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【第144回】

アクションアドベンチャー「Project Eden」

個性豊かな4人のキャラクターを使って巨大な謎に挑む

(01/08/15)

タイトル画面

 前回に続いて、またまたSF系のアクションアドベンチャー「Project Eden」を紹介しよう。この作品もまた、ちょっと『ブレードランナー』に似た設定だ。…というより、こちらはむしろ『未来世紀ブラジル』とか『ソイレント・グリーン(人間がいっぱい)』に近いかもしれない。人口の爆発と極端な階級社会。犯罪が続発し、いまにも壊れてしまいそうな不安定な社会が、このゲームの舞台だ。

メンバーのひとり、日系人(?)のMINOKO。超スゴ腕ハッカーという設定 リーダーは他のメンバーに指示を与えることができる。上手にチームを指揮しよう
メンバーのひとり、日系人(?)のMINOKO。超スゴ腕ハッカーという設定 リーダーは他のメンバーに指示を与えることができる。上手にチームを指揮しよう

「Project Eden」の謎を解け!!

 ではまず、背景の説明から。時は未来。地球は過剰な人口にあえぎ、社会は極めて裕福な一部の支配階級と、生産するために生きる大部分の労働階級に分かれていた。巨大化する都市は上下に拡大を続け、上部の澄んだ大気がある部分には支配階級が、低部の澱んだ空気の中には労働階級が住むという、わかりやすい構造だ。プレイヤーは、この巨大都市を守る管理機構UPA(Urban Protection Agency)のリーダーとして、ゲームに参加する。「市内の食肉工場で原因不明の機能停止あり」の報を受けて調査に赴いたのだが、そこで待っていたのは思いもよらない出来事だった。

 襲いかかるテロリスト集団の目的は何か? 「Project Eden(楽園計画)」とは?プレイヤーとその3人の部下たちは、持てる能力のすべてを使って、この巨大都市の奥でうごめく謎に挑む。

グラフィックの設定はやや控えめに

最初の難関、宙吊りのパイプ。ここはAMBERの出番だ
最初の難関、宙吊りのパイプ。ここはAMBERの出番だ

 デモ版を起動したら、プレイに入る前に環境設定を済ませてしまおう。メインメニューから“CONFIGURE”をクリックして、解像度と描画品質を指定する。この作品は見た目よりも処理が重く、とくに戦闘シーンの負荷が高い。高解像度ほど美しい画面で楽しむことができるが、無理な設定は避け、1ランク低くするのが快適に楽しむコツだ。1GHz+GeForce2あたりの組み合わせなら、やや控えめに800×600ドットぐらいから試してみるといいだろう。

 再びメインメニューに戻ったら、“START”をクリックしてプレイに入る。食肉工場の入り口から始まるので、4人のプレイヤーを切り替えながら奥を目指して進もう。操作方法は下記のとおりだ。

キャラクターの移動カーソルキー
視点の変更マウス
攻撃/アクションマウスの左クリック
CARTERを操作フルキーの[1]
MINOKOを操作フルキーの[2]
ANDREを操作フルキーの[3]
AMBERを操作フルキーの[4]

 とりあえずこれだけ覚えていれば十分プレイできるが、他にも有効なキーがいくつかある。詳細は“CONFIGURE”の中の“CONTROLS”を見て確認してもらいたい。もちろん、好みに応じてキー設定をアサインすることも可能だ。


ダクトの両脇にあるボルトを破壊。狙いを定めて、一気に撃ち抜くこと
ダクトの両脇にあるボルトを破壊。狙いを定めて、一気に撃ち抜くこと


治安維持のために集められた4人

“MINOKOを使って管理用コンピュータに侵入。制限時間内に回転する数字を合わせる
MINOKOを使って管理用コンピュータに侵入。制限時間内に回転する数字を合わせる
 突入チームは4名で編成されており、それぞれが特技を持つその道のプロフェッショナルだ。リーダーを務めるのは、36歳の男性“CARTER”。調査能力に優れ、ロックされたカギを開けることもできる。20歳の女性メンバー“MINOKO”は、超スゴ腕のハッカー。腕に仕込まれた端末を使ってシステムに侵入し、外部から自在に操作する。32歳の男性メンバー“ANDRE”は、電子工学のエキスパートだ。壊れたハードウェアを修理し、再び動作させることができる。そして27歳のサイボーグ戦士、“AMBER”。有毒ガスと高圧の電気に耐え、戦闘では抜群の攻撃力を発揮する。

 プレイは、この4人を切り替えながら進めていく。各メンバーが備える能力を最大限に発揮できるよう、順番と配置を考えながら移動させなくてはならない。

キャラクターの特技を使い分けて先へ進む

有毒なガスを止めるためのスイッチ発見。これで工場内部に入ることができる
有毒なガスを止めるためのスイッチ発見。これで工場内部に入ることができる
 
ANDREを使って壊れた開閉用パネルを修理する。青い部分でスイッチを止めろ!!
ANDREを使って壊れた開閉用パネルを修理する。青い部分でスイッチを止めろ!!

 スタートしてまず最初につまづくのが、有毒ガスで満たされたエアダクトの突破だ。生身の人間では10秒ももたない場所なので、ここはサイボーグのAMBERを利用しよう。MINOKOを使って管理用コンピューターに侵入し、外部からダクトの回転を行う。通路の奥のコントロールルームにガスの流れを切るスイッチがあるので、これを止めてからCARTERとANDREと派遣する。その先にある扉の開閉用パネルが壊れているが、ANDREなら修理することができる。

 パイプに乗って移動しなければならないシーンでは、誰かが外からクレーンを操作しなければならない。シーンを抜けたすぐ先にはテロリストの集団が待ち構えているので、戦闘能力の高いAMBERとCARTERを送り込むのがセオリーだ。テロリストたちの武装は、貧弱だが移動速度が速いので翻弄されないように注意しよう。弾を命中させると足が止まるので、一気に倒すのがコツだ。

アクションアドベンチャー+パズルの楽しみ

謎のテロリスト集団の襲撃。動きが速いので、正確に狙おう
謎のテロリスト集団の襲撃。動きが速いので、正確に狙おう

 見た目はよくあるタイプのアクションアドベンチャーだが、実際はパズル的な要素も含まれている。というのも、登場する4人のキャラクターはそれぞれに「できること」と「できないこと」があり、誰に何をさせるか、どの順番で動かすかがとても重要だからだ。動かすキャラクターを誤ると突破できないシーンがいくつもあり、論理的な思考が求められる。慣れるまでは、体力的に優れたAMBERを斥候として前に出し、トラップや障害の内容を確認した後に、その解決策を考えるというやり方がいいだろう。

 映像や動きも美しく、行く手に散りばめられた謎解きもおもしろい。最初のうちは謎解きに戸惑うがちょっと考えれば解決策が見つかるという、程よい難易度が気に入った。「トゥームレイダー」を作ったコアデザインの最新作ということだが、たしかに、これは新しいアクションアドベンチャーの第一歩になるかもしれない。

今年の冬、日本語版も登場予定

 デモ版では「Project Eden」の導入部、食肉工場の内部に潜入する部分をプレイすることができる。ただし選べるのはシングルプレイのみで、マルチプレイはできない。EIDOS INTERACTIVEのホームページに掲載されている情報によると、製品版ではシングルプレイのほかに、4人のキャラクターをそれぞれ別のプレイヤーが演じるマルチプレイも可能であるという。個性の違うキャラクターが互いに協力して謎解きをするアクションアドベンチャーというのは、なかなかおもしろそうだ。

 製品版は、英語版がまもなくアメリカで発売される予定。正式な発表はまだ行われていないが、アイドス・インタラクティブが今年の冬、日本国内での販売を予定しているとの情報も耳にした。なり遊べそうな内容なので、質の高い日本語化が行われることを期待しよう。

(projectedendemo.exe、22.8MB、ゲームデモ)

□「Project Eden」のホームページ
http://www.eidosinteractive.com/games/info.html?gmid=84
□「Project Eden」のダウンロードページ(EIDOS INTERACTIVE)
http://www.eidosinteractive.com/downloads/search.html?gmid=84
□「Project Eden」のダウンロードページ(3DFILES_COM)
http://www.3dfiles.com/games/projecteden.shtml

(駒沢 丈治)


Project Eden © 2000 Core Design Limited . Published by Eidos Interactive Limited. Project Eden is a Trade Mark of Core Design Limited
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