週末ゲーム
 

【第128回】

ファンタジック・ノベル・アドベンチャー「時の故郷」

幼ななじみの少女と過ごす、甘くせつない4日間

(02/03/08)

 幼ななじみとの再会は、どこか気恥ずかしい。相手が異性、ましてや初恋の相手となればなおさらだ。ついぎこちない会話になってしまいがちだし、成長した姿が眩しく見えたりもする。ドキドキ感と淡い恋心。今回はそんな甘酸っぱい気分が味わえる、儚くも悲しいデジタルノベル風アドベンチャー「時の故郷」を紹介しよう。

タイトル画面
タイトル画面
 「時の故郷」は、いくつか表示される選択肢の中から行動を選ぶ、コマンド選択式アドベンチャーゲームだ。ストーリー重視の内容で、むしろゲームブックに近い作品といったほうが正しいかもしれない。示された選択肢の中からどれを選ぶかによって展開が変わり、ハッピーなものから悲劇的なものまで10種類のエンディングが用意されている。ちなみにこの作品はHTMLとJavaScript、Flashムービー、MIDIを組み合わせて作られており、IEなどのWebブラウザー上でプレイするようになっている。

 物語は、大学受験浪人中の18歳の青年“志度 聡志”が6年ぶりに帰郷するところから始まる。亡くなった祖母が住んでいた家を掃除するために4日間だけ滞在することになった聡志は、幼ななじみの少女“真田 ゆり子”と再会する。ちょっぴり照れくささを感じながらも同じ“時”を過ごす二人だが、ゆり子がときおり見せる悲しげな表情に不安を覚える聡志。そして4日目の晩、年に一度開かれる花火大会の夜を迎えたとき、二人に運命の“時”が訪れた。

主人公が6年ぶりに帰郷するところから物語りは始まる
主人公が6年ぶりに帰郷するところから物語りは始まる
 ゲームのテンポはかなり速い。選択肢にもよるが、1プレイに必要な時間は10~15分程度。ただし様々なイベントや伏線が用意されているので、ストーリーの全貌を理解するには何度か繰り返す必要があるだろう。ハッピーエンドを迎えるのはなかなか大変だ。様々な選択肢を試しながら謎解きを楽しんでもらいたいが、どうしてもわからない場合は、ホームページに掲載されている「攻略ヒント」を参考にするといいだろう。映像や音楽、効果音もすばらしく、とても丁寧に作られた作品だ。

 「時の故郷」は、今回紹介したダウンロード版のほかにCD-ROM製の「時の故郷 完全版」も用意されている。現在は申し込み受付が一時的に中止されているが、シナリオが拡張されて新しい人物が登場するほか、設定資料や制作裏話なども収録されているとのこと。また作者のホームページでは、同様のノベル・アドベンチャー「時の館」「時の封土」の2作品が掲載されている。「時の故郷」が気に入ったら、ぜひそちらもお試しを。

次々に発生するイベントで浮き彫りになる過去の記録と淡い恋心
次々に発生するイベントで浮き彫りになる過去の記録と淡い恋心

【著作権者】MAKIO 氏
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.32(01/12/15)
【ファイルサイズ】4.51MB

□牧尾屋
http://www.angel.ne.jp/~makio/

(三鷹 昭一郎)

【2011/11/21追記】
上記URLの作者個人サイトはすでに閉鎖されている。2011年11月現在、本ソフトは下記URLの公式サイトからダウンロード可能。

□Pleiades Company Products Download
http://hp.vector.co.jp/authors/VA018423/

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