『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、何人もの冒険者をランダムで作成し、ダンジョン攻略に挑むRPG「ランダムヒーローズ」を紹介しよう。

ランダムに作成した冒険者を次々と送り込んでダンジョンを探索するRPG

まずは4つのタイプから選んで冒険者を作成。色々試してみよう

遺跡内は仕掛けがたくさん。知恵とスキルを駆使して進もう

探索開始から時間が経過し、“LIFE”の表示が赤に染まると冒険者は塩の結晶になってしまう

　ゲームは冒険者の作成から始まる。これは作成したい冒険者のタイプを戦士タイプ、魔法タイプ、盗賊タイプ、万能タイプから指定するだけでOKだ。あとはランダムで決定されるステータスが気に入った場合は作成を終了して探索開始、気に入らなければ再選択で作り直せばいい。

　ステータスは名前、レベル、性別、容姿、性格、最大HP、筋力、精神、敏捷、幸運、必殺技、装備品、スキルがあり、すべてランダムで決定される。また、これらのステータスをもとに、攻撃力、物理防御、魔法防御、回避力という戦闘パラメーターが決定される。

　おおまかな分類としては、戦士タイプは筋力が高く物理攻撃向き、魔法タイプは精神が高く魔法攻撃向き、盗賊タイプは敏捷が高く、万能タイプは平均的となっている。どんなに能力が高い冒険者でも遺跡内での活動時間は短く、1人でクリアするのは絶対に不可能なので、こだわりすぎずにある程度適当に決定してプレイを進めていくのがいいだろう。

　遺跡の中はいくつかのエリアに分けられていて、扉やパズル、暗号などの仕掛けをクリアしていき、ボスモンスターを倒すと次のエリアへ進める。エリアが変わる際には中継地点が設置され、ボスを倒した冒険者は中継地点にとどまることになる。エリアが変わると敵の強さが大幅にアップするので、それに備えてより強い冒険者が作成できるようになる仕組みだ。

　なお、フィールド上にある赤い箱にアイテムを預けておけば次の冒険者へ引き継ぎが可能なほか、死んでしまった冒険者のアイテムも、死亡地点に残った血痕か塩の結晶を調べると1つだけ回収することができる。いいアイテムはなるべく引き継いでいきたいものだ。

装備品には重さがあり、筋力の最大値を越えると回避力が下がる		エリアのボスを倒すと中継地点ができ、ここが次の冒険者のスタート地点となる

戦闘や謎解きなど、得意分野が異なる冒険者で分業しながら進もう

戦闘は5枚のカードを使って行動を決定する頭脳戦だ

必殺技も冒険者ごとに違う。威力やエフェクトの違いを楽しんでみよう

　また、敵もカードを選択して行動するのだが、敵のカードはパターンが決まっていて、さらに敵の出すカードがまれに見える場合もあるので、うまく対策を考えて戦えば勝ちやすい。冒険者が引き当てるカードの傾向は性格によって変化し、攻撃的だったり、守備・回復重視だったりするので傾向を把握することも重要だ。SP消費が大きいが威力が高い必殺技のカードを引きやすい性格が、戦闘においては強い。

　ただし、冒険者は戦闘が強ければいいというわけではない。遺跡内に散りばめられた謎解きや仕掛けをクリアするためには、ランダムに身に付けられるスキルも重要だ。扉を開けられる“解錠”や、通常は読めない古代文字を読む“博識”、怪しい仕掛けがある場所を察知する“直感”、暗闇でも周囲が見える“暗視”など、状況に応じて必要となるスキルはいくつもある。すべてを備えた冒険者はそうそう出現しないので、分業して攻略するといい。

　プレイした印象としては、冒険者が次々と変わるのでそのたびに新鮮なプレイ感覚が味わえるのが面白い。攻撃が当たらずボコボコにされた敵に魔法タイプの冒険者で挑むと楽勝だったり、攻撃力が高いボスに重装備で対抗したりと、さまざまなシチュエーションに応じて送り込む冒険者を変える戦略、そして適任の冒険者を作る楽しさが本作の醍醐味と言える。送り込んだ冒険者の履歴が記録されていくので、自分の冒険者選びの傾向が見えるのもなかなか興味深い。

　謎解きもかなり難しいものがあるが、救済措置があるのでやり込めば必ずクリアへの道が開けるだろう。冒険者を作成してちょっと遺跡に潜るだけでも、一風変わった面白さが味わえるはず。まずはさわりだけでも遊んでみてほしい。先へ進むためについつい第2、第3の冒険者を作りたくなるはずだ。

【著作権者】友 照美　氏
【対応OS】（編集部にてWindows XPで動作確認）
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.11（08/02/26）
【ファイルサイズ】22.7MB

□と（略）（仮）
http://2nd.geocities.jp/t_theremin/

（藤井 宏幸）