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キモチの伝わるメッセンジャー「キャラメ」

デスクトップにメッセージを運ぶキャラが楽しいコミュニケーションツール

(02/03/11)

「キャラメ」v1 Level 2
「キャラメ」v1 Level 2
(C)高森朝雄・ちばてつや/講談社

 メールなどもっぱら文字中心のコミュニケーションでは、うれしいとか悲しいといった送り手の気持ちが伝わりにくいこともある。些細なことでケンカした親友に『ごめんなさい』の一文をただ送っても、あなたの素直に謝る気持ちがすんなり相手に伝わるとはかぎらない。しかし例えば、デスクトップマスコットのような可愛いキャラクターが相手のパソコン画面に現れてペコリと頭を下げ、あなたの『ごめんなさい』のメッセージを表示してくれたら、『しょうがないなぁ、もう』と笑って許してくれそうな気はしないだろうか。そんな風にあなたの気持ちを届けてくれる可愛いコミュニケーションツールが「キャラメ」だ。

 「キャラメ」は、可愛いキャラクターたちがメッセージを運んでくるインスタントメッセンジャーソフト。他の「キャラメ」ユーザーから送られてきたメッセージを受信すると、送信者の指定したキャラクターがデスクトップマスコットのように画面端から現れ、ちょこちょこ歩いたりクルクル踊るなどキャラクターごとに異なるコミカルな動作をし、マンガの吹き出しのようなポップアップウィンドウに相手のメッセージを表示する。また、Web掲示板システムとも連動してグループコミュニケーションが楽しめる総合コミュニケーションソフトだ。

 メッセージ送信に使うキャラクターは、ソフト本体の配布アーカイブをダウンロードする前、ユーザー登録を行うときに、9種類の無料キャラクターのなかから選択する。無料キャラクターは、お猿さんのような“モッチ”、シマウマの子どものような“シマシマ”、こうもりのような“バニラ”など、いずれもほのぼのとしたぬいぐるみ風のオリジナルキャラとなっている。無料で使う場合は基本的にこの中の1つのキャラクターを使い続けることになるが、無料キャラクターとは別に、現在12種類用意されている有料キャラクターをあとから追加することもできる。有料のキャラクターには、アルプスの少女ハイジや鉄腕アトム、うる星やつら、キューティハニー、あしたのジョー、RAVE、ラブひな、たれぱんだ、アフロ犬、浦安鉄筋家族といった、テレビアニメなどでおなじみのキャラクターシリーズが揃っている。

 有料のキャラクターシリーズは、それぞれに複数のキャラクターが同梱されている。例えば“あしたのジョー”のキャラクターシリーズなら、矢吹 丈、丹下 段平、力石 徹、白木 葉子の4人のキャラが利用でき、さらに同じ矢吹 丈でも数種類の動作パターンが用意されていて楽しめる。これらの有料キャラクターシリーズは、1シリーズごとに月額300円(3月31日までは月額100円)で購入でき、複数のキャラクターシリーズを購入することも可能だ。有料キャラクターを購入して、手持ちのキャラクターが複数になった場合は、メッセージ送信時に配達するキャラクターを選択することになる。キャラクターの購入はクレジットカードによるBIGLOBEのオンライン決済で、BIGLOBE会員でない人でもBIGLOBEの月会費無料の会員コースにその場で加入して購入を申し込めば、すぐにキャラクターを使えるようになっている。

ステータス表示のアイコンと文字列を変更
ステータス表示のアイコンと文字列を変更

 インストールした「キャラメ」は、普段はデスクトップ画面上端の中央に[キャラメ]とだけ書かれた小さなタブが表示され常駐している。このタブにマウスカーソルを合わせるとプルダウンするスライドウィンドウが現れ、あらかじめ登録しておいたユーザーたちのニックネームとインターネット接続ステータス状況がリアルタイムに表示される。例えば標準では、インターネットに接続したオンラインの状態なら小さな笑顔のアイコンと共に[OnNet]という文字列が表示され、接続していないオフラインの状態なら小さな灰色の無表情のアイコンと共に[OffNet]という文字列が表示される。これらオンライン・オフライン時に表示するアイコンや文字列は自由に変更することができ、実際はスライドウィンドウに載っている各ユーザーが設定した内容が表示されるようになっている。

 インスタントメッセージを送信するには、このスライドウィンドウにリストアップされたニックネームをクリックしてメッセージ作成ウィンドウを開く。または、送られてきたメッセージとキャラクターが表示されている間に、キャラクターのそばにある返信ボタンを押してもよい。メッセージ本文には任意のフォントとフォントサイズ、色を指定でき、カラフルなメッセージを送ることもできる。ただし相手が同じフォントを持っていない場合は、代替の“MS Pゴシック”で表示される。本文を入力したあとは、送信に使うキャラクターとキャラクターの動作を決めるアクションを選んで送信する。例えば“たかむらさん”という無料キャラクターでは、アクションとして[あいさつ]、[暴走]、[悲しい]、[水中]の4種類があるので、メッセージの内容にあわせて選択しよう。メッセージを運ぶキャラクターの動作は[プレビュー]ボタンで送信前に確認できる。

 「キャラメ」には受信通知機能があり、送信したメッセージを相手が受け取ると、送信者のタスクトレイアイコンのそばに“エージェントメッセージ”と呼ばれる吹き出し風のポップアップが現れて、メッセージを受け取った相手のニックネームと受信した時間が表示される。また、メッセージは相手がオフライン状態のときに送ることもできる。オフライン状態の相手に「キャラメ」のメッセージを送ると、相手が「キャラメ」のユーザー登録で登録したメールアドレス宛に、送信者からメッセージが届いた旨の通知がメールで届く。この“不在着信通知”を読んだ相手がオンラインになってキャラメを起動し、メッセージを受信すれば、その受信通知が送信者のエージェントメッセージとしてポップアップ表示される。こうして迅速かつ確実なメッセージ交換ができるようになっている。

 「キャラメ」にはこのようなインスタントメッセンジャーとしての機能だけでなく、Web掲示板と連動したコミュニティソフトとしての側面もある。MSNコミュニティや「goo on the Beach」のように、テーマごとに分類されたグループ別のWeb掲示板群が用意されていて、興味のあるグループに参加すれば「キャラメ」のスライドウィンドウにグループメンバー全員がグループごとに階層化して自動登録され、全メンバーのオンライン・オフライン状況が表示されるようになる。さらにそのグループ用の掲示板に書き込みがあると、インスタントメッセージの受信通知と同じように、誰がいつどの掲示板に書き込んだかという書き込み通知が表示される。

 そのほか「キャラメ」のユニークな機能としては、ポイント制を取り入れていることが挙げられる。「キャラメ」の利用状況によって“キャラメポイント(CP)”が貯まっていき、貯まったポイント数に応じて利用できる無料キャラクターを増やしたり、アクションやアイテムを増やしたり、「キャラメ」の機能を拡張することができるのだ。例えば、“不在着信通知”で送られるメールを、ユーザー登録したメールアドレスとは別の好きなメールアドレスにも送信する機能なら500CP、スライドウィンドウを画面の好きな位置に置けるようにする機能なら1,000CPでゲットできる。

 このほかキャラメポイントは、キャラクターの動作パターンを豊かにする“アイテム”と交換することができる。たとえば無料キャラクター“たかむらさん”の[あいさつ]というアクションは、笑いながらジャンプしてメッセージを表示するものだけだが、[おやすみ]というアイテムを入手すると、布団に入って眠りについたところでメッセージを表示する動作パターンも使えるようになる。利用しているキャラクターによって、アイテムだけでなくアクションが追加できることもあるが、どんなものが追加できるかはキャラクターによって異なる。こうした機能拡張は“裏ワザ”として「キャラメ」公式サイトで紹介され、サイト上で申し込めば貯めたポイントとの交換ですぐに入手できる。

 ただ、「キャラメ」の現バージョンにはチャット機能がついていない。インスタントメッセージを送ってきた相手をチャットにお誘いするボタンなどはあるものの、クリックしても現在はチャットを利用できない旨のメッセージが表示される。このため近いうちにはチャット機能も利用できるようになるようだ。

 さて実際に使ってみると、キャラクターの可愛さや見た目の派手さ(?)もさることながら、コミュニケーションツールとしてよく作り込まれていることがわかるだろう。特にスライドウィンドウのステータス表示を自由に編集できる機能は非常に便利だ。例えば複数のWeb掲示板グループに参加している場合、グループごとに表示するステータスを使い分けられるのがいい。例えばギャンブル関係のグループには「今日は負けたので当分謹慎します(涙)」と表示し、テレビ番組関係のグループには「いまビデオを見ています」と表示する、といったこともできる。

 さらに筆者が実際に参加したある活発なグループでは、ステータス表示をチャット代わりに使っていて感心した。ステータス表示の文字列は、自分の表示、相手の表示を問わず、すべてタスクトレイ脇のエージェントメッセージとして時間順に蓄積して表示されるので、簡易チャットの代わりにできるというわけだ。苦肉の策なのだろうが、こうした使い方もなかなか面白い。しかしエージェントメッセージ本来の使い方でないことは確かであるし、複数のグループでこれをやるとエージェントメッセージの表示がごちゃごちゃになる。やはり早期のチャット機能搭載が望まれるところだろう。

【著作権者】CZ-1プロジェクト、(株)クリプトワンソフト
【対応OS】Windows 98/Me/NT 4.0/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1 Level 2(02/01/31)

□キャラメ
http://www.charame.com/

(ひぐち たかし)

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