NEWS(12/02/02 14:16)

Microsoft、「Kinect for Windows SDK」正式版を公開

商用アプリケーションの開発が可能に

「Kinect for Windows SDK」v1.0.3.190「Kinect for Windows SDK」v1.0.3.190

 米Microsoft Corporationは1日(現地時間)、Windows向け“Kinect”の発売を開始するとともに、そのソフトウェア開発キット「Kinect for Windows SDK」の正式版を公開した。

 “Kinect”とは、カメラ・深度センサー・マルチアレイマイクなどを組み合わせてプレイヤーの体の動きや声を読み取り、ソフトウェアの操作に利用する“NUI(Natural User Interface)”タイプのコントローラー。もともと同社製のゲーム機“Xbox 360”向けとして開発されたが、今回Windows向けが発売されたことにより、ゲーム機以外のデバイス操作への応用が期待されている。

 「Kinect for Windows SDK」は、その“Kinect”をWindowsで利用するためのドライバーや、アプリケーションから操作するためのライブラリ、開発者用のドキュメントやサンプルなどをひとまとめにしたもので、昨年6月に初めてベータ版が公開された。

 前バージョンのBeta 2からの変更点は、同じPCで最大4つまでの“Kinect”を接続・認識可能になったことや、Windows向け“Kinect”に搭載の近距離モード(Near Mode)に対応したことなど。“Xbox 360”向けの“Kinect”では約2メートル離れないと物体が認識できないが、Windows向け“Kinect”では、PCでの利用を想定して40センチメートル程度の距離でも物体を認識可能。

 また、音声の合成を行うコンポーネント「Microsoft Speech Platform」の最新版が新たに同梱された。そのほか、ドライバーやランタイムがアップデートされ、機能の強化や安定性の向上が図られたほか、サンプルプログラムにも追加や更新が施されている。同社によると、今後も年に2~3回のペースで「Kinect for Windows SDK」をアップデートしていくとのこと。

 なお、これまで配布されていた「Kinect for Windows SDK」のベータ版では、商用アプリケーションの開発・配布が認められていなかったが、本正式版からは許可されており、“Kinect”の動作に必要なランタイムをアプリケーションのセットアッププログラムに同梱可能な商業利用対応のインストーラーも追加されている。

 「Kinect for Windows SDK」は、Windows 7および同64bit版に対応するフリーソフトで、動作には、.NET Framework 4、DirectX 9以降に対応するビデオカード、2.66GHz以上のデュアルコアCPU、2GB以上のメモリ(4GBを推奨)などが必要。開発環境には無償の「Visual Studio 2010 Express」を含む「Visual Studio 2010」が利用できる。

【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 7/7 x64
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.3.190(12/02/01)

(柳 英俊)