特集

ネットワーク時代の必修項目! 異OS間の架け橋ソフト

WindowsやMacintosh、Palmなど異なるOS間でデータ交換しよう

(01/08/14)

 同じOS同士でのデータ共有は簡単だが、異OS間でデータを交換しようとして困った経験はないだろうか。OSごとに標準となるファイル形式が異なっていたり、LANで物理的には繋がっていても他OSと接続できなかったりと、ネットワーク化が進んだ今でもデータ共有の障害は尽きない。そこで今回は、データ形式の変換や遠隔操作など、異OS間の連携を可能にするソフトを紹介しよう。

■ WindowsとMacintosh

 LAN上で異OSが混在する環境で一番多いのは、WindowsとMacintoshの2OSだろう。そこで、互換性に乏しい両OS間を結ぶ架け橋となるソフトを3つピックアップしてみた。

MacintoshとWindowsとの間でプリンターを共有できる「UNICORN」

「UNICORN」
「UNICORN」
 LAN内のMacintoshとWindowsとの間で、それぞれに接続されたプリンターを共有できるソフト。プリンタをいちいち接続し直す手間を省け、それぞれに接続されたプリンターを共有し、互いにネットワーク経由で印刷できる。シリアルポートの共有機能もあり、Windowsのシリアルポートに接続した機器をMacintoshで使うことができる。例えばWindowsに接続したモデムをMacintoshで共有する場合、Macintosh側ではモデムがあたかもMacintosh自身のシリアルポートに直接接続されているように扱うことが可能だ。なお、MacintoshとWindowsそれぞれにソフトをインストールする必要がある。

【著作権者】(有)エスコンピュータ
【ソフト種別】シェアウェア 4,600円
【バージョン】1.0.5(99/11/19)

□エスコンピュータ ホームページ
http://www.escom.co.jp/

ネットワーク経由でデスクトップを共有できる「VNC」

「VNC」
「VNC」
 WindowsやMacintoshのデスクトップを、別のWindowsやMacintoshから操作できるソフト。サーバー版とクライアント版に分かれており、サーバー版をインストールしたパソコンのデスクトップを、クライアント版をインストールしたパソコンで操作可能だ。サーバー版はWindowsやMacintoshのほかUNIXのX用もあり、クライアント版にはWidnowsCE用やJava用なども用意されているため、他OS間で互いのデスクトップを自由に操作できる。例えば、外出先から常時接続環境の自宅のパソコンを操作したり、ネットワーク管理者が遠隔地にあるサーバーの監視をするといった用途が考えられるだろう。

【著作権者】AT&T Laboratories Cambridge
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】3.3.3r9(01/03/19)

□VNC - Virtual Network Computing from AT&T Laboratories Cambridge
http://www.uk.research.att.com/vnc/

Macバイナリーを解析して適切な拡張子を付加してから除去「Mac to Dos」

「Mac to Dos」
「Mac to Dos」
 Macintoshで作成したファイルをWindowsで正しく読み込めるように変換するソフト。Windowsではデータファイルの種類の判定を拡張子で行うが、Macintoshではデータファイルの先頭に付加されたMacバイナリーという領域に納められた情報をもとに判定している。そのため、Macintoshで作成したテキストファイルをWindows用ソフトで読み込もうとすると、先頭のMacバイナリーが邪魔して正常に表示できないことがある。そこで「Mac to Dos」では、Macバイナリーを解析してファイル名に適切な拡張子を付加してからMacバイナリーを除去することで、Windowsで正常に読み込めるファイルに変換することができる。

【著作権者】ASKA 氏
【ソフト種別】シェアウェア 800円
【バージョン】2.7(00/07/31)

□ASKA's HomePage
http://www.hs-jp.com/aska/

■ WindowsとPDA、特にPalm

 ザウルスやPocketPC、Palmなど様々なPDAが発売され、スケジュール管理などに活用している人も多いと思う。PDAの場合は基本機能としてWindowsとの連携が可能だが、さらに便利な使い方ができるおすすめソフトを紹介する。

AVI/MPEGファイルを専用形式に変換してPalmで再生「PaMovie」

「PaMovie」
「PaMovie」
 AVI/MPEGファイルをPalmで再生できる専用形式に変換するソフト。PalmではCPUパワーやストレージデバイスの容量の制限などのため、パソコンで使われるような動画ファイルをそのままの品質で再生するのは難しい。「PaMovie」では、AVI/MPEGファイルの解像度を160x160ドットに縮小したりフレームレートを8/6/4FPSに落としてデータの量を大幅に抑えた専用形式に変換することで、Palmで動画再生を可能にする。データ変換は同梱されたWindows用ソフト「PaMovie Creator」で行い、変換後の専用形式のファイルをPalmに転送して「PaMovie」で再生する仕組みだ。なお、専用形式は最長で15分までで、音声はカットされる。

【著作権者】ru0 氏
【ソフト種別】シェアウェア 800円
【バージョン】2.01(00/12/18)

□ru0's page
http://www.terra.dti.ne.jp/~ru0/

ザウルスやPalmなどとデータ交換できるPIM「DIM@2000」

「DIM@2000」
「DIM@2000」
 ザウルスやPalmなどのPDAとデータを共有できるPIMソフト。主にスケジュール管理、ToDo管理、住所録管理の3つの機能があり、PIMとして基本的な機能は備えている。また、住所録管理では、登録してある住所の周辺地図を“MapFan Web”や“MapFan”で表示したり、はがきや封筒などに宛名印刷することも可能だ。モジュールを追加することで機能を追加することができ、ザウルスやPalmのほかWindows CE/Pocket PCやDataScopeなどとデータを共有できるモジュールがある。様々な機器に分散しがちなデータを共有して、強力なスケジュール管理が可能だ。

【著作権者】新潟キヤノテック(株)
【ソフト種別】シェアウェア 各モジュール2,000円
【バージョン】-

□DIM@2000
http://dim.niigata-canotec.co.jp/

Palmとのメールの同期が可能「Becky! Internet Mail」

「Becky! Internet Mail」
「Becky! Internet Mail」
 標準でPalmとメールの同期が可能な定番メールソフト。「Becky! Internet Mail」は、メールソフトがほかのソフトとメールのデータを交換するための規格“MAPI”に対応している。一方Palm用データ同期ソフト「HotSync」は、MAPIを使ってPalmのメール機能を「Outlook Express」や「Outlook」と同期している。そのため、「HotSync」の設定で同期したいメールソフトを「Outlook Express」にしておき、Windowsの標準のメールソフトを「Becky! Internet Mail」にすることで、Palmとのメールの同期が可能になる。なお、MAPIの制限事項として同期できるのはそれぞれの受信箱と送信箱のみで、そのほかのフォルダは同期できないので注意しよう。

【著作権者】(有)リムアーツ
【ソフト種別】シェアウェア 4,000円
【バージョン】2.00.07(01/06/05)

□RIMARTS - Software Laboratory
http://www.rimarts.co.jp/index-j.html
□窓の杜 - Becky! Internet Mail
http://www.forest.impress.co.jp/library/becky.html

テキストデータをPalmのDOC形式にコンバートする「HiMakeDoc」

「HiMakeDoc」
「HiMakeDoc」
 テキストファイルやクリップボードのテキストデータなどをPalmで読むことのできるDOC形式に変換するソフト。テキストファイルを読み込むほかクリップボード経由でテキストを貼り付け、画面の狭いPalmで読みやすいように整形してからDOC形式に変換可能だ。また、「Outlook Express 5」や「Becky! Internet Mail」など主要なメールソフトのメールデータを直接読むことや、指定したURLを巡回してテキストデータを取り込むこともできる。また、変換後は自動的に“HotSync”でのPalmへの転送が予約される。外出前にメールやニュースサイトなどを「HiMakeDoc」でPalmで一気に転送するといった使い方ができるだろう。

【著作権者】Hiro_Ish 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】0.27(01/04/26)

□Hiro_Ishのホーム ページ
http://member.nifty.ne.jp/hnsa/

■ 全OS

 最も基本的なデータといえるテキストデータは、意外にもOSごとに標準の文字コードや改行コードがバラバラなのが現状だ。最後に、様々な形式のテキストデータを互いに変換できるソフトを紹介しよう。

OSごとに異なるテキストの文字コードや改行コードを変換「jccv」

「jccv」
「jccv」
 テキストファイルの文字コードと改行コードをそれぞれ指定したコードに変換できるソフト。文字コードはJIS/SJIS/EUC、改行コードはCR+LF/LF/CRの3形式に対応し、WindowsやMacintosh、UNIXで標準的に使われるテキスト形式を別の形式に変換可能だ。また、Windows固有文字や半角カナを代替できる文字に置き換える機能もある。たとえば、OS固有文字のローマ数字は半角アルファベットの組み合わせに置換される。また、コマンドラインで動作するコンソールアプリケーションも同梱されているため、バッチファイルや各種スクリプトでの利用も可能だ。

【著作権者】O.K.U. 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.0(01/06/16)

□O.K.U.'s Software Workshop ~lanai~
http://hp.vector.co.jp/authors/VA017405/

(齋藤 正穂)

|
トップページへ
特集・集中企画 INDEX
Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.
編集部への連絡は mado-no-mori-info@impress.co.jp まで