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NEWS (04/11/01 23:00)

米Mozillaの技術担当者が来日、セミナーの会場で「Firefox」とIEを徹底比較

「Firefox」は安全面、パフォーマンス、機能面でIEよりも優れていると主張

 Mozilla Japanは1日、「Firefox」v1.0 リリースカウントダウンと称し、同団体主催による初のセミナーを開催した。本セミナーには、アメリカのMozilla Foundationで技術部門のディレクターを務めるChris Hofmann氏が招かれ、IEと比べた際の「Firefox」の優位性や、次期バージョンの構想などについて語った。


米Mozilla FoundationのChris Hofmann氏   「Firefox」とIEをさまざまな点で比較した表
米Mozilla FoundationのChris Hofmann氏   「Firefox」とIEをさまざまな点で比較した表

 同氏の講演によれば、「Firefox」の優位性は、安全面、パフォーマンス、機能面に大別できるという。まず安全面において同氏は、IEを踏み台にするスパイウェアが数多く存在する一方、「Firefox」はスパイウェアをブロックする機能があるため、スパイウェアとは無縁であると語った。

 スパイウェアをブロックする機能は安全面に貢献するだけではなく、Webページ表示時の速度低下を防止できることも多いという。そもそもIEと「Firefox」の表示速度は本来ほとんど変わらないにも関わらず、「Firefox」の表示速度はIEより10倍速いと体感するユーザーがいたという。調査の結果、IEを踏み台にしているスパイウェアが、IEでのWebページ表示時に入手した情報をもとに各種処理を行っていたため、IEの表示速度が低下していたと同氏は解説した。

 またIEは、危険度が高い脆弱性が多く発見されているにも関わらず、その大半はすぐに修正されないが、「Firefox」では脆弱性が発見された際に24時間で対応した実例もあると、セキュリティ対策に力を入れていることを語った。

 さらにパフォーマンスの点において、「Firefox」はインストーラーのファイルサイズが約5MBと小さいため手軽にインストールできるが、IEは脆弱性の修正プログラムだけで50MBを超えることもあると指摘。インストーラーのファイルサイズが小さければ、必然的にプログラム自体のサイズも小さいので、メモリ消費量も抑えられる結果となるようだ。また機能面に注目し、IEは約4年間も大きな変化がないなか、「Firefox」にはタブ切り換え機能やRSSリーダー機能など、多くの最新技術が搭載されていると優位性を語った。


IEのセキュリティ不安を指摘した図   IEには搭載されていない「Firefox」の便利な機能
IEのセキュリティ不安を指摘した図   IEには搭載されていない「Firefox」の便利な機能

 そのほか、同氏はMozilla製品の未来構想についても講演し、ブックマークやWebページのキャッシュといったWebブラウザーの主要機能を1つのAPIにまとめるという。また、機能追加とプログラムの肥大化は切り離せない関係にあるため、今後もプログラムの肥大化を抑えることを優先し、追加する機能を吟味していくとのこと。

 また同セミナーでは、Mozilla Japanで理事を務める瀧田 佐登子氏による講演も行われ、現在同団体は非常に少ない人員で運営されており、コミュニティーの協力を積極的に受け入れている状況や、Mozilla製品の普及だけでなくWeb技術の標準化も進めていくことなどを語った。


Mozilla Japanで理事を務める瀧田 佐登子氏   Mozilla製品以外にMozilla Japanで実施されているプロジェクト
Mozilla Japanで理事を務める瀧田 佐登子氏   Mozilla Japanで展開中のプロジェクト


□Mozilla Japan - Firefox ブラウザ、Thunderbird、Mozilla Suite の公式サイト
http://www.mozilla-japan.org/

(中井 浩晶)



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