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NEWS (09/07/01 00:05)

Mozilla、動作速度向上と最新Web技術への対応を果たした「Firefox 3.5」を公開

「Firefox 3」公開から約1年、細部の利便性もさらに熟成を重ねる

「Firefox 3.5」
「Firefox 3.5」
 Mozillaは1日(日本時間)、オープンソースで開発されているWebブラウザー「Firefox」のメジャーバージョンアップ版となるv3.5を公開した。v3.5は、昨年7月末に開発者向け限定で公開された最初のアルファ版から数えて、約11カ月にわたって開発とテストが続けられてきた。

 本バージョンはv3.0に比べ、Webページの表示速度やスクリプトの実行速度がさらに向上した。また、HTML 5やCSS 3といった最新のWeb標準技術を積極的に実装するなど、次世代Webアプリケーションの実行環境にふさわしい能力を備えている。そのほかにも、“プライベートブラウジング”をはじめとするプライバシー保護機能、タブの切り離しやセッションの復元といった使い勝手に直結する機能の追加・強化が図られた。

動作速度が向上し最新のWeb標準技術を採用――次世代Webアプリの実行環境へ

 v3.5では、レンダリングエンジンに現行のGecko 1.9を改良したGecko 1.9.1を搭載しており、CSS 2.1およびCSS 3、HTML 5など最新のWeb標準技術にもいち早く対応している。また、オープンソースで開発されたフォーマットである“Ogg Theora”形式の動画および“Ogg Vorbis”形式の音声をプラグインなしで再生できるほか、サーバーからフォントを取得して表示に利用できる“ダウンロードフォント”技術なども利用可能になっている。

 また、JavaScriptエンジンとして“TraceMonkey”を新たに搭載。スクリプトのマルチスレッド化を実現する“Web ワーカースレッド”機能、スクリプトファイルの読み込みとHTML描画を並列的に行う“投機的解釈”機能などもあいまって、スクリプトの実行速度がv3.0に比べ6倍、v2.0から比べると45倍にまで向上しているという。

 こうした最新技術への対応や動作速度の向上は、単に既存のWebサービスをより快適に利用可能にするだけではない。これまではサーバー側で行っていた処理の一部をWebブラウザー側へ任せたり、Webブラウザーの処理能力をユーザーインターフェイスの強化にあてることも可能になるので、Webアプリケーションのさらなる高度化にも貢献するはずだ。たとえば、下記リンクのデモサイトでは次世代Webアプリケーションの実力の片鱗を実際に体感できる。

選択した写真や動画、ユーザーが入力したテキストや絵などを、リアルタイムで動画に埋め込み、自由にサイズや向きを変えながら描画する“Dynamic Content Injection”デモ   動画共有サービス“Dailymotion”によるデモ。再生中の動画を傾けたり、ぼかしのエフェクトをかけたり、右下隅に動くサムネイルを追加することが可能
選択した写真や動画、ユーザーが入力したテキストや絵などを、リアルタイムで動画に埋め込み、自由にサイズや向きを変えながら描画する“Dynamic Content Injection”デモ   動画共有サービス“Dailymotion”によるデモ。再生中の動画を傾けたり、ぼかしのエフェクトをかけたり、右下隅に動くサムネイルを追加することが可能

□Dynamic Content Injection(IEでは閲覧できません)
http://people.mozilla.com/~prouget/demos/DynamicContentInjection/play.xhtml
□Dailymotion - Online Videos, Music, and Movies. Watch a Video Today!(IEでは閲覧できません)
http://www.dailymotion.com/openvideoframe

 このような最新のWeb標準技術を駆使した次世代のWebアプリケーションが登場しても、「Firefox」v3.5ならばそれらをいち早く利用できるだろう。

プライバシー保護機能の強化――個人情報をきめ細かくコントロール

 また、「Firefox」v3.5ではプライバシー保護に関する機能が大幅に強化されている。

“プライベートブラウジング”機能
“プライベートブラウジング”機能
 とくにベータ2で搭載された“プライベートブラウジング”機能は強力で、一時的にWebページの閲覧履歴、検索履歴、フォーム入力履歴、ダウンロード履歴、一時ファイル、Cookieを一切保存せずにWebブラウズができる。同様の機能は、IE8や「Safari」「Google Chrome」といった競合ブラウザーにも搭載されており、「Firefox」もやっとそれに追いついた格好だ。

プライバシー関連の設定も整理され見通しがよくなった
プライバシー関連の設定も整理され見通しがよくなった
 加えて、Webページの閲覧履歴を削除する機能が大幅に強化されている。たとえば、[ツール]−[最近の履歴を消去]メニューからは、1時間以内の履歴や今日の履歴といった特定期間の履歴を簡単に削除可能。

 また、“履歴とブックマークの管理”画面の右クリックメニューに[このサイトの履歴を消去]項目が追加され、指定した履歴と同じドメインをURLにもつ履歴を同時に一括削除できるなど、きめ細かな履歴管理が可能となっている。プライバシー関連の設定画面も整理されており、v3.0と比べて見通しがよくなった。

“最近の履歴を消去”機能   “このサイトの履歴を消去”機能
“最近の履歴を消去”機能   このサイトの履歴を消去”機能

利便性の向上――「Firefox 3」で追加された機能をさらに洗練

 また、使い勝手の向上にも抜かりはない。v3.5は、v3.0と比べて外見上の違いはほとんどないが、細部を観察すれば、v3.0で追加された新機能がさらに洗練されており、より利便性が向上しているのがわかる。

セッション管理

“セッションの復元”機能
“セッションの復元”機能
 たとえば、「Firefox」の再起動時や強制終了後に、閲覧していたWebページを復元して起動する“セッションの復元”機能では、タブのほかにウィンドウを終了時の状態で復元可能になった。ウィンドウの位置やサイズはもちろん、複数ウィンドウの復元も可能。

 また、ファイルのダウンロードのレジュームや、フォームに入力中のテキストなどの復元にも対応。掲示板やブログへの書き込み中や、巨大ファイルのダウンロード中に、うっかり「Firefox」を再起動してしまったり、「Firefox」が強制終了してしまっても安心だ。また、「Firefox」が頻繁に強制終了する場合は、復元するウィンドウやタブを指定する画面が現れ、エラーの原因と思われるWebページを表示したウィンドウやタブを除外して起動できる機能も搭載している。

タブ

 さらに、タブの操作に関しても機能が拡張されており、たとえばIE8のような新規タブを開くボタンが、最後のタブの右隣に追加された。また、従来からあるドラッグ&ドロップによるタブの並び替え機能に加え、ドラッグ操作で別ウィンドウへ切り離す機能を搭載。複数のウィンドウ間でタブを移し替えることも可能で、より柔軟なタブ操作が可能になっている。

新規タブを開くボタンが最後のタブの右隣に追加   タブの切り離し機能を新規搭載。複数のウィンドウ間でタブを移し替えることも可能
新規タブを開くボタンが最後のタブの右隣に追加   タブの切り離し機能を新規搭載。複数のウィンドウ間でタブを移し替えることも可能

ブックマーク

 ブックマーク機能では、ブックマークの追加・編集画面でタグを追加する際に、既存のタグを入力候補として表示する機能が追加された。さらに、“履歴とブックマークの管理”画面では複数のブックマークを選択して、一括でタグを編集可能になったほか、ブックマークのプロパティ画面からもタグを設定できるようになっている。また、ロケーションバー右の星型アイコンからブックマークを削除する際は、複数のフォルダに重複保存されたブックマークを一度に削除可能になるなど、細かい機能改善も施されている。  

タグの入力補完機能   複数ブックマークのタグを一括編集
タグの入力補完機能   複数ブックマークのタグを一括編集

ロケーションバー

 ロケーションバー上での検索機能には、上級者向けにフィルタリング機能が追加された。特定の記号と組み合わせて検索対象の項目を指定する仕組みになっており、たとえば、“^”と組み合わせてWebページのタイトルのみを検索対象にしたり、“*”と組み合わせてブックマークに登録したWebページのみを検索対象にすることが可能。

“^”と組み合わせてWebページのタイトルのみを検索対象に   “*”と組み合わせてブックマークに登録したWebページのみを検索対象に
“^”と組み合わせてWebページのタイトルのみを検索対象に   “*”と組み合わせてブックマークに登録したWebページのみを検索対象に

「Firefox 3」から「Firefox 3.5」へはオンラインアップデート可能

 「Firefox」v3.5はWindows 2000/XP/Server 2003/Vistaに対応しており、現在Mozilla JapanのWebサイトや窓の杜ライブラリなどからダウンロードできる。また、「Firefox」v3.0のユーザーであれば、わざわざインストーラーをダウンロードしなくても、[ヘルプ]−[ソフトウェアの更新を確認]メニューからオンラインアップデートを利用して更新することも可能。


【著作権者】contributors to the Mozilla Project
【対応OS】Windows 2000/XP/Server 2003/Vista
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】3.5(09/07/01)

□Mozilla Japan - 次世代ブラウザ Firefox とメールソフト Thunderbird の公式サイト
http://mozilla.jp/
□窓の杜 - 【NEWS】「Firefox 3.5」公開に合わせ全世界のネットに衝撃波を起こすキャンペーン開催
http://www.forest.impress.co.jp/article/2009/07/01/firefoxwave.html
□窓の杜 - 【NEWS】「Firefox 3.5」は日本時間7月1日0時公開、“Firefox 3.5 の灯”も同時開設
http://www.forest.impress.co.jp/article/2009/06/30/firefox0701.html
□窓の杜 - Firefox
http://www.forest.impress.co.jp/lib/inet/browser/webbrowser/firefox.html

・「Firefox 3.5」ベータ版に関する記事
□窓の杜 - 【NEWS】Mozilla、「Firefox」次期バージョンv3.5のリリース候補版を一般向けに公開
http://www.forest.impress.co.jp/article/2009/06/22/firefox35rc2.html
□窓の杜 - 【NEWS】パフォーマンスや使い勝手がさらに向上した「Firefox」v3.5 Beta 4が公開
http://www.forest.impress.co.jp/article/2009/04/28/firefox35b4.html
□窓の杜 - 【NEWS】タブの切り離しに関する問題を修正した「Firefox」v3.1 Beta 3が公開
http://www.forest.impress.co.jp/article/2009/03/13/firefox3beta3.html
□窓の杜 - 【NEWS】プライベートブラウジング機能を搭載した「Firefox」v3.1 Beta 2が公開
http://www.forest.impress.co.jp/article/2008/12/09/firefox31beta2.html
□窓の杜 - 【NEWS】高速JavaScriptエンジン“TraceMonkey”を搭載した「Firefox」v3.1 β1が公開
http://www.forest.impress.co.jp/article/2008/10/15/firefox31beta1.html

・「Firefox 3」に関する記事
□窓の杜 - 【NEWS】Mozilla、「Firefox 3」を公開、ギネスを目指す“Download Day”が開催中
http://www.forest.impress.co.jp/article/2008/06/18/firefox3.html
□窓の杜 - 【特別企画】「Firefox 3」が公開、その内容に迫る
http://www.forest.impress.co.jp/article/2008/06/18/firefox3sp.html

(柳 英俊)




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