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【第291回】

縦スクロールシューティングゲーム「阿僧祇」

緻密な戦略による超能力バトルが楽しめる

(07/01/26)
タイトル画面
   

 インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、3種類の超能力の使い方がポイントとなる縦スクロールシューティングゲーム「阿僧祇(アソウギ)」を紹介しよう。

超能力者同士のバトルをシューティングで表現

ステージの道中は機械兵器を破壊しながら進み、ボス戦は“能力者”とのバトルとなっている。プレイヤーキャラはショットが拡散する“流 星架”と、前方集中タイプの“暁 出”から選択可能
ステージの道中は機械兵器を破壊しながら進み、ボス戦は“能力者”とのバトルとなっている。プレイヤーキャラはショットが拡散する“流 星架”と、前方集中タイプの“暁 出”から選択可能
ステージの道中は機械兵器を破壊しながら進み、ボス戦は“能力者”とのバトルとなっている。プレイヤーキャラはショットが拡散する“流 星架”と、前方集中タイプの“暁 出”から選択可能
 「阿僧祇」は、特殊な能力もつ“能力者”を操作し、敵を倒していく縦スクロールシューティングゲーム。ステージは全5面で、道中にはSF風の機械兵器が出現する一方、ステージ最後のボス戦は敵“能力者”とのバトルとなっているのが特徴だ。ボスを倒すとステージクリアとなる。

 プレイヤーが操作する“能力者”は、通常ショットが拡散タイプで移動速度が遅めの“流 星架(ながれ せいか)”と、通常ショットが前方一直線タイプで移動が速い“暁 出(あかつき いずる)”から選択可能。操作はカーソルキーで移動し、[Z]キーで通常ショットを発射できるほか、[X]キーで“衝撃波”、[C]キーで“サイコキネシス”、[V]キーで“トランス”という3種の超能力を発動する。プレイヤーキャラは敵弾に当たると画面左下のシールドゲージが1つ減少し、これがゼロになるとゲームオーバーだ。シールドはステージクリア時にノーミスだと2つ、コンティニュー未使用だと1つ回復する。コンティニューはステージ1から3までなら何度でもできるが、1回でもコンティニューするとステージ4以降に進めなくなってしまう。

 プレイヤーキャラは超能力を発動すると、画面右下に%で表示されている“精神力”を消費する。精神力はステージ開始時に300%あり、消費量は衝撃波使用で10%、サイコキネシス使用で50%、トランス使用で100%だ。一方、通常ショットを撃たずにいると1%ずつ自然回復するほか、超能力の使用で0%以下になった場合は、自動的に0%まで回復する。また、敵を撃破すると出現する“精神エネルギー”アイテムを取ることでも回復可能で、アイテムはステージ道中では通常ショットを撃たずにいると、ボス戦では常に自動回収される。

縦一直線に伸びる“衝撃波”。一定時間画面にとどまり、効果を与え続けられる
縦一直線に伸びる“衝撃波”。一定時間画面にとどまり、効果を与え続けられる
 超能力のうち衝撃波とサイコキネシスは、ステージ道中とボス戦で効果が異なるのが特徴。衝撃波は縦一直線にビームのような波動を飛ばす攻撃で、機械兵器にはダメージを与え、ボスである“能力者”に対しては移動速度を低下させる効果がある。サイコキネシスは画面内の機械兵器すべてにダメージを与える能力で、ボス戦で使った場合は、敵を一定時間行動できなくすることが可能だ。この2つの能力は敵の“能力者”も使用してくる場合があり、衝撃波同士がぶつかると相殺されるほか、敵がサイコキネシスを発動したときは、こちらも即座にサイコキネシスを発動することで無効化できる。

 そしてトランスは、プレイヤーキャラの能力を一定時間アップする超能力。“流 星架”は敵弾を破壊するショットを発射可能となり、“暁 出”はショットの威力が大幅に強化される。また、発動中はショットを撃っていても精神力が自動回復し、回復速度もアップする。

“サイコキネシス”は画面全体の敵機にダメージを与える超能力。ボス戦では敵の動きを止める効果がある   “トランス”を発動するとショットがパワーアップ。使いどころを決めておこう
“サイコキネシス”は画面全体の敵機にダメージを与える超能力。ボス戦では敵の動きを止める効果がある   “トランス”を発動するとショットがパワーアップ。使いどころを決めておこう

敵の攻撃パターンを覚え、戦略を立てて戦おう

ボス戦では超能力の応酬が熱い。敵のサイコキネシスを防御しつつ戦うのだ
ボス戦では超能力の応酬が熱い。敵のサイコキネシスを防御しつつ戦うのだ
 通常ショットは自動連射で、被弾すると一定時間無敵になり、さらに無敵時間終了時は全方位に飛び散るシールドの破片で攻撃できるなど、初心者でもそこそこ先へ進めるとっつきやすさがある。しかし、手強いボスを撃破するには衝撃波、サイコキネシス、トランスという3つの超能力を効率よく使って戦う戦略性が必要だ。またボス戦では敵のサイコキネシスを防御するために多く精神力を消費するので、いかに道中で精神力の消費を抑えるかが重要となる。そのためには、まず敵の出現パターンを覚え、“精神エネルギー”を多く出す大型の敵を確実に撃破するのがポイント。そしてボス戦では、ボスの攻撃パターンを覚えて場面に適した能力を使い、ボス本体へショットを撃ち込むという攻撃パターンを洗練させていこう。

 プレイのスタイルは使用キャラによって大きく異なる。“流 星架”は通常ショットが拡散するのであまり移動する必要がなく、ピンチになったらとっさにトランスを発動すれば緊急回避が可能と、ステージ道中は楽に進むことができる。ただしショットを1カ所に集中して撃ち込めないのでボス戦が長期戦になり、精神力を消費しながらの厳しい弾避けを余儀なくされる。“暁 出”は通常ショットが前方集中型でトランスも火力アップと攻撃重視のため、ボス戦ではサイコキネシスで敵の動きを止め、ショットを撃ち込むという速攻が可能。反面、道中では多くの敵を倒すために激しく動き回る必要があり、適度にサイコキネシスも併用してダメージを与えていかねばならない。キャラによって精神力の使い所が違ってくるので、自分に合ったキャラを選ぶといいだろう。

 ボスが強めで簡単には先のステージへ行けないが、ステージ3まではコンティニュー回数に制限がないので、何度もコンティニューしてステージ構成やボスの攻撃パターンを覚えていき、戦略を立てることで攻略を進められる。またリプレイ機能があるので、自分のプレイを見返して対策を練ることも可能だ。本作では避けきれないような無茶な攻撃は少なく、ダメージを受けるのは凡ミスか戦略ミスが原因といえる。そのため、頭を使えば少しずつ攻略が見えてくるのがパズルゲーム的だと感じた。『この場所ではこの能力を使う』といった先手先手の攻略パターン作りに慣れてくると、このゲームの面白さが分かってくる。派手さはないが、“攻略”というゲーム本来の楽しさを味わえる一作だ。

【著作権者】ASOUGI Project Team
【対応OS】Windows 98/Me/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.33
【ファイルサイズ】120MB

□阿僧祇-アソウギ
http://www.natugeasasuzu.com/asougi_site/asougi

(藤井 宏幸)




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