窓の杜Logo
【第268回】

“技能検定”つきシューティング「Quantized Blaze」

自分のシューティングゲーム技術を測定してみよう

(06/06/09)
タイトル画面
   

 インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、自分のプレイ内容を解析してシューティング技能を判定してくれるシューティングゲーム「Quantized Blaze」を紹介しよう。

最終ステージに出現するボスは大きな炎。耐久力があり攻撃も激しい
最終ステージに出現するボスは大きな炎。耐久力があり攻撃も激しい
 「Quantized Blaze」は、奥行きのあるステージの奥に向かって進む、疑似3D型の縦スクロールシューティングゲーム。戦闘機から前方に水を発射し、画面上部から現れる炎を消しながら、4つのステージ+ボスステージのクリアを目指す。炎が撃ってくる弾が戦闘機に当たるか、炎が画面の最下部に到達するとミスとなり、画面右上に表示されている“REST”が1つ減少。3回ミスするとゲームオーバーだ。

 操作はカーソルキーで移動、[Shift]キーで水を発射、[Z]キーでボムを使用する。水は[Shift]キーの押しっぱなしで連射が可能で、ボムを使用すると画面上の敵を一掃したのち一定時間無敵になる。またスペースキーを押すと、プレイを中止しタイトル画面へ戻るという、いわゆる“捨てゲー”が可能。シューティングゲームとしてはオーソドックスな作りだが、ゲームオーバーになるか、ゲームをクリアするとプレイ内容を判定してくれる“技能検定”が最大の特長だ。これについては後述するとして、まずは基本的なプレイの進め方を紹介しよう。


“フィーバー状態”では大量の得点アイテムが自機に向かって飛んでくる
“フィーバー状態”では大量の得点アイテムが自機に向かって飛んでくる
フィーバー状態のまま次ステージへ進むと“CLASS UP!”で難易度が上昇
フィーバー状態のまま次ステージへ進むと“CLASS UP!”で難易度が上昇
 炎を消すとボーナスアイテムが出現し、これを取ると1つにつき100点のスコアが得られる。また、カーソルキーを素早く左右に入力することで、近くにあるボーナスアイテムを“吸引”することが可能だ。ボーナスアイテムは画面左下に表示される“テンションゲージ”が高いほど、出現数が多くなる。テンションゲージは炎を消すと上昇していくが、戦闘機を画面のより前に出すことで、ゲージの上昇率が4段階にアップする。上昇率は、戦闘機の周囲に表示される円の数で確認可能だ。

 テンションゲージは時間経過やボム使用で減少し、ミスするか次のステージに入るとゼロに戻る。また、テンションゲージが最大に達すると“フィーバー”状態となる。フィーバー中は画面内にあるすべてのボーナスアイテムを自動吸引できるため、大量得点のチャンス。さらに、フィーバーはステージ分岐の条件にもなっており、ステージ終了時にフィーバー状態だと、難易度の高いステージへと進む。難易度の低いステージを進みたい場合は、ステージ終了間際にボムを使ってテンションゲージを下げればよい。ボムはステージが変わるごとに1発追加されるので、惜しまずに使っていこう。


これが技能検定画面。詳細な分析結果を見て、次のプレイの参考にしよう
これが技能検定画面。詳細な分析結果を見て、次のプレイの参考にしよう
 本作の最大の特長となっている技能検定は、ゲームクリアもしくはゲームオーバー時にプレイの内容がデータ化され、それをもとに判定されるというものだ。検定の画面には“折れ線グラフ”“レーダーチャート”“データ数値”“総合技能レベル”の4項目が表示される。“折れ線グラフ”では戦闘機が画面の左右、上下をどのように移動していたか、テンションゲージの状況、炎をどれだけ速く消したかが表示される。“レーダーチャート”は6項目の技能評価で、どれだけ前に出て戦ったかを評価する“攻撃性”、どれだけ左右に動いて素早く炎を消したかを評価する“巧緻性”、ボーナスアイテムの収集率を評価する“貪欲さ”、生存能力を評価する“回避能力”と“判断力”、そしてボムの使い方の評価が表示される。また“データ数値”はミスの回数やボーナスアイテムの収集率などの数値が細かく表示される。さらに、各評価値を総合して決定されるのが“総合技能レベル”だ。これらを見ることで、自分のプレイの傾向や技能を把握できてしまうのだ。

 基本的には検定のことは気にせず、普通のシューティングゲームとしてプレイすればいいが、フィーバー状態で次のステージに入ると難易度がアップするので、シューティングゲームが苦手な人は慣れるまでフィーバー状態にしないほうがいい。難易度の低いステージを通過していけば、1周クリアはそれほど難しくないはずだ。ただし難易度が低いステージでは評価も上がらないので、少しずつ難易度の高いステージへチャレンジしていこう。また、ボムを使わずにミスすると評価が下がるので、けちらずに使っていったほうがいい。もちろん、最終的にはボムを使わずにノーミスクリアするほうが高評価となるが、その域まで達するには相当の熟練が必要なので、上級者以外は気にしなくていいだろう。


画面の前方に出て、出現する炎はすぐに消す。先手必勝だ
画面の前方に出て、出現する炎はすぐに消す。先手必勝だ
 なお、画面下のほうで回避重視のプレイをするより、前に出て、炎が出現したら即座に消していくほうが生き残りやすい。炎は次々と出現して弾を撃ってくるので、多数出現させてしまうと画面内が弾だらけになり、逃げ場がなくなってしまうからだ。ボム使用後やミスした後は、無敵時間を利用して前に出つつ炎を一掃、そのまま“炎が出現したら即消火”という流れに持ち込むといい。

 プレイのしかた次第で難易度は高くも低くもなるので、どんな人でも各自の技量に合わせて楽しむことができる。しかも技能検定のおかげで自分のプレイを向上させていこうというやる気が出るうえ、わずかな進歩がデータとしてすぐに確認できるため非常にやりがいがある。1回のプレイは5分ほどなのでテンポがよく、くり返しプレイすることが苦にならないのもいい。作者は『技能検定をあまり本気にしないでください』と説明書に書いているが、計測されるデータは本物なので非常に参考になる。なによりスコア以外にプレイヤーをやる気にさせる要素として、これほど充実したものはなかなかないだろう。事実、筆者はスコアをほとんど気にせず、評価の善し悪しに一喜一憂しながらプレイしていたほどだ。シューティングゲームが得意な人も苦手な人も、自分の技量を測定してみてはいかがだろうか?

【著作権者】keim 氏
【対応OS】Windows 98/Me/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】0.8.0.1【ファイルサイズ】2.66MB

□+Si+
http://www.yomogi.sakura.ne.jp/~si/

(藤井 宏幸)




トップページへ
週末ゲームINDEX へ
Copyright ©2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.
編集部への連絡は お問い合わせはこちらをクリック まで