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【第249回】

リアルタイム対戦カードバトル「ABCD」

自分だけの“デッキ”を組んで通信対戦で“デュエル”しよう!

(05/11/18)

タイトル画面
   

 インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、手軽にリアルタイムバトルが楽しめるネットワーク対戦型カードゲーム「ABCD」をご紹介しよう。

カードは大別して5種類に分けられ、それぞれ効果の適用される範囲などが異なる
カードは大別して5種類に分けられ、それぞれ効果の適用される範囲などが異なる
チュートリアルも充実している。言われたとおりやるだけでなく、なぜそうなるのかを理解することが重要だ
チュートリアルも充実している。言われたとおりやるだけでなく、なぜそうなるのかを理解することが重要だ
 “トレーディング・カードゲーム”という、カードを集め、そのなかから自分だけの組み合わせ(“デッキ”と言う)を作り、一定のルールの下で戦わせる(“デュエル”すると言う)遊びがある。しかし、人気のシリーズになるとカードだけで何千種類とあり、集めるだけでもひと苦労。この「ABCD」は、そうした敷居の高さを取り払い、カードゲームの楽しさだけを抽出してパソコンでプレイできるソフトだ。自分の作ったデッキを用いた通信対戦によるデュエルが中心だが、充実したチュートリアルから始まり、プレイヤーレベルに応じて多数のCPUプレイヤーも用意されているので、オフラインのシングルプレイだけでも十分に楽しめる。

 「ABCD」には“クリスタル”“サモン”“ソーサリー”“ランドスペル”“バトルスペル”の5系統からなる、それぞれ異なる能力や属性をもった計300枚のカードが用意されており、どのカードも、最初から好きなだけデッキに組み込むことができる。それぞれのカードには、能力や効果の高さに応じて、使うために必要な“MP(マジックポイント)”および“クリスタル(この2つをまとめて“コスト”と呼ぶ)”と、“詠唱時間”が設定されている。これらのカードを駆使して対戦相手のHP(ヒットポイント)を削っていき、ゼロにするのがゲームの目的だ。

カードの説明は常時表示させておくこともできるので、慣れないうちはお世話になろう
カードの説明は常時表示させておくこともできるので、慣れないうちはお世話になろう
 ゲーム画面は中央から上下に分けられ、上部が敵側、下部が自分側の陣地になっている。画面右側が手札のエリアで、左側の“場”に手札を出すことによって、カードの効果を発揮させる。1回のターンにつき出せるカードの枚数は種類ごとに定められているので、よく考えて使いたい。もし、カードの効果をよく覚えていない場合は、画面左側に詳細説明ウィンドウを表示させておくことも可能だ。

 操作はマウスで使いたいカードをクリックし、その効果や使用先を選択するだけでよい。その時点で使用できないカードは暗く表示され、クリックできないようになっているのでとまどうことはないだろう。

 まずは、目的のカードを使うために必要なクリスタルカードを場に出し、MPを蓄積していく。カードを出すためのコストがまかなえるようになったら、サモンカードでクリーチャー(怪物)を呼び出したり、ソーサリーカードで敵や、敵のクリーチャーを攻撃してHPを減らしていこう。また、カードごとに固有の条件を満たしたときに限り、追加のMPを消費することで、そのカードの“スキル”を発動させ、補助的な効果を得ることもできる。こうした一連の動作を繰り返し、どちらかのHPがゼロになった時点で勝敗が決まる。

 “詠唱時間”は、カードを場に出しても、一定の時間が経過しないと効果を発揮しないという独自のシステム。これにより戦いにリアルタイム性が加わっていることが「ABCD」の大きな特長だ。ゲーム内の時間は“フレーム”という単位によって表され、1回のターンは500フレームと定められている。この間に双方リアルタイムで必要なカードを出していき攻撃や防御をするのだが、詠唱時間はカードごとに異なるため、先に出したにも関わらず相手よりもあとに効果が発揮される、といったことが起こりうる。自分と相手が出したカードの残りフレームは、手札のエリアに表示される。

現在のバージョンでは、デッキエディターはゲーム本体と別のプログラムとして同梱されている
現在のバージョンでは、デッキエディターはゲーム本体と別のプログラムとして同梱されている
 1つのデッキに加えることのできるカードの枚数は、40枚以上、80枚以下と定められている。コストが高く詠唱時間が長いという“強いが遅い”カードばかりでは戦いを進められないし、コストが低く詠唱時間が短いという“弱いが速い”カードばかりでも勝利がおぼつかなくなってくる。このため、攻守のバランスがほどよく取れた、自分なりの“デッキ”の組み合わせを模索する必要が出てくるのだ。作ったデッキを試したくなったら、公式サイトのマッチングサーバーで対戦相手を探してデュエルしてみよう。また、ユーザー同士でIPアドレスが分かっているならば、直接接続して対戦することも可能だ。

 デッキ編集を同梱の別ソフトで行う必要があるほか一部イラストが描かれていないカードがあるなど、ユーザーインターフェイスやグラフィックには開発途上な部分もあるが、詠唱時間の概念など、オリジナリティにあふれたゲームシステム自体は、すでにかなりの完成度をもった『遊べる』モノに仕上がっている。自らのデッキとともに、今後の「ABCD」の成長を見守ってみてはいかがだろうか。

マッチングサーバーを活用して、よきライバルを見つけよう。ハマりすぎには十分ご注意を   絵が描かれていないカードに絵をつけてくれる有志を募集中とか。我こそはと思ったら公式サイトへ問い合わせを
マッチングサーバーを活用して、よきライバルを見つけよう。ハマりすぎには十分ご注意を   絵が描かれていないカードに絵をつけてくれる有志を募集中とか。我こそはと思ったら公式サイトへ問い合わせを

【著作権者】jxta ◆YLtNyRyYyQ 氏
【対応OS】Windows 2000以降(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.37(05/11/06)
【ファイルサイズ】5.07MB

□おいお前ら、対戦カードゲーム作りませんか?
http://abcdgame.hp.infoseek.co.jp/

(がすけつ)




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