NEWS(12/02/15 21:01)

機能や「Microsoft Office」との互換性が強化された「LibreOffice」v3.5.0が公開

「Microsoft Visio」の文書を開けるように

「LibreOffice」v3.5.0「LibreOffice」v3.5.0

 The Document Foundationは14日、「OpenOffice.org」から派生したオープンソースのオフィス統合環境「LibreOffice」の最新正式版v3.5.0を公開した。最新版の主な変更点は、「Writer」「Calc」などの機能が強化されたほか、「Impress」「Draw」「Math」などで「Microsoft Office」との互換性が強化されたこと。

「Writer」で挿入したヘッダーやフッターに点線とタブ風のポップアップが表示される「Writer」で挿入したヘッダーやフッターに点線とタブ風のポップアップが表示される

 ワープロソフト「Writer」では、挿入したヘッダーやフッターに点線とタブ風のポップアップが表示され、タブのクリックで表示されるメニューからヘッダー・フッターの書式やデザインの変更、ヘッダーの削除が行えるようになった。また、英語などの文法チェックエンジンが一新されている。

 表計算ソフト「Calc」では、セルに複数行の文字列を簡単に入力できるように、ツールバー上の“数式入力ボックス”の右側にある三角形のボタンを押すと“数式入力ボックス”が拡張されるようになった。“数式入力ボックス”上で改行を入力するには、[Ctrl]+[Enter]キーを押せばよい。

 また、データを線グラフ化する際に値のない部分を曲線で補完する機能の精度が向上したほか、シートの切り替えタブの右クリックメニューからシートの保護を指定できるようになった。さらに、フィルタ機能で表示されるポップアップがチェックボックス式になり、複数の条件を選択できるようになった。

「Calc」の“数式入力ボックス”を拡張「Calc」の“数式入力ボックス”を拡張

データを線グラフ化する際に値のない部分を曲線で補完する機能の精度が向上データを線グラフ化する際に値のない部分を曲線で補完する機能の精度が向上

シートの切り替えタブの右クリックメニューシートの切り替えタブの右クリックメニュー

フィルタ機能で表示されるポップアップフィルタ機能で表示されるポップアップ

 プレゼンテーションソフト「Impress」や図形描画ソフト「Draw」では、「Microsoft Office」の“SmartArt”機能で作成された図のインポート機能が強化されたほか、「Microsoft PowerPont」にプリセットされている図形を含むPPTX文書の再現性が向上した。

 数式ソフト「Math」では、数理論理学で使われる“非存在限定子”記号や“ゲーム理論”で使われる記号が追加された。また、数式のDOCX文書によるインポート・エクスポート機能も追加されている。

 そのほか、「LibreOffice」全体の変更点として「Microsoft Visio」の文書を開けるようになった。また、PDFファイルのエクスポート機能をはじめとしてユーザーインターフェイスの日本語訳が改良されている。

 「LibreOffice」は、Windows 2000/XP/Vista/7などに対応するフリーソフトで、現在The Document FoundationのWebサイトや窓の杜ライブラリからダウンロードできる。なおv3.5.0は正式版であるものの、熟練したユーザー向けのリリースとなっている。実務向けに利用する際はv3.4系の利用をお勧めする。

【著作権者】
LibreOffice contributors and/or their affiliates
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7など
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.5.0(12/02/14)

(長谷川 正太郎)