWindows XP/Vista/7/8(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
2.70(14/03/19)

(柳 英俊)