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「Brackets」Sprint 24が公開、“型を理解する”JavaScriptコード補完エンジンを搭載

“クイックビュー”“クイック ドキュメント”などのビジュアルツールも追加

「Brackets」Sprint 24

 米Adobe Systems Incorporatedは4月30日(現地時間)、オープンソースで開発されているWebアプリ開発向けのコードエディター「Brackets」の最新版Sprint 24(コードネーム:Jack Bauer)を公開した。“文脈を理解する”新しいJavaScriptのコード補完エンジンが導入されたほか、“クイックビュー”や“クイック ドキュメント”といったビジュアルツールが搭載されるなど、これまでにない大規模なアップデートとなっている。

 JavaScriptは動的型付け言語であり、変数に格納されたオブジェクトの型を実行前に特定するのは困難だ。そのため、一般的なテキストエディターに搭載されているJavaScriptのコード補完機能のほとんどは、頻繁に利用される代表的なトークン(ソースコードを構成する単語や記号)を入力候補としてサジェストする簡易的なものに留まっている。

 一方、新しい「Brackets」のコード補完エンジンはAdobeに在籍するコンパイラの専門家の協力を得て開発されており、プロジェクト全体を分析してそれぞれのJavaScriptオブジェクトの型情報を推測する機能をもつ。これにより、その型で利用可能なメソッドのみを補完候補として的確にサジェストすることが可能。ほかのコードエディターよりもワンランク上の“賢い”補完機能が利用できる。

型情報を推測し、文脈に応じた補完を行う。関数のシグネチャを表示することも可能

 なお、“クイックビュー”はCSSに埋め込まれた色情報をポップアップでプレビューできる機能。“クイック ドキュメント”は、選択したCSSの要素に関するヘルプを参照できる機能だ。“クイック ドキュメント”のヘルプは、Web開発に関する情報のポータルサイト“WebPlatform.org”の情報をもとにしている。このプロジェクトはW3Cと有力企業を中心にコミュニティベースで進められており、だれでも参加することができる。

“クイックビュー”でCSSに埋め込まれた色情報をプレビュー
“クイック ドキュメント”でCSSの要素に関するヘルプを参照

 そのほか、画面左のプロジェクトペインをはじめ、ユーザーインターフェイスにもさまざまな改善が加えられている。たとえば、前バージョンのSprint 23で追加されたサイドバーには、拡張機能のインストールダイアログを表示するためのボタンが追加。本バージョンでは間に合わなかったが、将来的にはこのボタンから拡張機能の削除なども行えるようになると言う。

 「Brackets」はWindows XP/Vista/7/8およびMac OSX(10.6/10.7/10.8)に対応するフリーソフトで、現在本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。

ソフトウェア情報

「Brackets」
【著作権者】
Adobe Systems Incorporated
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8など
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
Sprint 24(13/04/30)

(柳 英俊)