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NEWS (07/11/20 21:20)

「Firefox」v3.0 Beta 1 日本語版が公開

レンダリングエンジンやブックマーク管理など、ソフトの根幹部分が大幅に刷新

「Firefox」v3.0 Beta 1 日本語版
「Firefox」v3.0 Beta 1 日本語版
 Mozilla Corporationは20日、Webブラウザー「Firefox」次期バージョンv3.0のBeta 1を公開した。Windows 2000/XP/Server 2003/Vistaに対応するフリーソフトで、“Mozilla Developer Center”のリリース告知記事などから、日本語版を含む各種言語版をダウンロードできる。なお、本バージョンよりWindows 98/Me/NT 4.0は非対応となっている。

 本ベータ版はテスト目的で公開されており、開発者やテスター以外の利用は推奨されていない。また、「Firefox」v3.0に非対応の拡張機能は動作しなくなるため、既存の「Firefox」ユーザーはテスト用に新しいプロファイルを作成するとよいだろう。

●タグ対応やアドレスバーからの検索など、ブックマークと履歴の管理機能が一新

ブックマークにタグをつけて管理できる
ブックマークにタグをつけて管理できる
アドレスバー上で、タグやタイトルによりブックマークや履歴を検索可能
アドレスバー上で、タグやタイトルによりブックマークや履歴を検索可能
 「Firefox」v3ではブックマークの管理機能が一新され、ブックマークにタグを付加できるようになった。また、アドレスバーの右側にある星印をクリックするだけで、閲覧中のWebページをブックマーク可能になった。ただし、Beta 1では既知の問題により星印を1回クリックしただけではメニューやツールバーに表示されないので、もう一度星印をクリックしてブックマークの保存先フォルダを指定する必要がある。

 ブックマークに付加したタグは、ブックマークサイドバーでの検索に利用できるのはもちろん、アドレスバーに直接タグを入力すれば、該当のタグを含むブックマークをプルダウンリストで一覧表示できる。また同様に、ブックマークしたページのタイトルをアドレスバーに入力してもよく、この場合ブックマークだけでなく、履歴も同時に検索可能だ。これらの改良により、メニューやサイドバーを開かなくても、ブックマークや履歴へすばやくアクセスできるようになった。

 なお、これらの改良は、ブックマークや履歴をデータベースとして管理する“Places”と呼ばれる新システムで実現されており、このPlacesではブックマークや履歴をさまざまな条件で抽出することも可能。たとえば、ブックマークツールバーの左端に追加された“Places”という項目のプルダウンメニューから、“最近ブックマークしたページ”“アクセス回数の多いページ”などを表示させることが可能だ。

 そのほかブックマークの管理画面では、日付別に自動バックアップされたブックマークをメニューから簡単に復元できるようになった。

●レンダリングエンジンが刷新されたほか、長いURLの折り返しなど待望の改良も

画像も含めたページ全体が拡大・縮小されるよう仕様が変更
画像も含めたページ全体が拡大・縮小されるよう仕様が変更
長いURLを折り返して表示できるようになった
長いURLを折り返して表示できるようになった
 Webサイトのレンダリングエンジンには、約2年半かけて開発が続けられてきた新エンジン“Gecko 1.9”を搭載し、パフォーマンスや安定性が向上。またページの拡大・縮小時は、文字だけでなく画像も含めたページ全体が拡縮するよう仕様が変更された。CSSへの対応も強化されたほか、PNGのアニメーション版である“APNG”へ新たに対応している。そのほかユーザー待望の変更点として、ついに長いURLを折り返して表示できるようになったことが挙げられる。

 また、従来はIMEがONの場合、スペースキーでページをスクロールできなかったが、v3ではブラウザー画面で自動的にIMEが無効化されるようになり、ユーザーがIMEをOFFにしなくてもスペースキーでページをスクロールできるようになった。もちろん、WebフォームなどではそのままIMEを利用可能だ。

 さらに、ファイルのダウンロード途中に本ソフトを終了しても、次回起動時にレジューム機能によって続きからダウンロード可能になった。そのほか本ソフトの終了時に、開いているタブを保存するかどうか選択できるようになったり、Web検索バーのサイズが変更可能になるなど、使い勝手に関するさまざまな改良が施されている。

●さらなるセキュリティの向上

“マルウェア”配布サイトへのアクセスをブロックできる(画面はテスト用ページのもの)
“マルウェア”配布サイトへのアクセスをブロックできる(画面はテスト用ページのもの)
アドオンの管理画面でプラグインも一覧できるようになった
アドオンの管理画面でプラグインも一覧できるようになった
 「Firefox」v2で搭載されたフィッシング詐欺サイトの検知機能に加え、ウイルスやスパイウェアといった“マルウェア”を配布しているサイトを検知する機能が追加された。ただし現時点では、マルウェア配布サイトを判別するためのデータベースが稼働していないため、テスト目的でのみ利用できる。

 また、フィッシング検知機能では、これまでフィッシングの警告を無視してサイトを閲覧し続けることができたが、v3ではページを一切閲覧できなくなるよう仕様が変更されている。同様にSSLのセキュリティ証明書に問題があるページへアクセスした場合、ダイアログで警告するだけでなくページ自体へ接続できなくなった。これらの仕様変更は、PCやインターネットに詳しくないユーザーが、警告を無視してセキュリティに問題のあるサイトを閲覧し続けてしまう危険性を低減してくれる。

 さらに、アドオンに関するセキュリティも強化されている。“Firefox Add-ons”に登録されているアドオンや、有効な署名が施されたアドオン以外は自動更新されなくなったほか、インストールされたアドオンやプラグインのバージョンを自動的にチェックし、セキュリティに問題のある古いバージョンが無効化されるようになった。また、アドオンの管理画面では拡張機能やテーマに加えてFlashなどのプラグインを一覧表示し、不要なプラグインを無効化する機能が追加されている。


【著作権者】Mozilla Foundation
【対応OS】Windows 2000/XP/Server 2003/Vista
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】3.0 Beta 1(07/11/20)

□Mozilla Developer News >> Blog Archive >> Firefox 3 Beta 1 now available for download(リリース告知記事)
http://developer.mozilla.org/devnews/index.php/2007/11/19/firefox-3-beta-1-now-available-for-download/
□Mozilla Firefox 3 Beta 1 Release Notes(リリースノート)
http://www.mozilla.com/en-US/firefox/3.0b1/releasenotes/

(中村 友次郎)




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