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フリーの高速リモートデスクトップソフト「Brynhildr」が3年半ぶりのアップデート

「libvpx」ライブラリのゼロデイ脆弱性などに対処したv2.6.1が公開

「Brynhildr」v2.6.1

 高速リモートデスクトップソフト「Brynhildr」の最新版v2.6.1が、10月23日に公開された。実に3年半ぶりのアップデートとなる。

 「Brynhildr」は、他のPCを手元のPCで遠隔操作するためのツール。画面や音声の転送以外にも暗号化通信、クリップボード内のテキストデータの転送、ファイル転送といった機能を備えており、マルチモニター環境もサポートされている。安定性も十分で、手術支援システムなどの高い信頼性が求められる分野にも応用されているという。対応OSは、Windows 2000/Server 2003以降。無償で提供されているが、個人利用の範囲に限る。

サーバー(操作対象)・クライアント(操作する側)側の双方で「Brynhildr」を起動して適切なモードに切り替え、IPアドレスを指定して接続するだけ。細部のカスタマイズも可能

 クライアント機能のサンプルがパブリックドメインのオープンソースとして公開されており、iOSアプリ「KeroRemote」や、有志で開発されているクロスプラットフォーム版「Qt Brynhildr」(Windows/Mac/Linux)との接続も可能。しかし、最近は新アーキテクチャーの「Verethragna」に開発リソースが割かれていたようで、「Brynhildr」には大きなアップデートはなかった。

 v2.6.1における変更は、「libvpx」ライブラリのゼロデイ脆弱性(CVE-2023-5217)に対処したことが中心。VP8メディアストリームの処理中にヒープバッファオーバーフローが発生する可能性があり、「Edge」をはじめとするMicrosoft製品や「Google Chrome」、「Firefox」でも緊急のアップデートが行われた。この脆弱性には、「Verethragna」も先日のアップデートで対応済み。

 そのほかにも、この3年間でたまった不具合の修正が行われているとのこと。

ソフトウェア情報

「Brynhildr」
【著作権者】
IchiGeki 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7/8/10およびServer 2003/2008/2012/2019/2016
【ソフト種別】
フリーソフト(個人利用の範囲内のみ)
【バージョン】
2.6.1(23/10/23)