【第265回】

“脳トレ”系パズルゲーム「くしぃto魔法のペンキ」

手順とタイミングが命！　2人のキャラをゴールへ導こう

（06/05/12）

　インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、操作が簡単で思考性が高いリアルタイムパズルゲーム「くしぃto魔法のペンキ」を紹介しよう。

前進する白い“くしぃ”をゴールまで導こう

“くしぃ”をペンキで塗ると障害物に対し魔法の力を放つ。氷は炎で溶かせ！

　「くしぃto魔法のペンキ」は、2Dサイドビューの固定画面で進行するリアルタイムパズルゲーム。プレイヤーは3種類の魔法のペンキを使い、最大6段のフロアで構成されたステージ内を自動で歩き回る、白くて丸い謎の生物“くしぃ”をゴール地点まで無事に移動させ、ステージクリアを目指す。“くしぃ”の村の長老が倒れ、主人公が村のピンチを救うために冒険するというストーリーがあり、全9ステージをクリアするとエンディングだ。“くしぃ”が上から落ちてくる障害物につぶされたり、3段以上の高さから落ちた場合、もしくは画面右下の“タイムゲージ”がゼロになるとミスとなり、ハートマークで表示されるライフが1つ減少する。ライフがゼロになるとゲームオーバーだ。コンティニューはないので、ライフを減らさないように全ステージクリアを目指そう。

　プレイヤーが行う操作は、画面左下に表示される赤、青、緑3色の“魔法のペンキ”アイコンをマウスでクリックしたのち、画面上を動く“くしぃ”をクリックしてペンキを塗ることのみ。ペンキを塗られた“くしぃ”は、接触した障害物に対して魔法の力を放つ。このとき赤ペンキでは炎、青ペンキでは水、緑ペンキでは風の力を放ち、これによってたとえば氷を溶かしたり、植物を育てたり、岩を動かすことができるのだ。ただし魔法の力を1度使うと“くしぃ”の色は白に戻るうえ、ペンキには色ごとに使用回数制限があり、ペンキアイコンの右に表示された回数しか使用できない。

　“くしぃ”は前方の障害物に接触するまで前進移動し、障害物に接触すると反転、また足場がない場所では下に落ちるという行動パターンで常に動き続けている。ステージ開始時から迅速に行動しないとクリアできないステージもあるので、どのタイミングでどのペンキを使うのかを素早く判断することが大切だ。クリア不能の手詰まり状態になってしまったら、“タイムゲージ”の左にある“！”マークのアイコンを押せば、ライフを1つ消費してステージの最初からリトライできる。

ステージ2からは“くしぃ”が2人に。どちらもゴールできるように工夫しよう
　ステージ1では1人の“くしぃ”をゴールに導くだけでよいが、ステージ2からは“くしぃ”が2人になる。本作はここからが本番で、2人の“くしぃ”が別々の場所から動き出すので両方の面倒を同時に見なければならず、片方の障害物を動かすことでもう一方の進路をふさいでしまうことがある。さらに、片方が魔法で植物を育ててもう一方の進路を作る、といった連係が必要な場面もあり、その際には2人の“くしぃ”の進行タイミングをうまく合わせなければならない。

　また、限りある魔法のペンキを適材適所で使うことも攻略のポイントとなる。たとえば氷の障害物は、赤ペンキの炎で消せるほか、緑ペンキの風で押すことも可能だが、どちらのペンキを使わずに残し、次に必要な場面に備えるかを考慮しなければならない。そのためにはゴールにたどり着くまでのイメージプランをあらかじめ組み立てたうえで、すばやく正確に操作することが大切だ。

　操作自体はシンプルなので、ステージクリアには柔軟な思考と判断力、そして失敗を検証する力が問われる。その意味では、最近流行の“脳トレ”系ゲームに近いものがあると言えるだろう。ステージ4あたりからは、クリアするためには何度もトライすることになるが、試行錯誤を繰り返せば確実にクリアへ近づけるので、途中で投げ出したくなることなく最後までプレイできた。どうしてもクリアできない場合は、タイトル画面から“HELP”を選ぶとステージセレクトモードで任意のステージを繰り返し練習できるので、これを利用するといい。また、2人の“くしぃ”のやりとりで進む、妙に味わいのあるステージ間のストーリーデモも楽しい。『これはすごい！』と驚くような新要素はないが、誰にでもおすすめできる遊びやすさは抜群。プレイして損はない一作だ。

　

妙にテンションが高いステージ間のやりとりも魅力の1つ？ 　 後半ステージでは2人の“くしぃ”のタイミングを合わせることがクリアの鍵となる