Winゲームデモ!


【第101回】

「シド・マイヤーズ アルファ・ケンタウリ 完全版」

天才シド・マイヤーの傑作ストラテジーが日本語版で登場!!

(00/09/27)

タイトル画面

 去年の4月にこの連載で紹介した、「シド・マイヤーズ アルファ・ケンタウリ」の日本語版が14日に発売された!! しかも、拡張キットを含む「完全版」としてだ。英語版の登場からはや1年以上。移植されることはないだろうとあきらめていただけに、涙が出るほどうれしい。「生きててよかった」と本気で思う。エレクトロニック・アーツ・スクウェアさん、ありがとう。心から感謝します。(記事のおわりに本連載100回記念読者プレゼント当選者発表のお知らせがあります)

惑星チロンの支配者を目指せ

自分がプレイするリーダーを選ぶ
7つの党派の中から自分がプレイするリーダーを選ぶ

 というわけで、さっそく本題に入ろう。このゲームは、国連が建造した移民宇宙船ユニティ号が、アルファ・ケンタウリの惑星チロンに到着したところから始まる。地球を出発した当時は固く結束していた乗組員たちだが、長い航海の間に小競り合いが頻発し、いつしか無数の党派に分裂してしまった。到着と同時に各党派は勝手に着陸し、この惑星に自分たちの理想郷を築こうとしている…という設定だ。「シド・マイヤーズ アルファケンタウリ」には地球人による7党派が登場するが、その拡張キット「エイリアン・クロスファイア」を同梱したこの「完全版」には異星人も登場する。

 ゲームシステムはシド・マイヤーが過去に手掛けた「シヴィライゼーション」や「コロナイゼーション」とよく似ているが、一番の違いは、人類の過去ではなく、未来を扱っていること。したがって、登場するテクノロジーや兵器の多くはフィクションだ。当然耳慣れない言葉も多いが、そのぶん歴史や既成概念にとらわれない、SFならではのおもしろさがある。

党派を慎重に選ぶべし

自分たちの勢力範囲を拡大せよ!!
土地を探索して都市を築き、自分たちの勢力範囲を拡大せよ!!

 デモ版を起動したら、メインメニューから“ゲームスタート”を選ぶ。続いて“ランダムマップ”をクリック。惑星のサイズは“極小惑星”から“巨大惑星”まで5段階用意されているが、初めてプレイするのであれば“小型惑星”もしくは“標準惑星”がいいだろう。あまり狭すぎるとすぐに他党とぶつかってしまうし、逆に広すぎると外交にならないからだ。続いて難易度は、一番簡単な“市民”を選択。プレイに慣れたら一段階ずつ上げてみよう。“技能者”レベルになると相当厳しい状況で、最初の100ターンで負けを実感できるところまで追い詰められるかもしれない。

 続いて党派の選択。ここが結構悩むところだ。楽に戦いたいのなら、高度なテクノロジーをもつ異星人“マニフォルド・ケアテイカー”が一番。最初から惑星の地図をもっているので、探索に時間を食われることもない。効率よく領土を広げることができると思う。しかし「それではおもしろくない」と思うのであれば、地球人の中から党派を選んでみてはどうだろうか。“惑星人民党”は人口が増加しやすく、各都市に自動的に防壁が築かれる。経済の発展が鈍いのが弱点だが、容易に滅ぼされることはないだろう。“ガイアの民”も、比較的使いやすい党派のひとつだ。資源を効率よく利用できるので都市が発展しやすく、充実した設備を整えることができる。ただし戦闘用ユニットの士気が低いので、積極的な戦いは避けたほうが無難。


政治的な力を手にすることもできる
惑星総督選挙で選ばれれば、政治的な力を手にすることもできる



領土を拡大し、敵の攻撃に備えよ

外交的に有利な立場を確保することも大切だ
他党のリーダーと会談し、外交的に有利な立場を確保することも大切だ

 本拠地となる最初の都市は、ランダムに決まる。条件のいいときも悪いときもあるが、そこは運次第。最初は偵察用のユニットを2~3個生産し、本拠地の周囲を探索してみよう。マップを広げ、衛星都市の建設に適した場所を探す。緑豊かで、付近に鉱石がある場所がいい。川が流れていればベスト。付近にクレーターや火山が見つかったらラッキーだ。ここには、資源が豊富に埋蔵されている。また、熱帯ジャングルや淡水湖の付近は食料の生産に適している。こうして良い場所が見つかったら、本拠地で“コロニーポッド”を生産し、衛星都市をいくつか建設する。ところどころに落ちている灰色の物体は、墜落した宇宙船ユニティ号の残骸や異星人の遺跡。調べると、新しいテクノロジーやユニットが手に入ることもある。

 続いて、都市の拡張を目指す。手にしたテクノロジーによって建設できるものの種類が変わるが、ゲーム序盤は資源の効率的な利用や人口増加につながるものを優先するといい。付近の土地を開拓するための“フォーマー”も重要だ。敵の攻撃に備えて、最低限の守備隊も配置しよう。

目的を定めてテクノロジーを開発せよ

都市の成長をコントロールする
資源や食料を調達し、都市の成長をコントロールする
 ある程度基礎が固まったら、いよいよ次のステップへと入る。さらに都市を建設して、領土の拡大を目指すか。それとも攻撃用のユニットを量産して、付近の敵に戦いを挑むか。研究開発に注力し、他党よりも早く強力な兵器を手にする道もある。テクノロジーはどれもみな重要だが、都市の人口増加と生産速度のアップを優先するなら“倫理微積分”を開発して“民主主義”を、まだ相手の防御体制が整わないうちに先制攻撃を加えたいのなら“ノンリニア数学”を開発して“量子インパクター兵器”を、海を越えて領土を広げたいのなら“主義・順応性”を手に入れて“輸送船”を作るといいだろう。

 他の党派と接触すると、否応なしに外交的な選択を迫られるはずだ。どの党派と手を結び、どの党派と戦うか…いずれはすべての党派と戦うことになろうとも、よく考えて交渉すること。このデモ版に登場する党派の中では、“マニフォルド・ケアテイカー”が最強で、次いで海上都市を建設する“ノーチラス・パイレーツ”がしぶとい。序盤は彼らを敵に回さないほうが、長生きできると思う。

今年のベスト候補。駒沢は買ったぞ!!

より強力な兵器の生産も可能
新しい技術を手にすれば、より強力な兵器の生産も可能
 以前英語版に触れたときにわかってはいたが、本当におもしろい。プレイするたびに、ズブズブと深みにはまっていくような感覚だ。毎回自分がどこで失敗したのかが痛いほどわかるから、猛烈に悔しい。「今度こそうまく戦ってやる」と、つい何度も繰り返してしまう。ターン制ストラテジーが好きな人なら、デモ版でも3日は確実に楽しめるだろう。筆者はうっかり製品版を買ってしまったばかりに、先週はほとんど仕事にならなかった。仕事どころか日常生活にまで影響が出てしまい、我ながら相当危なかったと思う。というか、実はまだ危ないというか、今日も4時間ぐらいプレイしちゃったんだけどね。原稿書き上げたら、また我が人民を指揮するために戻らないと。まだ9月も終わらない時点で断言するのもなんだが、これはもう、今年のベスト候補だと思う。

製品版には詳細なマニュアルが添付

莫大な利益をもたらす秘密プロジェクト
莫大な利益をもたらす秘密プロジェクト。他党に先駆けて完成させろ!!
 デモ版でプレイできるのは、最初の100ターンまで。本拠地周辺を探索し、いくつかの衛星都市を建設するところまでは楽しめる。運悪く(運良く?)敵対する勢力が付近にいれば、かなり白熱した攻防になるだろう。このゲームは序盤の選択がとくに重要なので、開拓の難しさ、外交の厳しさ、そして党派選択の妙味を味わえると思う。登場する7党派はいずれも個性豊かな集団ばかりなので、立場を変えながらプレイしてもらいたい。

 製品版ではオリジナルの7党派+拡張キット「エイリアンクロスファイア」に登場する7党派の計14党派が登場し、いくつかのシナリオも用意されている。250ページを超えるマニュアルには、登場するテクノロジーや兵器、各党派に関する詳細なデータが満載で、読み応え十分。日本語への翻訳も完璧だ。

発売元エレクトロニック・アーツ・スクウェア(株)
価格8,980円
発売日発売中

(SMACJ_DEMO.exe、26.2MB、ゲームデモ)

□「シド・マイヤーズ アルファケンタウリ 完全版」のホームページ
http://www.japan.ea.com/alphacentauri/
□「シド・マイヤーズ アルファケンタウリ 完全版」のダウンロードページ
http://www.japan.ea.com/alphacentauri/download.html

(駒沢 丈治)


(c) 2000 Electronic Arts


【読者プレゼント当選者発表!】

たくさんのご応募ありがとうございました。詳しくは下記のページをご覧ください。

□窓の杜 - Winゲームデモ!連載100回記念読者プレゼント
http://www.forest.impress.co.jp/present/20000920/gamedemo.html

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