週末ゲーム
 

【第125回】

江戸情緒あふれるすごろくゲーム「雙六」

日本の伝統遊戯をパソコンで楽しもう

(02/02/08)

 日本古来の遊戯、すごろく。時代の変化に伴って形は変わったが、いまも児童用の教材やパーティゲームとして広く親しまれている。またコンピューターゲームの中にも、すごろくをベースにした作品は少なくない。アレンジが自由で、誰でもすぐに楽しめるところが、すごろくの魅力だ。そこで今回は、日本の伝統遊戯すごろくを再現した作品、その名もズバリ「雙六(すごろく)」をご紹介しよう。

タイトル画面
タイトル画面
 「雙六」は、すごろくをコンピューターゲーム化した作品だ。タイプの違う4種類のすごろくが付属しているほか、あとからすごろくのデータを追加することもできる。遊び方はとても単純で、サイコロを振って出た目の数だけ進み、最初にゴールした者の勝ち。ただし、ゴールへ向かう途中には様々なイベントが仕掛けられていて、止まったマス目や出たサイコロの目によっては、ボーナスやペナルティが課せられることもある。1台のパソコンを使って4人で順位を競うが、人数が足りない場合はコンピュータープレイヤーを含めることも可能。

 最初から用意されている4種類のすごろくについて、ざっと説明しよう。「運命雙六」は丁稚→番頭→庄屋→殿様というように立身出世を目指す、人生ゲームのような作品。「東海道木曽路新版振分雙六」は、広重の浮世絵「東海道五十三次」と「木曽路六十九次」がマス目に描かれたすごろくだ。「人生雙六」は、見やすく子供向けにアレンジした作品。そして「膝栗毛滑稽雙六」は、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」を題材にしたすごろくで、プレイヤーが宿場に泊まると広重の浮世絵が表示されるというオマケが付いている。

立身出世を目指す「運命雙六」
立身出世を目指す「運命雙六」
 4種類のすごろくを試してみたが、どれもみな美しいデザインだ。歌舞伎の引き幕でも見られる黒、柿、萌葱と山吹色の組み合わせ、そして歌川広重の浮世絵が江戸の大衆文化を感じさせる。サイコロを振りつつ遊ぶ、このスローなテンポも心地よい。ゲームというよりは、むしろインタラクティブアートに近い作品だ。思うように進めないもどかしさと、一発逆転のおもしろさも、すごろくならではの楽しみ。プレイしている間に流れる「コキリコ節」も、ゲームの雰囲気によく合っていると思う。

 「雙六」はシェアウェアで、試用中はそれぞれのすごろくを最初の5分間しかプレイすることができない。できれば1本だけでも、最後まで試すことができればうれしいのだが…。ちなみに、登録料は980円。また「雙六」用のすごろくデータを作成するためのツール「雙六職人」というソフトもあり、こちらはフリーで公開されている。

歌川広重の浮世絵を使った「東海道木曽路新版振分雙六」
歌川広重の浮世絵を使った「東海道木曽路新版振分雙六」

【著作権者】Feel-Good
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT/2000
【ソフト種別】シェアウェア 980円
【バージョン】1.0
【ファイルサイズ】8.3MB

□FEEL-GOOD ホームページ
http://www1.odn.ne.jp/cfw82140/

(三鷹 昭一郎)

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