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週末ゲーム

【第184回】

パズルアドベンチャーゲーム「かむたこ」

簡単操作で本格的なパズルゲーム

(03/09/26)

タイトル画面

 パズルゲームのおもしろさといえば、なんといっても立ちはだかる難問を解いたときの達成感に尽きるだろう。解法を思いつき、実際にそれが正解だったときの快感は、他のどのジャンルのゲームでも得られないパズルゲームだけの醍醐味だ。よいパズルの条件として、“ルールが単純でありながら奥深い”ことがよく挙げられると思うが、今回紹介する「かむたこ」は、一見簡単そうだが実際始めてみると一筋縄では解けないというパズルゲームの奥深さをじっくりと楽しめる作品だ。

“たこ”の世界にやってきた“カムカムくん”。パズルを解いて元の世界に戻るのだ
“たこ”の世界にやってきた“カムカムくん”。パズルを解いて元の世界に戻るのだ

 「かむたこ」は、キツネの科学者“Con博士”に作られた白いロボット“カムカムくん”を操作して、フィールド内に点在するパズルステージに挑戦していく横視点のパズルアドベンチャーゲーム。“たこ”が住む世界に送られてしまった“カムカムくん”が、“たこ”たちの手助けをしながら元の世界に戻るための冒険をするというストーリー。ゲームは、フィールド内の“たこ”を仲間にしたり、“たこ”から依頼を受けたりすることで物語を進行するアドベンチャーステージと、郵便物をポストまで運ぶパズルなどに挑戦するパズルステージに分かれている。アドベンチャーステージでは、段差や植物のツタ、水などの障害物によっていくつかのエリアに区切られたフィールドを探索してさまざまなアイテムを入手したり、“たこ”を仲間にすることで移動できる範囲を広げてゲームを進めていく。なお、“たこ”を仲間にすると画面右下の数字が増えていき、パズルステージなどで必要なときに取り出して利用することが可能だ。パズルステージは、特定のエリアに入ると突然クリア条件が画面に表示されてスタートし、プレイヤーはステージ内に置かれた荷物を段差や障害物の間に挟まらないように押して郵便ポストまで移動させたり、“たこ”を利用して高い足場にある宝箱を取るといったパズルに挑戦する。アドベンチャーステージで“たこ”を仲間にして行動範囲を広げ、パズルステージで与えられた条件をクリアすることで物語が進行するので、元の世界に戻るために各ステージを1つずつ確実にこなしていこう。

 操作方法は簡単で、左右のカーソルキーで左右方向への移動、上下のカーソルキーで仲間になった“たこ”の出し入れを行う。“たこ”は[↓]キーを押すごとに“カムカムくん”の足下に1匹ずつ出現し、[↑]キーを押すと最初に現れた“たこ”が消える。また、[↑]キーはアクションボタンも兼ねており、“たこ”と会話をしたりスイッチを押すといったさまざまな行動を起こすことができる。“たこ”が画面に出現している間は、荷物や岩と同じように押したり、踏み台にして岩や壁を乗り越えることが可能。“カムカムくん”は1ブロック分の段差や隙間を上ったり飛び越えたりできるが、2ブロック以上の高い場所へ移動するには、[↓]キーを2回押して2匹の“たこ”を足下に積み上げるといったテクニックが必要となる。ゲームを進めていくとたくさんの“たこ”を仲間にできるため、複数の“たこ”を同時に使用できるようになったり、宝箱に入っている“勇気のお守り”を入手することで縦に2つ以上積み上げられている岩を押すこともできる。一見、手詰まりのような状況に陥っても、“たこ”の配置を変更するだけで切り抜けられる場合もあるので、“たこ”や岩を駆使して先に進む手段を考えよう。

パズルステージでは荷物を押して郵便ポストまで届けるなど、さまざまな課題に挑戦
パズルステージでは、荷物を押して郵便ポストまで届けるなど、さまざまな課題に挑戦

 パズルをクリアするためのポイントは、なんといっても“たこ”を使いこなすことだ。“たこ”は口の部分が吸盤になっていて、壁や他のブロックにくっつくという習性がある。この習性を利用して壁に足場を作ったり、他のブロックと組み合わせて段差や隙間を乗り越えるというのが基本的なテクニックとなる。“たこ”は“カムカムくん”が向いている方向と同じ向きに出現するので、くっつく面を左右どちらにするのかが重要な場面も多い。“カムカムくん”は、1ブロック分の足場の上でも素早く左右移動することで方向転換できるので、うまく“たこ”の向きをコントロールしよう。また、フィールド内の仕掛けを利用してマップ構成を変化させるのも重要なテクニックだ。たとえば、フィールド内のベッドで寝たりスイッチを切り替えることでフィールドの昼夜を入れ替え、夜のみに行くことができる場所に移動できるほか、フィールド内の扉から壁の中に入ることで障害物を回避して移動することもできる。なお、壁の中に入ることができる扉は隠されている場合もあるので、移動できる場所がないときは、壁に向かって[↑]キーを押して扉を探してみるとよいだろう。

 かわいらしい見た目とキャラクター同士のコミカルなやりとりで、一見、ライトタッチな作品に見えるが、パズルゲームとしては本格的な作品となっている。パズルステージは、“たこ”の配置だけでなく出現させる順番や消す順番まで計算に入れないと解けないステージばかりなので、やりごたえがある。また、徐々に難易度が上がっていくステージ構成も見事で、それまでに使ったテクニックに新しいアイデアをもう1つ加えれば解けるというさじ加減が、高めの難易度も理不尽に感じさせることはない。気軽に始めたつもりが、つい“もう1ステージ”と遊び込んでしまう中毒性の高い作品なので、本格的なパズルゲームを求めている人は、是非、プレイしてほしい。

“たこ”の習性を利用して、うまく足場を作って進んでいこう   スイッチやベッドで昼夜を入れ替えるとマップ構成が大きく変わる。夜にならないと行けない場所も多い
“たこ”の習性を利用して、うまく足場を作って進んでいこう   スイッチやベッドで昼夜を入れ替えるとマップ構成が大きく変わる。夜にならないと行けない場所も多い

【著作権者】mikawa yasushi 氏
【対応OS】Windows Me/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.095(03/07/28)
【ファイルサイズ】580KB

□Conのラボ
http://members.tripod.co.jp/conlabo/

(肥田 明久)


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