インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、絶滅寸前の種族“クチルス”の生活を助けるコマンドを、プレイヤーが自ら考え出すシミュレーションゲーム「生きろ」を紹介しよう。

メニューから“コマンド”を選ぶことで“クチルス”に命令を出せる

　「生きろ」は、たった2人だけになってしまった“クチルス”という種族が住む島の王となり、さまざまなコマンドを駆使して“クチルス”を繁栄させていくシミュレーションゲーム。飢えや寿命、隣国からの攻撃など、小さな島で起こる多くの困難を乗り越え、“クチルス”の数を増やしてできるだけ長く存続させるのがゲームの目的だ。食料が尽きたり、敵の攻撃や寿命を迎えることで“クチルス”は減っていき、その数がゼロになるとゲームオーバーとなる。また、ゲーム中のデータを1カ所のみセーブし、ゲームオーバー時などに途中からやり直すことが可能だ。

　本作では1日に1回さまざまなコマンドで“クチルス”に命令を与えていくのだが、このときすでに用意されているコマンドを選ぶのではなく、自分が思いついたコマンドをキーボードで文字入力するのが大きな特長だ。ゲームの開始時に、クチルスの数を増やす“生活”、釣りをして食料を増やす“釣り”、家を建ててクチルスを死ににくくする“建築”という3つのコマンドを教わるが、それ以外は手探りで見つけていかなければならない。

コマンドはキーボードによる文字入力。最初の説明で3種類だけ教えてくれる		たとえば“生活”をコマンドを入力すれば“クチルス”の数が増える

発見したコマンドは、メニューの“リスト”からいつでも確認可能

他国からの攻められることも。勝利すると食料が手に入る

　コマンドは全部で35種類あり、コマンド名ずばりではなく意味が近い言葉の入力にもある程度対応している。たとえば“生活”は“産む”と入力しても同じ効果となる、といった具合で、いろいろな言葉を入力してコマンドを見つけるのが本ゲームの醍醐味だ。発見したコマンドはリストで確認できる。

　コマンドを見つけるコツだが、クチルスを守るためには何が必要かを考えるとよいだろう。釣りをもっと効率よく行うためには何を作ればいいのか、寿命を延ばすためには何が必要か、敵の攻撃に対抗するには何が一番大切か……などなど、いろいろと考えればコマンドを発見できるはずだ。また、ゲームを進めるうちにイベントが発生し、クチルスがコマンドを教えてくれることもある。

　ゲームを進めるうえで、もっとも重要なのが食料だ。クチルスは、たった1日でも食料が不足すると死んでしまう。10人いたとして、食料が8個しかなければ2人は確実に死んでしまうのだ。数を増やすことや建築に力を入れすぎて、食料の確保をおろそかにするとアッという間に絶滅の危機に瀕してしまう。かといってクチルスの数が少なすぎるのも問題だ。急に寿命が尽きてしまうのも怖いが、隣国から攻められたときに数が少ないと全滅してしまう恐れがあるからだ。最初のうちは10人弱を確保しつつ、食料を増やすことに力を入れるのが安全だろう。なお、隣国の状況をチェックするコマンドも用意されている。自国の体制を整えるためにもぜひ探しておきたい。

ところどころでイベントが発生。全部で22種類も用意されている

　場面にマッチしたコマンドを文字入力してゲームを進めるという、まるでパソコンゲーム初期のテキストアドベンチャーを彷彿とさせるシステムだが、今となってはかえって新鮮みを感じさせる。コマンドを入力するまでゲームは進行しないので焦る必要はないのだが、常に『適切なコマンドでなければ全滅してしまうのではないか』という緊張感が漂い、とくに全滅しやすいプレイ初期は『ここは生活で数を増やすべきか』『いやいや食料のキープが先だ』など、ドキドキ感がタップリだ。ちなみにクチルスの上限は100人となっている。ある程度コマンドの発見が終わったら、今度はどこまで数が増やせるかチャレンジしてみるのも面白いだろう。

【著作権者】ドラレプ　氏
【対応OS】Windows 98/Me/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.24【ファイルサイズ】158KB

□生きろ：無料ゲーム by ふりーむ！
http://www.freem.ne.jp/game/rev/385.html
□ふうしんし
http://husinsi.hp.infoseek.co.jp/

（芹澤 正芳）