Winゲームデモ!


【第98回】

救助ヘリシミュレーター「Search And Rescue 2」

飛べジェットヘリ! アメリカの海岸はオレが守る!!

(00/09/06)

タイトル画面

 ジェットヘリというと、筆者の場合はまず映画やテレビドラマが頭に浮かぶ。たとえばジャン・マイケル・ビンセント主演の『超音速攻撃ヘリ エアーウルフ』や、ニコラス・ケイジが出演していた『アパッチ』など。ついつい攻撃ヘリをイメージしてしまうが、ヘリコプターにあまり縁がない大方の日本人にとって、ジェットヘリに対するイメージはそんなところなのかもしれない。しかし今回紹介する「Search And Rescue 2」に登場するのは、戦闘用ではなく、人命救助が目的だ。

ミッションは人命救助から船の安全な航海まで

プレイヤーが登場するエアロスパシアルHH-65 Dolphin
プレイヤーが登場するエアロスパシアルHH-65 Dolphin。最高速度は時速300Km

 「Search And Rescue 2」は、アメリカの沿岸救助隊「USCG(US COAST GUARD)」の活躍をシミュレーションゲーム化したものだ。USCGは実在する組織で、カリフォルニアやフロリダ、ハワイのマウイ島などに支部を置いている。その仕事は、海で遭難した人の救助や船舶の安全な航行までと実に幅広い。日本の海上保安庁は、領海侵犯や密航、密輸に備えた警備が主な使命だが、USCGはより人命救助に重きを置いた組織であるようだ。

 このゲームでは、USCGが実際に保有する救助用のジェットヘリ、エアロスパシアル製HH-65 Dolphinのパイロットとして、さまざまなミッションに挑む。ヘリ系シミュレーションといえば「GunShip!」が有名だが、戦闘ヘリをモチーフにしたシミュレーションゲームとはまた一味違う緊張感を味わえるところが、目新しくていい。

快適に操作するためにはジョイスティック必須

天候や時間帯を変更することができる
天候や時間帯を変更することができる。竜巻が用意されているところがアメリカ的?

 デモ版のファイルをダウンロードしたら、エクスプローラを開いて実行する。インストーラーが起動するので、あとはその指示に従ってパソコンに組み込むだけでいい。作業が完了すると、デスクトップに「Search And Rescue 2 Demo」というアイコンが表示されるはずだ。これをダブルクリックすれば、デモ版が起動する。まず最初に解像度の指定を求められるので、各自の環境に合わせて決めること。ただしこのゲームはパソコンに対する負荷が重く、無理な高解像度を指定すると動きが遅過ぎてゲームにならない。十分なパワーがあるなら別だが、とりあえず最初はVGAや800×600ドットあたりで様子をみるほうがいいだろう。ノートパソコンなど最新の3Dグラフィックチップをもたないユーザーは、事実上プレイできないと思う。

 さて、メインメニューが表示されたら、まず最初にコントローラの設定をしてしまおう。このゲーム「Search And Rescue 2」は、ジョイスティックを使うのが初期設定となっている。ジョイスティックをもっているのならそのままで構わないのだが、キーボードやマウスを使ってプレイしたいのなら、変更が必要だ。メインメニューから“Options”を選び、“Control”タブを開く。“Pitch”“Roll”“Collective”“Tail Roter”を個別に指定することができるので、[△]ボタンをクリックして決めること。“Presets”ボタンを使えば、ワンクリックで変更することもできる。

 そんなわけで、操作方法は設定によってかなり変ってしまうのだが、キーボードを使ってプレイする場合は以下のようになる。

前進/後退[↑]/[↓]
上昇/下降[A]/[Z]
旋回[←]/[→]
テールローター[X]/[C]
ホイールブレーキ[B]
パネルの表示[Q]
ミッションの詳細[F1]
ドアの開閉[F2]
次の目的地[F10]
オートパイロット[F11]
ホバーモード[F12]
視界の変更テンキーの[1]~[9]
視点の変更フルキーの[1]~[0]

 こんな感じで、とにかくコマンドが多い。組み合わせて使わなければならないコマンドもあるし、前進/後退と上昇/下降、旋回とテールローターの操作が分かれているところも、シロウトには理解しにくい。キーボードでの操作にはやはり限界があるので、できれば初期設定どおり、ジョイスティックを用意したほうがいいだろう。


上空からの視点に切り替えた。真下にいる船はクルーザーのようだ
上空からの視点に切り替えた。真下にいる船はクルーザーのようだ



近海を航行する3隻の船を確認せよ

基地のヘリポートに着陸するHH-65
基地のヘリポートに着陸するHH-65。テールローターと尾翼のデザインが特徴的だ

 では実際に飛んでみよう。メインメニューに戻ったら、今度は“Single Mission”を選ぶ。このデモ版には3本のショートミッションが用意されているが、とりあえずは一番上の“Customs inspection”を選択。“Next”ボタンをクリックすると、ミッションの詳細設定モードに入る。天候や時間帯、スタートする場所を指定できるが、ここも初期設定のままでいいだろう。ただし、設定画面の一番上にある“Physics”という設定項目だけは、“Realistic”から“Arcade”に切り替えることをおススメしたい。これは「リアリティを追求したモードではなく、より気軽に楽しめるアーケードゲームモードでプレイする」という変更だ。

 “Customs inspection”の目的は、近海を航行する3隻の船に接近して調査を行い、その後USCGの基地に帰還するというもの。3隻の船が無事であることを、肉眼で確認すればいい。無線交信や船の確認は副操縦士が行うので、プレイヤーはその指示に従って飛ぶだけでOK。ミッションの制限時間は7分だ。

視点を切り替えながらジェットヘリを操縦する

丘陵地帯を越えて海へ
丘陵地帯を越えて海へ。最初のミッションは3隻の船舶を確認すること
 初期設定のままでゲームを始めると、いきなり洋上からスタートするはずだ。天気は快晴、見通しもいい。視界の変更は、フルキーの[1]~[0]を使う。コクピット視点やヘリ後方の視点、真上からの視点などを選ぶことができるので、一番見やすいモードに切り替えよう。コクピットは思ったよりも視野が狭く、とくに下のほうが見にくい。洋上の船を確認したい場合は、高度を下げるか、グルグルと旋回しながら側面で確認すること。もちろん、真上からの視点に切り替えるという方法もある。視野の切り替えは、テンキーを使って行う。テンキーの[4]を押せば左側面が、[6]を押せば右側面を見ることができる。副操縦士からのメッセージは、音声と共に画面右下のウィンドウに表示される。「Vessel Inspected」というメッセージは、航行中の船1隻を確認したということ。つまり7分以内にこのメッセージを3回表示させ、その後基地に戻ればミッション完了というわけ。

 操縦は、まず基本となる高度を決め、それから前進や旋回に入るのが基本。最初の2隻はすぐに発見することができるので、その後は高度をやや高めにとって視界を確保し、3隻めを探す。向かうべき方向は副操縦士がコンソールパネルの方向指示計の上に示してくれるので、「Next Waypoint」と言われたらそちらに向かって進路をあわせればいい。

難易度は高いが、そのぶん奥は深いか?

洋上を飛ぶ。副操縦士からのメッセージは、画面右下の小窓に表示される
洋上を飛ぶ。副操縦士からのメッセージは、画面右下の小窓に表示される
 たしかに映像は美しいし、ジェットヘリのモデリングも上質だ。ただ、ちょっと難しすぎると思う。アーケードモードで試してみても、思うように操作することができない。墜落せずに飛べることは飛べるのだが、キーの操作が複雑なうえに、微妙なコントロールが求められる。もちろん実際のジェットヘリの操縦はこの何十倍も難しいのだろうが、とりあえずゲームなのだからもうチョイ楽しくプレイしたい。大空を縦横無尽に飛び回る『エアーウルフ』的な爽快感を期待していただけに、なんだか少し裏切られたような気がする。

 ただし難易度が高く設定されているぶん、本気でトライしたいプレイヤーにはおもしろいゲームなのかもしれない。アクションゲームのように誰でもホイホイ操縦できてしまうほうが、まあヘンといえばヘンなわけで、シミュレーションゲームというのは本来コツコツと試行錯誤しながら楽しむべきものなのだろう。いずれにしても、じっくり時間を掛けて練習し、腰を据えて楽しむタイプの作品だと思う。

デモ版ではシングルミッションが3本

天候が違うだけで、ゲームの難易度はガラリと変る
嵐の中を飛んでみた。天候が違うだけで、ゲームの難易度はガラリと変る
 デモ版では、“シングルミッション”の中から短めのものを3本しか試すことができない。しかし難易度を“アーケード”と“リアリスティック”の2段階に設定できるほか、発進場所や天候、時間帯を個別に指定することができるので、これらを組み合わせればいろいろと違ったシチュエーションでプレイを楽しめるはずだ。竜巻や稲妻も用意されているので、ぜひ一度試していただきたい。

 オフィシャルホームページに掲載されている情報が乏しいので詳細は不明だが、製品版ではさらに多くのミッションが用意されているほか、ストーリーを追ってプレイする“キャンペーン”も楽しめるとのこと。「Search And Rescue 2」すでにイギリスでは販売されていて、アメリカでも9月中に発売される予定だが、日本国内での販売や日本語移植の予定はいまのところないようだ。

発売元InterActive Vision
価格未定
発売日9発売予定

(sar2_demo.exe、36.7MB、ゲームデモ)

□「Search And Rescue 2」のホームページ
http://www.iavision.com/sar2/
□「Search And Rescue 2」のダウンロードページ
http://www.3dfiles.com/games/searchandrescue2.shtml

(駒沢 丈治)


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