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Windows 10で毎月のパッチサイズが20%削減 ~2024年4月プレビューパッチ以降で改善へ

Windows 11で行った削減策の成果をバックポート

公式ブログ「Windows IT Pro blog」におけるアナウンス

 米国時間4月23日にリリースされたWindows 10 バージョン 22H2向けのプレビューパッチ「KB5036979」には、累積的更新プログラム(LCU)のサイズを削減するための変更が加えられているとのこと。

 Windows 10で毎月配信される「品質アップデート」は「累積的」、つまりその時点でリリースされたパッチをすべて含めて配信する形式で行われている。そのため、たとえば3月のアップデートを適用し忘れても、4月のアップデートを適用すれば問題はない。とにかく最新のパッチを適用すればよく、エンドユーザーにはわかりやすい仕組みとなっている。

 しかし、累積的更新プログラム(LCU)のサイズは毎月増大していく。それぞれの月のアップデートのサイズが100MB程度だとしても、それが毎月「累積」されていけば、すぐにGB単位になってしまうだろう。

 そこで、「KB5036979」からはLCUのサイズを削減する新しい手法が導入される。

 LCUはベースとなる更新プログラムと新しい更新プログラムの差分(正方向差分)を圧縮したものと、その逆の差分(逆方向差分)を圧縮したもののペアからなっている。逆方向差分があるのは、パッチを削除した際に元の状態に戻すためだが、これはかならずしも必要ではないことがわかった。そこでWindows 11を導入する段階でLCUに逆方向差分を含めることをやめた結果、約40%のサイズ削減に成功したという。

 このアプローチが、Windows 10にも今月よりパックポートされる。Windows 10でもLCUのパッケージサイズが約20%縮小される見込みで、以下のメリットが得られる。

  • ネットワーク帯域幅の削減
  • ダウンロードの高速化
  • ネットワークトラフィックの削減
  • 低速接続時のパフォーマンスを向上

 なお、この変更には2023年7月23日の更新プログラム(KB5028244)以降にイメージの保守を行うか、スタンドアロンのサービススタック更新プログラム「KB5031539」(2023 年10月10日リリース)の適用が必要。自動でインストールされるはずなので、一般の環境で問題になることはないだろう。