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【第118回】

フライトシミュレーター「Rock'n'Roll AirShow」

大空のキャンバスにスモークで文字を描いちゃえ

(01/02/07)

タイトル画面

 タイトルには「フライトシミュレーター」と書いたが、本当は「エアロバティックシミュレーター」が正しい。「じゃあ、エアロバティックってなんだ?」というと、ようするに曲芸飛行のことですね。航空ショーのアトラクションで披露される、“空のサーカス”。その華麗な演技で、観客をドキドキ、ハラハラさせるのが目的だ。…というわけで、今回紹介するのは複葉機を使った曲芸飛行が楽しめる、ちょっと変わったフライトシミュレーター「Rock'n'Roll AirShow」。さあ、キミも大空を舞台に、思う存分グルグル、グイーン、ギューンな操縦を楽しんでみないか?

日本エアロバティック界のエース、ロック岩崎氏の監修

曲芸飛行用の複葉機ピッツ・スペシャル
曲芸飛行用の複葉機ピッツ・スペシャルに乗って、大空を舞う

 「Rock'n'Roll AirShow」の一番の目玉は、日本唯一のエアロバティックチーム“エアロック”を率いる、ロック岩崎氏の監修であるということ。同氏は、航空自衛隊に在籍中はF-15のパイロットを務め、退官後はエアショー界の第一人者ショーン・タッカーに師事。日本はもとより、世界でもその名を知られる、エアロバティックのエキスパートだ。「Rock'n'Roll AirShow」は、その岩崎氏の全面的な技術指導の元で作られたシミュレーションで、ゲーム中に登場する機体もチーム“エアロック”が実際に使用しているカーチス機“ピッツ・スペシャル”が使われている。単に曲芸飛行が可能なフライトシミュレーターなら星の数ほど存在するが、リアリティという点でいえば、この作品に勝るものは少ないだろう。

できればジョイスティックを用意したい

よりリアルな操縦を体験したいのなら、ジョイスティックの用意をぜひ!!
よりリアルな操縦を体験したいのなら、ジョイスティックの用意をぜひ!!
ロック岩崎氏のガイダンスを受けたら、ループや背面飛行にレッツトライ
ロック岩崎氏のガイダンスを受けたら、ループや背面飛行にレッツトライ

 デモ版のファイルは、自己解凍型のEXEファイルと、圧縮されたままのLZHファイルの2つが用意されているので、好みのほうをダウンロードしてほしい。どちらもサイズはほとんど同じだ。解凍後“setup.exe”を実行すると自動的にインストールされ、デスクトップにデモ版のアイコンが表示される。

 ゲームを起動したら、メインメニューから“フライト”→“レッスン”の順に選んでみよう。レッスンモードでは、2つのワザを学ぶことができる。“インバーテッドフライト”か“ループ”のどちらかを選んで“OK”ボタンをクリックすると、レッスンのスタートだ。操作に必要なキーは、以下のとおり。

上昇/下降[↑]/[↓]キー
エルロン[←]/[→]キー
ラダー(小)[X]/[C]キー
ラダー(大)[<]/[>]キー
スロットル増左[Shift]キー
スロットル減左[Ctrl]キー
トリム増右[Shift]キー
トリム減右[Ctrl]キー
HUD表示のオン/オフ[H]キー
スモーク[S]キー
ギアブレーキ[D]キー
視点の切り替え[Z]/[A]キー
カメラの切り替え[F1]~[F10]キー

 空中で撃ったり撃たれたりしないぶん、操作方法はフライトシミュレーターとして はシンプルだ。しかし様々なワザにトライすることを考えると、キーボードでの操作 には限界があるのもたしか。よりリアルな操縦感を楽しみたいのであれば、やはりジョ イスティックを用意したほうがいい。


スモークをなびかせながら急上昇。スモークの色は5色用意されている
スモークをなびかせながら急上昇。スモークの色は5色用意されている


レッスンモードで背面飛行とループをマスター

滑走路から飛び立ったピッツ・スペシャル
滑走路から飛び立ったピッツ・スペシャル。視点の切り替えも簡単だ

 レッスンモードでは、まず最初にロック岩崎氏がナレーションと共に模範演技を披露してくれるので、それと同じ動きになるよう練習してみよう。インバーテットフライト、つまり背面飛行では、反転後の姿勢制御が結構むずかしい。高度を変えずにクルリと反転し、そのまま機首や翼端がふらつかないよう維持するのは大変だ。ループのほうはさらに難易度が高く、開始前に十分な速度まで上げておかないと、途中で失速してしまう。また、ループを美しく見せるためには開始時と終了時の高度をぴったり同じにしなければならないが、これがまた難しい。自分ではうまくループできたつもりでも、リプレイで確認すると高度がガックリ落ちていたりして、「見せるワザ」の難しさを実感させられる。

 なおこのモードでは、ある程度自由に飛行を楽しむこともできる。その気になれば飛行場に着陸することもできるので、ひととおりワザを楽しんだら、あれこれ試してみるのも楽しい。

エアショーモードで華麗な演技を楽しむ

とんな曲芸を披露できるかは、プレイヤーの腕次第
とんな曲芸を披露できるかは、プレイヤーの腕次第
 メインメニューから“エアショー”を選ぶと、ロック岩崎氏による華麗な航空ショーを眺めることができる。デモ版では用意された短い演技を観るだけで、プランを変更することはできないが、ファンクションキー[F1]~[F10]を使ってカメラを切り替えながら、操縦席や観客席からの視点でワザを楽しめる。

 そして、演技に合わせて切れ目なく続くナレーションがまた、耳に心地いい。単にワザの名前を紹介するだけでなく、テンポよく雰囲気を盛り上げてくれる。ちなみにこの声はロック岩崎氏の令嬢麻衣さん(18歳)で、“バイリンギャル”風の軽快なナレーションは、実際のエアショーでも人気を集める花形的存在とのこと。

軽快な操縦感。なにより、自由に飛べるところが楽しい

カメラの位置は全部で10カ所
カメラの位置は全部で10カ所。こんなシーンを楽しむこともできるのだ
 とても気持ちがいい作品だ。エアロバティック用にデザインされた複葉機をモデルにしているだけあって、機体の操縦がとても軽い。ジェット戦闘機や旅客機を題材にしたシミュレーターと違って、まるで踊るような操縦感を楽しむことができる。飛行に伴なう制限もほとんどなく、思う存分乗り回したい、あんなワザこんなワザを試してみたいという人には格好の作品だろう。比較的低い高度で反転したり回転したりするせいか、スピード感もなかなかだ。

 エアショーモードで披露されるナレーションも気に入った。機会があれば、ぜひ一度「本物」のエアロバティックを見に行こうと思う。

どう楽しむかはプレイヤー次第

低い高度での回転や背面はメチャメチャ怖い
低い高度での回転や背面はメチャメチャ怖い

 繰り返しになってしまうが、デモ版でプレイできるのは、レッスンモードの「インバーテッドフライト」と「ループ」の2つと、短いエアショウの観覧のみ。しかしレッスンモードは事実上飛行に制限がなく、ロック岩崎氏の指導はなくとも、その気になれば様々なワザに「自主的に」トライすることもできる。このデモ版をどう楽しむかは、プレイヤーの腕と度胸とアイデア次第というわけだ。もちろん、製品版ではすべてのワザの指導を受けることができるし、エアショーモードでは自由にプランを組むこともできる。また機体のペインティングをシール感覚で楽しめる“デカール機能”なども用意されているとのこと。

 製品版は現在すでに発売中で、価格は4,800円。Windows 98/Meのほか、Windows 2000にも正式対応している。ただしDirectX 7.0以上に対応したビデオカードが必要なので、念のため。

発売元(株)アクアシステム
価格4,800円
発売日発売中

(RRASTRY.EXE、40.6MB、ゲームデモ)

□「Rock'n'Roll AirShow」のホームページ
http://www.aquasystem.co.jp/www/pitts/rras.html
□「Rock'n'Roll AirShow」のダウンロードページ
http://www.aquasystem.co.jp/www/download.html

(駒沢 丈治)


(c)Copyright 2000 AQUA SYSTEM Co.,Ltd.
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