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【第255回】

デフォルメ戦車アクションゲーム「Sunday Panzers」

さまざまな性能をもつ戦車で部隊を組織し、3Dフィールドでバトル!

(06/02/10)
タイトル画面
   

 インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、見た目がかわいらしく簡単に遊べる後方視点型の3Dアクションシューティングゲーム「Sunday Panzers」をご紹介しよう。

グラフィックはシンプルだが、そのぶん敵の視認性がよくサクサク遊べる
グラフィックはシンプルだが、そのぶん敵の視認性がよくサクサク遊べる
 「Sunday Panzers」は、(株)タカラの人気玩具“チョロQ”を彷彿とさせるかわいらしい外観のデフォルメ戦車で部隊を編成して、起伏のある3Dフィールド上で、コンピューターが操作する敵部隊と戦うステージクリア型のアクションシューティングゲーム。プレイヤーはまず、プレイするステージと自分が操作する“Squad”(部隊)を選択する。ステージは50個あるが、最初は10面までしか選べない。10面をクリアすると、さらに先のステージを選択できるようになる。また部隊も、最初から選べるのは10種類のうち2種類で、難易度の高いステージをクリアすると選べる部隊が少しずつ増えていく。部隊ごとに、利用できる戦車のスピードや防御力、攻撃力が異なる。

 部隊を選んだら、次は部隊に加える戦車を購入する。画面左上に表示されている“Credits”の範囲内で性能や価格が異なる戦車を購入できるが、最初のステージでは“Credits”が少なく、安くて弱い“Locust”か“Chaffe”を1台しか購入できない。ステージが進むごとに“Credits”が増え、強い戦車を複数買えるようになる。戦車は最大12台まで購入して同時に出撃可能で、ユーザーが操作する1台以外はコンピューターが操作する。

画面左上に表示される“Credits”を消費して戦車を購入できる。総額はステージが進むごとに加算されていく   戦車は最大12台まで出撃させることができ、プレイヤーはそのうち1台を操作する。操作する戦車は随時切り替え可能
画面左上に表示される“Credits”を消費して戦車を購入できる。総額はステージが進むごとに加算されていく   戦車は最大12台まで出撃させることができ、プレイヤーはそのうち1台を操作する。操作する戦車は随時切り替え可能

 戦車を購入したら、いよいよバトル開始だ。各ステージには、丘陵地、木、牛やラクダ(撃つと爆発する!)などが配置されており、敵戦車の位置は画面右上にあるレーダーを見れば一目瞭然。ステージ上の敵戦車を全滅させればステージクリアと、ルールは極めてシンプルだ。自部隊の各戦車の耐久力は画面の左上に表示されるほか、敵味方ともに、あと数発攻撃を喰らうと破壊という段階になると、車体上に被弾状況を表現する穴が表示される。

 戦車の操作はカーソルキーの上下で前後移動、左右で旋回となっており、“上と右”などの同時押しで斜め移動も可能。また、スペースキーで主砲の発射、左の[Ctrl]キーで一定時間スピードを上げる“ターボ”の発動を行ない、右の[Ctrl]キーを押している間は後ろを振り返って見ることができる。さらに、ファンクションキーで操作する戦車を切り替えることが可能。

 戦車は、機種ごとに攻撃力、防御力、スピードが大きく異なるが、目に見えるパラメーターなどの情報がないため、性能の違いは体感レベルで少しずつ把握していくしかない。とはいえ、高額な戦車はそれ相応に強く、さらに“Credits”を消費して強化することも可能。安定した戦いを望むなら“量より質”を追求したほうがいいだろう。

 また、本作には戦車ゲームにありがちな“砲塔の旋回”や“主砲の仰角”といった概念はない。砲塔は前方にガッチリ固定されており、砲弾は車体と並行に発射される。車体が上り坂の途中なら、その角度に応じて砲弾が山なりに飛ぶし、下り坂なら手前に着弾するといった具合だ。最初は敵戦車に弾を当てるのが難しいかもしれないが、車体の操作と照準が連動しているぶん、アクションゲーム初心者にはこちらのほうが簡単かもしれない。

砲塔という概念ないため、敵戦車に車体を向けて射撃する。次弾装填までタイムラグが生じるので、しっかりと狙いを定めよう   主砲の仰角は地形に左右されるため足場に要注意。丘の上から下へ向けて狙い打ちするなど、車体の姿勢が重要になってくる
砲塔という概念ないため、敵戦車に車体を向けて射撃する。次弾装填までタイムラグが生じるので、しっかりと狙いを定めよう   主砲の仰角は地形に左右されるため足場に要注意。丘の上から下へ向けて狙い打ちするなど、車体の姿勢が重要になってくる

 戦いを有利に進めるコツは、フィールド上のランダムな位置に定期的に出現するアイテムを見逃さないこと。アイテムは、攻撃力を2倍にする“Superbullet”(赤い風船)や、敵の攻撃を無効にしてくれる“Barrier”(白い風船)、耐久力を回復してくれる“repair”(青い風船)の3種類。“Superbullet”と“Barrier”は、一定時間が過ぎると効果が消失する。敵もアイテムを積極的に利用してくるので、目についたらなるべく取りに行ったほうがいいだろう。

中央左寄りの奥に見える青い風船が、戦車の耐久力を回復してくれるアイテム“repair”。なかなか出現しない   “Superbullet”(赤い風船)と“Barrier”(白い風船)はゲットすると車体周辺に同色のエフェクトがつく。両方ゲットすれば怖いものなし!?
中央左寄りの奥に見える青い風船が、戦車の耐久力を回復してくれるアイテム“repair”。なかなか出現しない   “Superbullet”(赤い風船)と“Barrier”(白い風船)はゲットすると車体周辺に同色のエフェクトがつく。両方ゲットすれば怖いものなし!?

 また、戦車は正面や側面は頑丈だが、背面から撃たれると大ダメージを負う。どれだけ頑丈な戦車でも、“Superbullet”状態の相手に背後から襲われればひとたまりもない。さらに、戦車は味方の砲弾に当たってもダメージを負うので、快足戦車で敵を翻弄して同士討ちさせるという遊び方も可能。逆に言えば、味方だからといって安心していると背後から酷い目に合わされることも珍しくないわけだが……。

背後から撃ち込むと大ダメージを与えられる。1対1ではなかなか難しいが、敵味方が複数入り乱れている状況なら結構狙いやすい   敵を引きつけつつ、合間をぬうように動けば同士討ちを誘える。タイミングを間違えると自分が蜂の巣になるので、敵の射撃間隔をよく見極めよう
背後から撃ち込むと大ダメージを与えられる。1対1ではなかなか難しいが、敵味方が複数入り乱れている状況なら結構狙いやすい   敵を引きつけつつ、合間をぬうように動けば同士討ちを誘える。タイミングを間違えると自分が蜂の巣になるので、敵の射撃間隔をよく見極めよう

 本作はかわいいグラフィックやコミカルなBGM、ポンポンという軽快な砲弾の発射音が心地よい、ポップな作品だ。また、コアなミリタリーファンには一見物足りないかもしれないが、丘陵地を登るときにスピードが落ちたり、逆に下り坂で加速する様子や全8種類ある戦車の性能差などはリアルで、思わず感心させられるはず。誰でもすぐに遊べるとっつきやすさがある一方で“戦車っぽい雰囲気”もさりげなく残されているあたり、実にセンスがいい。アクションゲームが好きな人に迷わずおすすめしたい作品だ。

【著作権者】Bertone Ermes 氏
【対応OS】(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】-(04/12/01)
【ファイルサイズ】7.34MB

□Ermes design :: free project games :: download it!!!
http://xoomer.virgilio.it/ermesjr/

(豊臣 和孝)




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