NEWS(11/12/26 12:55)

「Firefox 10」ベータ版が公開、アドオンの互換性チェックが柔軟に

正式版公開は1月31日、延長サポートリリース(ESR)版も提供される見込み

「Firefox」v10.0b1「Firefox」v10.0b1

 Mozillaは23日、Webブラウザー「Firefox」の次期バージョンとなる「Firefox 10」のベータ版を公開した。Windows 2000/XP/Server 2003/Vista/7などに対応するフリーソフトで、現在公式ダウンロードページ“次世代ブラウザ Firefox | プレビューリリース”からダウンロードできる。

 「Firefox」v10ベータ版では、アドオンの互換性チェックの処理が変更される。

 これまで「Firefox」のアドオンは、作者が対応を明記していない限り“非対応”として扱われていた。そのため、対応バージョンの書き換えのみで正常に動作するにもかかわらず、非対応と判定されてしまうアドオンが少なくなかった。

 そのような事態を軽減するため、Mozillaでは“Firefox Add-ons”に収録されているアドオンの対応バージョン情報を自動更新するといった処置を行なってきた。しかし、“Firefox Add-ons”に収録されておらず、メンテナンスもされていないアドオンについては、アドオンの対応バージョンチェックをスキップする拡張機能「Add-on Compatibility Reporter」を利用するなど、ユーザー側で対応するほかなかった。

 そこで、v10からは作者が対応を明記していないアドオンであっても原則として“対応済み”として扱われるようになった。なお、コードの自動検出やユーザーレポートなどから、あらかじめ未対応であると判明しているアドオンについては、その限りではない。

 ユーザーインターフェイス面では、[進む]ボタンが不必要な場合に表示されなくなったのが目につく。[戻る]ボタンを押すなどした場合のみ、スライドアニメーションとともに[進む]ボタンが現れる。また、“video”タグで動画を表示する際に、現在のフレームを画像として保存したり、統計データを表示できるようになったほか、“Firefox Sync”のセットアップ作業が改善され、よりシンプルなものになった。

[進む]ボタンが不必要な場合に表示されなくなった[進む]ボタンが不必要な場合に表示されなくなった

“video”タグで動画を表示する際に、現在のフレームを画像として保存したり、統計データを表示できるように“video”タグで動画を表示する際に、現在のフレームを画像として保存したり、統計データを表示できるように

“要素を検証”機能“要素を検証”機能

 そのほか、開発者向けの機能として、Webページの構造を解析してリアルタイム編集できる“要素を検証”機能を搭載。また、CSSの“3D Transform”、WebGLでのアンチエイリアス、フルスクリーンAPI、“mouseenter”“mouseleave”イベントなどにも新たに対応している。

 なお、「Firefox 10」の正式版公開は1月31日が予定されている。また、「Firefox 10」からは延長サポートリリース(ESR)版が提供される見込み。ESR版では、通常の「Firefox」の7バージョンごとにメジャーバージョンアップが行われ、その間はセキュリティや安定性に関わる修正のみが配布される。企業での利用など、頻繁なアップデートが適さない場合での利用が想定されており、各メジャーバージョンは約1年間継続サポートされる。

延長サポートリリース(ESR)版が提供される見込み(MozillaのWebページより引用)延長サポートリリース(ESR)版が提供される見込み(MozillaのWebページより引用)

【著作権者】
contributors to the Mozilla Project
【対応OS】
Windows 2000/XP/Server 2003/Vista/7など
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
10.0b1(11/12/23)

(柳 英俊)