窓の杜Logo

.
Review NEWS

スピーカーのさまざまな特性を測定するツール「MySpeaker」v1.12

マイクロフォンをつなげばパソコンがスピーカー測定器に早変わり

(03/04/18)

「MySpeaker」v1.12
「MySpeaker」v1.12
 スピーカーのさまざまな特性を測定するツール「MySpeaker」v1.12が、5日に公開された。Windowsに対応する5,000円のシェアウェアで、編集部で試用したところWindows 2000/XPでの動作を確認した。現在作者のホームページからダウンロードできる。

 「MySpeaker」は、周波数特性や位相特性、高周波歪みなどを測定してスピーカーの性能をさまざまな角度から分析するツール。スピーカーは、基本的にアンプから送られてきた電力信号をユニットで気圧の強弱に変換して音を鳴らす仕組みになっているが、実際に出力される音の特性はエンクロージャーの材質や形状、その内側の吸音材などの各要素が複合的に影響してくる。「MySpeaker」を使えば、サウンドカードを搭載したPCとマイクロフォンを用意するだけで、スピーカーのさまざまな特性を手軽に測定できるようになる。耳で判断していた音の特性を具体的なデータにすることで、スピーカーを自作する際の調整に役に立つだろう。

 測定方法は、まずサウンドカードの音声入力端子にマイクロフォンをつなぐ。マイクロフォンを設置する場所は、計測するスピーカーの前面から50cm以内で、高さはユニットの中心線上に置く。ユニットが複数あるマルチウェイスピーカーの場合は位相をあわせるためにレベル調整用に用意されている“ピンクノイズ”と“インパルス”を利用して高さを調整しよう。次にサウンドカードの出力端子とアンプもしくはスピーカーをつなぎ、スピーカーからPCの音が出るようにしておく。「MySpeaker」を起動し、プルダウンメニューから測定したい信号波を選択して[開始]ボタンを押すと、指定した信号音がスピーカーから出力される。音はスピーカーの手前に設置したマイクロフォンを通じてPCに集音され、取り込まれた結果を「MySpeaker」上で測定方法ごとに用意された詳細なグラフによって音の特性が確認できるという仕組みだ。なお、マイクロフォンの性能によって計測できる周波数範囲や特性が変わるため、「MySpeaker」にはあらかじめ登録されているマイクロフォンの型番を選んで調整する“感度補正”機能を搭載しているが、できるだけ測定用に適した特性をもつマイクロフォンを用意するとよいだろう。

 発信できる信号波の種類は、ピンクノイズ・インパルス・ホワイトノイズ・クロマチックノイズ・サイン波・サインスイープなどがあり、レベル調整・f特・累積スペクトラム・位相や高周波歪み・エネルギー応答特性・インピーダンスの測定が可能。これらはあらかじめプリセットされているプルダウンメニューが用意されており、信号波によって調査できる特性を知らなくても利用できるようになっている。その他、ユニットのウォーミングアップをするための“エージング”機能や、信号音のファイルが壊れてしまった場合に復旧する機能も備えている。

 スピーカーを自作する人には、「MySpeaker」を仕上げのチューニングで活用すると便利ではないだろうか。また、実際に耳で聞いている位置にマイクロフォンを設置することにより、ベストなリスニング位置を探す場合にも役に立つ。いつも耳で確認していた音の特性を具体的なデータにすることで、設置場所や設置方法の変更を考える際に手がかりとしても利用できるだろう。

【著作権者】Bachagi.h 氏
【対応OS】(編集部にてWindows 2000/XPで動作を確認)
【ソフト種別】シェアウェア 5,000円
【バージョン】1.12(03/04/05)

□スピーカー設計プログラム
http://village.infoweb.ne.jp/~fwgi5816/SP/

(生田 茂)


お詫びと訂正: 掲載記事の本文中にフリーソフトと記述しましたが、正しくは5,000円のシェアウェアです。お詫びして訂正いたします。

トップページへ
Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.
編集部への連絡は mado-no-mori-info@impress.co.jp まで