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【第283回】

多方向スクロールシューティング「ether vapor」

3Dを活かした個性的なステージを楽しもう

(06/10/27)
タイトル画面
   

 インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、1作品で縦スクロール、横スクロール、そして斜めスクロールを楽しめる立体的なシューティングゲーム「ether vapor」を紹介しよう。

縦スクロールステージにて、“ガトリングショット”を発射。攻撃の基本だ
縦スクロールステージにて、“ガトリングショット”を発射。攻撃の基本だ
 「ether vapor」は、3種類のショットを駆使して敵機を倒し、ステージクリアを目指すシューティングゲームだ。プレイヤーは2基の“ビット”を帯同した青い戦闘機を操作して、各ステージの最後にいるボスを倒せばクリアとなる。敵弾や敵本体に接触すると画面左下に表示されている“SHIELD”ゲージが1つ減少し、これがゼロになるとゲームオーバーだ。コンティニューは2回まで可能なほか、次回以降のプレイ時は、一度到達したステージから開始することもできる。

 本作は3D描画を活かした独特の画面構成が特徴で、縦スクロールステージと横スクロールステージ、そして斜め方向へとスクロールする“Bonus Zone”がシームレスに切り替わる。操作はカーソルキーで自機の移動、[Z]キーで自機とビットから正面にショットを高速連射する“ガトリングショット”、[X]キーで自機からは正面にショットを、ビットからは左右(横スクロール時は上下)に向けて拡散するショットを放つ“ワインダーショット”、[C]キーで自機から正面にショットを撃ちながら、ビットは敵機を1機ずつ自動ロックオンして追尾弾を発射する“ロックオンショット”となっている。[V]キーはビット操作ボタンで、“ワインダーショット”使用時はショットの拡散方向の調整、“ロックオンショット”使用時はロックオンする敵機の切り替えが可能。“Bonus Zone”での操作は特殊で、自機の移動はプレイヤーが操作せず、カーソルキーでロックオンカーソルを移動させて複数の敵機を同時にロックオンし、[Z][X][C]キーのいずれかで“ロックオンショット”を発射する。

“ワインダーショット”は対小型機用に使っていきたい   横スクロールステージにて“ロックオンショット”を発射。確実にヒットする
“ワインダーショット”は対小型機用に使っていきたい   横スクロールステージにて“ロックオンショット”を発射。確実にヒットする

“Bonus Zone”ではロックオンカーソルを操作してミサイルを撃墜する
“Bonus Zone”ではロックオンカーソルを操作してミサイルを撃墜する
奥行きを利用した、縦横無尽なドリル特攻。ボスの攻撃は個性的だ
奥行きを利用した、縦横無尽なドリル特攻。ボスの攻撃は個性的だ
 ステージ1は縦スクロールステージで、ボスの前には“Bonus Zone”でミサイルを迎撃、再び縦スクロールでボスを倒すと横スクロールのステージ2へ突入する、といった具合に、画面のスクロール方向は次々と変化していく。操作そのものはスクロール方向にかかわらず、カーソルキーを押した方向へ移動するだけなので戸惑うことはないだろう。ただし、縦スクロール時は自機より上空と低空、横スクロール時は自機の奥と手前というふうに、通常ショットでは攻撃できない位置に敵機が出現するので注意が必要だ。これらの敵機には“ロックオンショット”でのみ攻撃が可能なので、敵機の位置に応じて武器を使い分けていこう。各ショットの威力は、連続で撃ち込めば“ガトリングショット”が最強で、一発あたりの威力は“ロックオンショット”が強い。“ワインダーショット”は攻撃が拡散してしまうので、耐久力が低い敵機が多く出現する場面で使うといい。敵機の耐久力は、ショットを当てた時にゲージと数値で表示されるので参考にしよう。

 得点は、ショットのヒット時と、敵機の撃墜時に加算される。そのほかステージクリア時には、ボス戦に設定された制限時間の残りや、敵機撃墜に使用したショットに応じたボーナス点が入る。とくに“ロックオンショット”で撃墜するとボーナス点が多くなるが、複数の敵機を同時に攻撃できないため、撃墜数が少なくなってしまいやすい。ハイスコアを狙うなら、ビットボタンでロックオン対象を素早く切り替えながら、“ロックオンショット”で多くの敵機を撃墜できるように練習するといい。また、大型機など一部の敵機は撃墜すると“over kill”と表示され、爆発するまでの一定時間さらにショットを撃ち込める。この撃ち込みによって加算される得点は通常の8倍となっており、ハイスコア狙いには欠かせないボーナス要素だ。一定のスコアを得ると“SHIELD”が1つ回復するので、できるだけスコアは稼いでいこう。

 プレイのポイントは武器の切り替えだ。プレイした感じでは、通常は“ガトリングショット”を使い、高度や奥行きがずれた敵機が出たら“ロックオンショット”に切り替えるというのが戦いやすかった。“ワインダーショット”は、2発以上ショットを当てないと倒せない敵機がいる場面では敵機の殲滅速度が遅くなるので、対小型機専用だろう。また、比較的自機の当たり判定が大きく被弾しやすいので、スレスレで避けるのではなくややゆとりをもって回避したほうがいい。もし被弾してしまったら一瞬だけ自機が無敵になるので、素早く安全な位置へ逃げよう。

ステージクリア時は戦闘結果とデモが見られる
ステージクリア時は戦闘結果とデモが見られる
 本作には、洪水のような弾を当たり判定の小さい自機ですり抜けたり、ステージ構成を記憶していないと避けられないような高速弾を避けたりといった無茶なステージ構成はない。しかし自機の当たり判定が大きく気を抜くとやられる、といった古きよきシューティングゲームの傾向がやや見られる。そのぶん難易度は低めに設定されていて、いかに武器を切り替えて効率よく敵を倒すか、ということに比重が置かれている印象だ。また好みの分かれるところだが、各ステージ間やボス戦の前などにはパイロット同士の会話があり、兵器同士の無機質な戦いに彩を添えている。なお、今回紹介したのはトライアルバージョンで、ステージ3までプレイが可能。完全版は後日同人ソフトとして公開される予定とのことなので、気に入った人は楽しみに待とう。

【著作権者】えーでるわいす
【対応OS】Windows 98/Me/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.06a(06/09/24)
【ファイルサイズ】15.5MB

□えーでるわいす
http://edelweiss.skr.jp/

(藤井 宏幸)




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