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オンラインソフトでHyper-Threading対応Pentium 4をフル回転!

マルチスレッド動作するオンラインソフトでHyper-Threadingを活用しよう

(02/12/05)

Hyper-Threading対応のCPUは、Windows XP上でもCPUが2つあると認識される
Hyper-Threading対応のCPUは、Windows XP上でもCPUが2つあると認識される
 この秋ついに登場したHyper-Threading対応Pentium 4。物理的に1個のCPUながら、ソフトウェアからは2個のCPUとして認識されるインテルの最新鋭テクノロジーだ。実際に使用するには対応するマザーボードとOSが必要となるが、物理的に2個のCPUを並列動作させるデュアルCPUと違い、1個のCPUの処理効率を高める目的の技術で、ハードウェアのコストが少なくて済む利点がある。また、ソフトウェアからは、従来からのデュアルCPUとほぼ同じ手法で利用可能だ。なお現時点でHyper-Threadingに対応しているWindowsは、Windows XPのみとなっている。

 Hyper-Threadingによる恩恵は、OS自身を含む複数のプログラム(ソフト)が並行して動作するマルチタスクはもちろん、マルチスレッド動作のソフトでも受けられる。マルチスレッドとは、1つのプログラム内で独立した複数の処理が並行して動作する形態のこと。たとえば、ゲームでは画面を表示するスレッドや音楽を再生するスレッド、プレイヤーの操作を監視するスレッドなど、多くのスレッドを同時に動作させることでリアルタイム性の高い処理が可能になるわけだ。

タスクマネージャーでは、2つのCPUがほぼ均等に使用されていることが分かる
タスクマネージャーでは、2つのCPUがほぼ均等に使用されていることが分かる
 CPUが1個の場合は時間を短く区切って各スレッドを順番に実行するが、デュアルCPUやHyper-Threading対応のCPUでは、各スレッドを個別のCPUに割り当てて実行することで処理能力の向上が見込めるというワケだ。特に、エンコードなど膨大な演算が必要な処理では、デュアルCPUやHyper-Threading対応CPUを前提にマルチスレッド化し、演算を複数のスレッドに分散させて処理の高速化を図る手法が採られることが多い。そこで、今回はマルチスレッド動作のオンラインソフトを集めてみたので、Hyper-Threadingの威力を確かめてみてほしい。なお、Hyper-Threadingの詳細については、下記URLの記述が参考になるだろう。

□Hyper-Threading - 鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011102/key187.htm#HT
□AKIBA PC Hotline! Hothotレビュー(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1114/hotrev188.htm
□ハイパー・スレッディング・テクノロジ(インテル(株)の解説ページ)
http://www.intel.co.jp/jp/homepage/land/hyperthreading_more.htm

WAVEファイルをMP3ファイルに高速変換「午後のこ~だ」

「午後のこ~だ」v3.11a
「午後のこ~だ」v3.11a
 WAVEファイルをMP3ファイルに高速変換するフリーのMP3エンコーダー。MMXをはじめSSEやSSE2など、CPUの各種拡張命令を駆使して高速に処理できるのが特長だ。マルチスレッド動作にも対応しており、Hyper-Threading対応のCPUを活かすことができる。また、“午後べんち”と呼ばれる「午後のこ~だ」のエンコードエンジンを利用したベンチマーク機能があり、CPUの演算能力を比較可能だ。Hyper-Threading対応Pentium 4 3.06GHzでSSE2/SSE/MMX及び“ハイクオリティ”を有効にして計測したところ、34.27倍速。さらに“マルチプロセッサ”を有効にしてマルチスレッド動作で測定したところ、38.55倍速と1割強の速度向上があり、Hyper-Threadingの効果を確認できた。なお、同一環境においてHyper-Threading非対応のPentium 4 2.20GHzで、“マルチプロセッサ”を無効にし、シングルスレッドで測定したところ、25.75倍速という結果を得ている。

【著作権者】PEN@海猫 氏
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】3.11a(02/11/27)

□@MARINECAT
http://member.nifty.ne.jp/~pen/mct_top.htm

AVI形式の動画をMPEG-1/2形式に変換できる「TMPGEnc」

「TMPGEnc」v2.59
「TMPGEnc」v2.59
 AVI形式の動画ファイルをMPEG-1形式に変換する多機能なエンコードソフト。MMXやSSEなど各種拡張命令に対応したCPUでは、より高速にエンコード可能だ。フレームレートやビットレートなどのほかGOP構造や量子化行列など各種パラメーターを非常に細かく設定できる。ウィザードで最低限の設定をするだけで、専門的な知識がなくても様々な目的のMPEG-1ファイルを作成可能だ。画質にこだわったエンコードをすることで知られ、マニアに人気がある。最新版のv2.59では公式にHyper-Threading対応を謳っており、環境設定の[マルチスレッド使用]という項目を有効にすることで利用できる。

【著作権者】堀 浩行 氏、(株)ペガシス
【対応OS】Windows 98/Me/NT 4.0/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.59(02/11/14)

□TMPG Enc Net
http://www.tmpgenc.net/
□窓の杜 - TMPGEnc
http://www.forest.impress.co.jp/library/tmpgenc.html

マルチスレッド対応総合ベンチマークソフト「HDBENCH」

「HDBENCH」v3.30
「HDBENCH」v3.30
 CPU/メモリ/グラフィック/ディスクの性能を測定する総合ベンチマークソフト。CPUの整数演算と浮動小数点演算、メモリとハードディスクの読み書きに加え、矩形/円形/テキスト/BitBltの2Dグラフィック描画とDirectDrawの性能を測定可能だ。デュアルCPUに対応しており、CPUとグラフィックではマルチスレッドによる測定ができる。すべての測定を一気に行うこともでき、総合的な性能が数値で分かる仕組みだ。編集部でHyper-Threading対応CPUで動作させたところ、デュアルCPUとして認識され、グラフィックの測定では画面が2分割されて2つのスレッドが同時に実行される様子が分かった。

【著作権者】EP82改/かず 氏
【対応OS】Windows 95/98/NT 4.0/2000(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】3.30(01/03/03)

□HDBENCH NET
http://www.hdbench.net/
□窓の杜 - HDBENCH
http://www.forest.impress.co.jp/library/hdbench.html

マルチスレッド専用ベンチマークソフト「XYZMark」

「XYZMark」v1.06
「XYZMark」v1.06
 3つのスレッドを同時に実行するマルチスレッド専用ベンチマークソフト。浮動小数点数演算やメモリの読み書きなど少しずつ違う処理を行うスレッドを3つ用意し、それぞれが2MBの結果データをファイルに書き込むことで測定する。一定時間の間に各スレッドが処理を繰り返した回数が結果として表示され、その平均が総合結果となる。マルチスレッド専用のため、デュアルCPUはもちろんHyper-Threading対応CPUで特に有利な結果になる。なお、測定結果はシステム構成などと共に作者のホームページに登録することができ、ほかのユーザーと比較することができる。

【著作権者】XYZ 氏
【対応OS】Windows 2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.07(02/12/18)

□XYZ
http://www.t-net.ne.jp/~x-y-z/

マルチ/シングルスレッド比較ベンチマークソフト「MulBench」

「MulBench」でHyper-Threading対応Pentium 4 3.06GHzを計測
「MulBench」でHyper-Threading対応Pentium 4 3.06GHzを計測
「MulBench」でHyper-Threading非対応Pentium 4 2.20GHzを計測
「MulBench」でHyper-Threading非対応Pentium 4 2.20GHzを計測
 マルチスレッドとシングルスレッドの両方でベンチマークできるソフト。整数演算、浮動小数演算、ディスク書き込み、ディスク読み込み、2Dグラフィック描画の5つの処理をマルチスレッドで同時に行う測定と、シングルスレッドとして順番に測定する処理の両方が行われる。結果はマルチスレッドとシングルスレッドそれぞれの処理にかかった秒数で示され、同一環境でのマルチスレッドとシングルスレッドの性能差が一発で分かる仕組みだ。また、結果の詳細をテキストファイルに書き出すこともでき、両者の性能差がパーセンテージで記録される。Hyper-Threading対応Pentium 4 3.06GHzで測定したところ、周波数表示が狂ってしまっていたものの35.2%向上という結果が得られた。一方Hyper-Threading非対応のPentium 4 2.20GHzではわずかに4.0%の向上となり、Hyper-Threadingの威力を知ることができた。

【著作権者】Yone 氏
【対応OS】Windows 95/98/NT 4.0/2000(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.0.1(98/12/19)

□YBENCH's Laboratory
http://www.lares.dti.ne.jp/~yonet/

(齋藤 正穂)


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