特集


Microsoft Agentを徹底解剖!

Microsoft Agentの仕組みと対応ソフトをまとめて紹介

(00/10/31)

 魔法使いやロボットなどのかわいいキャラクターが登場する「Microsoft Agent」。吹き出し表示のメッセージとさまざまな表情やしぐさでユーザーをナビゲートするほか、「Text-to-Speech Engine」を追加して、吹き出しのメッセージを音声で読み上げることもできるスグレモノだ。ただ、ほかのソフトと組み合わせて利用するソフトで、単体では動かせないため、どんなソフトかよくわからないという人もいるのでは…。そこで今回は、飛んだり跳ねたりしゃべったりと魅力いっぱいのMicrosoft Agentを徹底解剖してみたい。まずは、Microsoft AgentとText-to-Speech Engineの仕組みにふれ、その後でMicrosoft Agentの機能を活用したオンラインソフトを紹介しよう。

■ 1stステップ:「Microsoft Agent」ってなに?

 エージェントというと、映画007などに登場するスパイなどを思い浮かべる人もいるかもしれない。かくいう筆者もその1人なのだが、Microsoft Agentとはデスクトップ上で動作するデスクトップキャラクターの一種。登場するキャラクターは、それぞれに愛嬌があってかわいいうえ、画面上を走り回ってみたり、ラッパを吹いてみたりとさまざまなしぐさをみせてくれる。キャラクターはMicrosoftのホームページからダウンロードでき、魔法使い、ロボット、オウム、風の魔人の4種類が用意されている。キャラクターが話すセリフの吹き出し部分には日本語のメッセージを表示できるので、ソフトに組み込んで操作方法の説明に使うことも可能だ。また、WebページにJava ScriptやVB Scriptを埋め込んで、Microsoft Agentのキャラクター達を呼び出すといった使い方もできる。この場合、ホームページにアクセスするユーザーのパソコンにMicrosoft Agentがインストールされており、Internet Explorerでアクセスすることが条件となるが、最終更新日を吹き出しに表示したり、今おすすめの情報などをホームページを訪れた人に強くアピールすることもできる。

 Microsoftが公開しているキャラクターのほかに、ユーザーがキャラクターを作成して利用することもできる。さまざまなユーザーがインターネット上で公開しており、Microsoft Agentのキャラクターを集めたダウンロードサイト『The Agentry』には、300種類近くのキャラクターが掲載され、コギャルやエイリアン、骨やじゅうたんといったちょっと変わったキャラクターまでダウンロードして利用できるようになっている。ただし、これらのキャラクターを自分のホームページなどで使いたい場合は、キャラクターごとの使用条件をよく読み、場合によってはキャラクターの作者に相談したうえで利用するようにしよう。

□The Agentry
http://www.agentry.net/

■ 2ndステップ:「Text-to-Speech Engine」は?

 Microsoft Agentをアニメにたとえると、Text-to-Speech Engineは声を担当する声優さんといった役どころになる。声優さんが台本を読み上げるように、Text-to-Speech Engineはキャラクターの吹き出しに表示されたメッセージを音声で読み上げる。英語や日本語をはじめ、フランス語、ドイツ語など計11カ国語のText-to-Speech Engineが別々のファイルで公開されており、すべてのText-to-Speech Engineを同時にインストールすることができる。ソフトによっては、英語で読み上げる場合は英語のエンジンを、日本語で読み上げる場合は日本語のエンジンをといったように使い分けることも可能だ。ただし、Microsoftのホームページには「Text-to-Speech Engineを使用するアプリケーションは必ずMicrosoft Agentと共に使用し、Microsoft Agentのキャラクターが表示されるようにしなければならない」という説明があり、Text-to-Speech Engineだけを利用したソフトはライセンス違反となるとのこと。この点には十分注意して利用したい。

□Web Workshop - Microsoft Speech Engines for Microsoft Agent
http://msdn.microsoft.com/workshop/imedia/agent/speechengine.asp

■ 3rdステップ:実際に使ってみよう!

 それでは、さっそくMicrosoft Agentの機能を活用したオンラインソフトを使ってみよう。今回紹介するソフトはMicrosoft Agentと組み合わせることで楽しく利用できるものばかりなので、ここでMicrosoftのホームページからMicrosoft AgentとText-to-Speech Engineをダウンロードして、インストールしておこう。

□MSDN Online Web Workshop
http://msdn.microsoft.com/workshop/imedia/agent/

まずは「Speak Lite」でクリップボードのテキストを読み上げ

「Speak Lite」  「Speak Lite」は、テキストファイルやクリップボードにコピーしたテキストをMicrosoft Agentを使って読み上げるソフト。海外製ソフトなので設定やヘルプなどはすべて英語だが、[Voice Setting]で日本語のText-to-Speech Engineを指定すれば日本語の文章もきちんと読み上げてくれる。メニューからテキストファイルを指定するか、[CTRL]+[C]などでクリップボードにコピーすると読み上げを開始する。また、リマインダー機能では指定した時刻に画面上に現れ、現在の時刻や日付、設定したメモを読み上げて通知してくれる。細かな機能は「Speak Lite」のウィンドウから利用するが、現在の時刻や日付の読み上げなどの基本的な機能は、画面上に表示されているキャラクターの右クリックメニューからも利用可能だ。また、キャラクターの大きさを変えられるので、キャラクターの動作を楽しみたい場合には元の大きさよりも大きく表示し、音声を主体で使う場合は小さく表示するといった使い方もできる。

【著作権者】ShadiSoft
【ソフト種別】シェアウェア 13.99ドル
【バージョン】1.0.41(00/04/10)

□ShadiSoft.Com
http://www.shadisoft.com/

“フィンフィン”がチャットを支援!「フィンフィンエージェント for CHOCOA」

「フィンフィンエージェント for CHOCOA」  空飛ぶイルカ“フィンフィン”がチャットソフト「CHOCOA」と連動して、チャットの手助けをしてくれるソフトが「フィンフィンエージェント for CHOCOA」だ。“フィンフィン”は、エメラルドグリーンのイルカに天使のような羽根が生えたかわいいキャラクター。元々は海に住むほ乳類の一種だったのが、その後の進化で空も飛ぶことができるようになったという設定の架空の動物だ。「CHOCOA」を利用している際に、チャットルームへの人の出入りがあったときや、「CHOCOA」のキーワード設定で指定した言葉が現れたときに、吹き出しに表示しながら音声で読み上げて通知する。単にチャットを支援するだけでなく、チャットがにぎわっていれば楽しそうに、逆に静かな時は寂しそうに振る舞い、“エルモの実”というエサをあげると一目散に駆け寄ってくるなど、さまざまなしぐさを見せてくれる。なお、“フィンフィン”と「CHOCOA」を連動させて利用するには、まず「CHOCOA」をインストールし、その後“フィンフィン”のキャラクターファイルと「フィンフィンエージェント for CHOCOA」をインストールする必要がある。

【著作権者】(株)富士通研究所
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.1(00/03/03)

□Finfin Agent for CHOCOA
http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/free/chocoa/finfin/

メールを読み上げてもらおう!「akira21++」

「akira21++」  「akira21++」は、メールの音声読み上げに対応したメールソフトだ。まず、最初にMicrosoft Agentとキャラクター、Text-to-Speech Engineをインストールしておき、電子メール環境の設定中にある[おしゃべり]の項目でメッセージを読み上げるキャラクターを選択すると読み上げ機能を利用することができる。読み上げに使用するエンジンはメールの内容から自動的に判断するので、英文のメールは英語で、日本語のメールは日本語で読み上げることが可能。選択したメールや、未読メールを次々に読み上げたり、特定のフォルダにメッセージが届いた場合に「○○さんからメールが届きました」と吹き出し表示と音声で通知する機能もある。メールを読み上げるときは、送信者、題名、メールの本文の順に読み上げ、同じ記号が何度も続く場合は省略したり、署名開始マーク以降や引用部分は読み上げないように設定することもできる。

【著作権者】綾の明 氏
【ソフト種別】シェアウェア 4,500円
【バージョン】1.00.5R2(00/10/12)

□'akira'
http://www.tg.rim.or.jp/~khf07113/
□窓の杜 - akira21++
http://www.forest.impress.co.jp/library/akira21plus.html

お手軽にMicrosoft Agent対応のホームページを作ってみよう「MASH」

「MASH」

デモページを表示

MS Agentが動作するデモページへのリンクです。Internet Explorerでアクセスしてください。

 「MASH」は、Microsoft Agentを動かすJava ScriptやVB Scriptの作成を支援するソフトだ。生成されたスクリプトをHTMLファイルに埋め込むだけで簡単にMicrosoftAgentを利用したホームページを作ることができる。まず表示させたいキャラクターを選択して、実際にプレビュー表示させながら設定していくので分かりやすく、設定ミスをすることが少ない。設定できる内容は、キャラクターの移動場所やアニメーションの種類、英語や日本語の読み上げ方の早さ、吹き出しの大きさやその表示方法など多岐にわたる。その中の[Map Text]では、吹き出しに表示させる文字とは別に読み上げる文字を設定できるので、読み方が特殊な漢字でも、吹き出し用のデータに漢字を入力して、読み上げ用のデータによみがなを入力することで正しく読み上げられる。ただし、日本語で読み上げる場合は設定画面の[TTS Voice]-[TTS Language]を“Japanese”にしておかないとキャラクターが何も読み上げてくれないので要注意。保存方法はMASH上で動作するスクリプトファイルや実行ファイルなど多数用意されているが、ホームページ上で利用する際はJava Script、もしくはVB Scriptで保存する。保存する前にInternet Explorerで表示して、キャラクターの動きを確認することも可能だ。実際にMASHを利用して、魔法使いの「Merlin」を動かす簡単なスクリプトでデモページを作ってみたので、Internet Explorerでアクセスしてぜひ見てほしい。

【著作権者】BellCraft Technologies
【ソフト種別】シェアウェア 25ドル
【バージョン】5.0(00/10/18)

□MASH - The Microsoft Agent Scripting Helper
http://www.bellcraft.com/mash/

 Microsoft Agentを活用したソフトの一例を紹介したが、海外ではこれら以外にもゲームやスケジューラーなど、さまざまな用途にMicrosoft Agentが活用されている。日本語版Text-to-Speech Engineのリリースが遅れたこともあり、日本ではMicrosoft Agentを活用したソフトがまだ少ないのが現状だが、今後も日本語対応ソフトが増えていけば、パソコンライフがもっと楽しいものになるだろう。

(山本 幸広)

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