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auのムービーケータイ用の動画を作成「ezmovie作成ソフトLite」

パソコン用の動画ファイルを変換、テロップをつけたりPC上で再生できる

(02/02/18)

auのムービーケータイで楽しめる動画を作ってみよう

 ケータイにも動画の時代がやってきた。“何かの賞を受賞したらしい女性がステージの上でスピーチしている脇で、司会の浅野忠信が退屈そうにケータイを取り出し、ディズニーのアニメを見て楽しんでいる…”最近盛んに流れていたこのテレビCMが気になっている人も多いのではないだろうか。昨年末に発表されたauのいわゆる“ムービーケータイ”では、ケータイ画面上で数十秒の動画を楽しむことができる。この動画コンテンツを簡単に作成できるのがフリーソフト「ezmovie作成ソフトLite」だ。

 「ezmovie作成ソフトLite」は、PC用の一般的な動画ファイルをauの“ムービーケータイ”で楽しめるようにするソフト。ファイル形式の変換を行う「ezmovieコンバータLite」、ムービーにテロップ(字幕)を付加する「ezmovieテロッパLite」、ムービーをPC上で再生できる「ezmovieプレーヤLite」の3つのプログラムから構成される。

「ezmovie作成ソフトLite」v1.3
「ezmovie作成ソフトLite」v1.3

まずは動画を用意

 「ezmovie作成ソフトLite」には、動画そのものをPCに取り込む機能はないので、あらかじめDVカメラやビデオキャプチャーソフトなどを使って元となる動画ファイルを用意しておく必要がある。「ezmovieコンバータLite」で読み込める動画ファイル形式は、AVI形式、Quick Time形式(MOV)、MPEG形式(MPG、MPEG)、およびWindowsMedia形式(WMV、ASF)だ。音声のみのファイルを変換することも可能で、その場合読み込める音声ファイルはWAVE形式、MPEG形式(MP3、MPA、MPGA)、Windows Media形式(WMA)となっている。ただし作成したムービーファイルの音声はモノラルになる。

 これら以外の形式、例えばGIFアニメーションやMotionJPEG、Real Videoといった動画は読み込めない。また、編集機能もないので元の動画ファイルは他のビデオ編集ソフトであらかじめ10~15秒くらいの長さに編集しておくのが望ましい。作成するムービーの用途にもよるが、最大でも1ファイル20秒または30秒となっており、長いファイルは最大秒数を越えた部分が変換時にカットされる。

動画ファイルのコンバート

 ファイル形式の変換には「ezmovieコンバータLite」を使う。使い方は簡単で、元の動画ファイルと変換後のファイル名を指定し、ファイル作成モードや画面サイズ、画質などのオプションを決めて[Start]ボタンを押すだけだ。

 ezmovieには用途によりメール送信用、ダウンロード用、ショートストリーミング用の3種類があり、ファイル作成モードではこのいずれかを選択する。メール送信用は、メールに添付してやりとりできるもので、画面が128×96ピクセル固定、ファイルサイズは最大20秒、約100キロバイト以下になる。ダウンロード用とショートストリーミング用は、どちらもファイルをWebサーバー上に置いて携帯端末にダウンロードしてから再生するもので、画面は128×96ピクセル、または176×144ピクセルのいずれかを選択できる。ダウンロード用のほうは最大30秒、約240キロバイト以下、携帯端末のデータフォルダに保存できるが、ショートストリーミング用は最大30秒、約140キロバイト以下、画質と音質がダウンロード用よりもやや劣り、携帯端末のデータフォルダには保存できないという違いがある。

 どの作成モードでも、画質は[動き優先]、[標準]、[画質優先]の3種類から選択できる。[動き優先]では画質が少々荒くなるが激しい動きもスムーズに再生され、[画質優先]にすれば少々コマ落ちが発生するかわりに細部まで比較的くっきり再生される。動画の内容に合わせて選ぶといいだろう。そのほかオプションとして、[ケータイからの転送禁止]を選ぶと、携帯端末のデータフォルダに保存したファイルを他のユーザーに転送することができなくなる。また、[音声無し]を選べば、音声つきの動画も無音に変換される。コンバート完了後は、[ツール]メニューから[ezmovieプレーヤLiteの起動]を選ぶと、「ezmovieプレーヤLite」が起動して今コンバートしたムービーを再生し、すぐに確認できる。

「ezmovieテロッパLite」でテロップを挿入
「ezmovieテロッパLite」でテロップを挿入

テロップを入れる

 「ezmovieコンバータLite」で変換したムービーには、テロップを入れて映像に簡単な説明やコメントを付け加えることができる。このテロップの編集と挿入の処理を行うのが「ezmovieテロッパLite」だ。「ezmovieテロッパLite」では、画面下部に全角10文字×2行のテロップを挿入することができる。

 まずファイルメニューの[動画データをインポート]からムービーファイルを読み込むと、ウィンドウの左上にムービー画面が現れる。再生ボタンと一時停止ボタンを使ってテロップを開始したい位置で動画を一時停止し、[In]ボタンを押す。さらにテロップ表示を終了させたい位置で動画を一時停止し、[Out]ボタンを押す。テロップテキストの入力欄にテロップ文字を入力し、[追加>>]ボタンを押せば、ウィンドウ右側の挿入テロップリストに登録される。同様にして次のテロップを挿入していく。1つのムービーファイルには最大4つまで異なるテロップを挿入することができる。登録したテロップの修正は、リストから選択してテロップ位置やテキストを直し、[置換>>]ボタンを押せばいい。[削除]ボタンで削除することもできる。なお、1つのテロップの開始時間と次のテロップの開始時間の間は1秒以上あけなければならないという制 限があるので注意。

 面白いのがテロップのリンク機能だろう。テロップには、Webページのようにハイパーリンクを張ることができるのだ。リンクには、クリックするとメールを送信できる“mailto:”、電話をかけられる“tel:”、Webページを開く“http:”の3種類があり、リンクを張りたいテロップの文字列を選択してから[Link]のチェックボックスにチェックマークを付け、リンクの内容を入力すれば簡単に張ることができる。ただし1つのテロップに張れるリンクは1カ所のみとなっている。

 登録したテロップは、[プレビュー]ボタンを押すと「ezmovieプレーヤLite」で再生されその場で確認できる。すべてのテロップを登録できれば、[>> AMCファイル]ボタンを押してファイルに保存しよう。これでテロップを入れたムービーの完成だ。

サーバーにアップロード

 メール送信用のモードで作成したムービーファイルは、一般的なメールソフトからファイル添付でムービーケータイに送信するだけで、そのまま再生して相手に見てもらえる。一方、ダウンロード用もしくはショートストリーミング用に作成したムービーファイルをWebサーバーで公開するためには、再生のためのHTMLファイルを別に用意しなければならない。

 このHTMLファイルは、HTMLを拡張した“XHTML Basic”という言語で記述する。昨年、au端末が“WAP2.0”という規格に対応するまでは、EZwebのサイトは基本的に“HDML”という言語でソースを記述する必要があった。しかし、昨年12月に発売された“WAP2.0”対応の機種以降、“HDML”よりも従来のHTMLに近い“XHTML Basic”を使えるようになり、ソースの記述が容易になっている。

 Webサーバー上のムービーファイルを再生させるには、この“XHTML Basic”のOBJECTタグを使ってムービーファイルを指定し、そのHTMLファイルにムービーケータイからアクセスしてもらう必要がある。また、Webサーバー側でも作成したムービーファイルのMIME設定が行われていなければならない。このような“XHTML Basic”の記載方法とサーバーのMIME設定については、EZwebの公式サイトに簡単なサンプルと共に詳しく書かれているので、そちらを参照してほしい。

作成したムービーファイル(「ezmovieプレーヤLite」で再生可能)
pansy.amc
(177KB、23.2秒)

【著作権者】KDDI(株)
【対応OS】Windows 98/Me/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.3

□EZweb on the street
http://info.ezweb.ne.jp/
□ムービー付きページを作ろう
http://info.ezweb.ne.jp/factory/mm/ezmovie1.html

(ひぐち たかし)

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