iモードとオンラインソフトのイイ関係


【第1回】

パソコンに来ているメールをiモードで読みたい

(00/07/21)

 iモード対応の携帯電話があれば、インターネットメールやサイト閲覧などのiモードサービスや、着メロ、待ち受け画面などを楽しむことができる。ただ、利用できる機能が多いぶん、使いこなすには覚えることがたくさんある。少しずつテクニックを覚えてiモードを体の一部のように使いこなすことができるようになれば、もっと楽しくiモードを利用できるはず。今回から始める連載では5回にわたり、オンラインソフトを活用してiモードを使いこなすテクニックを紹介しよう。

 第1回目の今回は、普段会社で利用しているメールアドレスに来たメールをiモード端末で読むテクニックを紹介する。iモード端末でメールを読むのになれてくると、会社のメールもiモード端末で読めないものかと考える人は多いだろう。外出時に会社のメールをiモード端末に転送できれば、社内にいるときはメールソフトで読み、外出時はiモード端末で読むという使い分けが可能になる。もちろん、このテクニックを利用すれば自宅で利用しているメールを会社で読むなんてこともできる。

普段利用しているメールを選択して転送できる「携帯mate」

「携帯mate」  iモード端末で普段利用しているメールアドレスのメールを読む方法といえば、iモードの公式サービス「リモートメール」を使うのが一般的だろう。しかし、「リモートメール」は自分でメールを読みに行く必要があるため、仕事が忙しいとついついメールのチェックを忘れてしまう。こんな人はぜひ「携帯mate」を使ってみよう。「携帯mate」は普段利用しているメールアドレスのメールを定期的に受信してiモード端末へ転送してくれるため、メールが来ればiモード端末が鳴るのですぐに気がつく。シェアウェア登録料金の1,500円も、月額200円の「リモートメール」を8ヶ月以上使うことを考えれば十分元が取れる。

 「携帯mate」を使うには、最初にメールソフトと同じようにメールサーバーのアドレスなどを設定する。そして、すべてのメールを転送させるように転送条件に「From: *」を設定し、どのくらいの間隔でメールをチェックするかを分単位で設定する。ただし、後でメールソフトでもメールを読み直せるように、サーバーにメールを残す設定にしておこう。これだけで設定は終わり。外出するときにメールソフトを終了し「携帯mate」を起動しておけば、すべてのメールがiモード端末に転送されるため、外出先で即座にメールを受信できる。また、iモード端末で流し読みしたメールも後からパソコンのメールソフトでゆっくりと読むことができる。

 iモードのメールには1通あたり全角で250文字までという制限がある。送られてきたメールが250文字までの場合には問題ないが、250文字を超える文字数のメールは、250文字を超えた部分が切り取られて続きが読めなくなってしまう。これを解決するには「携帯mate」転送設定で250文字ごとに分割してメールを送るように設定すればよい。さらに、空白や改行など余分な文字を削除するチェックボックスをチェックしておけば、250文字をちょっとオーバーしそうなメールでもうまく1通に収まり、iモード端末の小さな画面でメールが比較的読みやすくなる。おまけに転送されるメールのサイズが小さくなるのでパケット代も節約できるというメリットがある。筆者が試してみたところでは、1通のサイズをちょうど500バイトにすると最後の文字が送信したとおりに受信できず、498バイトまでなら問題なく送信できるようだ。また、ひらがなや漢字などの2バイト文字が設定したバイト数にまたがってしまうと、転送されたメールの一部が文字化けしてしまった。その場合は前後の文脈とカンで読むしかないだろう。

「携帯mate」  1日に受信するメールが10通程度なら、すべてのメールを転送してもiモード端末で快適にメールが読めるようになるはずだ。ただ、メールによるコミュニケーションが増えたり、メーリングリストに入ったりすると1日数十通以上メールを受信する日も出てくる。それでもすべてのメールを転送したままだと、iモード端末が鳴りやまなくなり、パケット代もかさんで大変だ。もし、外出先で受信するのはお得意先のみでいいとか、友人や同僚からのメールだけ読めればいいというのなら、転送するメールを限定しよう。たとえば、友人のメールアドレスが「xxx@impress.co.jp」だったら、「From: *」の設定を削除した後、「From: xxx@impress.co.jp」という設定にすれば、友人から来たメールだけがiモード端末に転送されるようになる。この設定を必要な数だけ設定すれば、設定した以外のメールは転送されないので、外出時に読みたいメールだけをiモード端末で受信できる。転送条件の設定は、メールソフトでメールボックスへの振り分け設定をするような感覚で、From、Subject、Priority、Toの4つのヘッダーを使って指定できる。

 そのほか、転送されるメール数を減らすテクニックとして、大きなメールを分割転送するときに転送メール数を制限することだ。たとえば、30キロバイトほどあるメール版窓の杜の全文を転送すると、だいたい250文字ごとに分けて転送したとしても、60通近くのメールを受信することになる。メールの転送条件でいくつまで分割して転送するか上限を指定できるので、メール版窓の杜のようにサイズが大きなメールで、最初だけ読めればいいという場合には、転送メール数を1通に制限しよう。また、友達からのメールなど、内容全部を読みたい場合は、すべて転送する意味の0に設定するなど、転送するメール数の上限を調整するとよい。ここで、メールをサーバーに残す設定を忘れると、転送されなかった部分もサーバーから削除され2度と読めなくなるので、注意が必要だ。

 さて、普段利用しているメールアドレスのメールがどこにいてもすぐに読めるようになると、返事もすぐに出したくなるものだ。iモードだったらメールを出すのは簡単なのだが、顧客に個人所有のiモードのメールアドレスでメールを出すのは失礼とか、普段利用しているメールアドレスで送信して返信を受けたいとか、iモードから送信する場合の不都合も出てくる。こんなときのために、「携帯mate」には自分がiモード端末から送ったメールを他の人に転送してくれる機能も用意されている。この機能ではTOやCCやBCCをいくつも設定できるのでiモード端末では送信できない複数先へのメール送信も可能となり、iモード端末から送信する場合も便利だ。

 以上のように「携帯mate」を使いこなしていくことで、会社で利用しているメールアドレスを外出先でもiモード端末で自由に使うことができるようになる。もちろん、自宅で利用しているメールアドレスを外出中に読むことも可能になるが、ダイヤルアップ接続のユーザーの場合、接続はしたが切断はしなくて多額の通信料が請求されたなんてことがないよう十分に自動接続・自動切断のテストをしておこう。

【著作権者】maple 氏
【ソフト種別】シェアウェア 1,500円
【バージョン】1.07

□maple's HomePage
http://maple.cup.com/

■ もっと手軽に転送するには

 メールを転送してくれるソフトは、まだまだたくさんある。そのなかから、ほとんど設定なしにすべてのメールを転送するフリーソフト「iモード用メール自動転送ソフト」と、リストを受け取り必要なメールだけを受信できる「iAgent」を紹介しよう。

Outlook Expressなどを利用した簡単転送ソフト「iモード用メール自動転送ソフト」

「携帯mate」  「iモード用メール自動転送ソフト」は、Outlook ExpressなどのMAPI対応メールソフトを利用して、受信したメールをiモード端末に転送するソフト。「iモード用メール自動転送ソフト」にiモードメールのアドレスを設定するだけで、外出するときに起動しておけばメールが自動転送される。大きなメールは転送するときにiモードメールにあわせてだいたい250文字ごとに分けて送信してくれる。メールソフトにダイヤルアップ機能があれば専用線環境でなくても転送が行われる。「iモード用メール自動転送ソフト」が動作するMAPI対応ソフトには、他に「Netscape Messenger」や「Microsoft Outlook」などがある。

【著作権者】テラインターナショナル(株)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.0

□パソコンの便利な使い方
http://www.teraintl.co.jp/imode/

iモードメールでメールリストを取り出し必要なメールのみ読める「iAgent」

「iAgent」  「iAgent」は、普段利用しているメールアドレスに届いているメールのリストを受け取り、必要なメールだけを受信できるメール転送ソフト。iモード端末から「LIST」というコマンドでメール一覧を受け取り、リストの一番目のメールが読みたければ「READ 1」というコマンドメールを送信してメールを受信できるのが特長だ。iモード端末へのメールは指定した文字数で分割でき、メール数の上限も設定できるため、iモード端末のメールボックスがあふれることもない。そのほか、指定しておいた条件にあったメールを、iモード端末側からのコントロールなしに常にiモード端末に転送する機能もある。自動ダイヤルアップ機能もあり、LAN環境だけでなくダイヤルアップ環境でも利用できる。

【著作権者】のり 氏
【ソフト種別】シェアウェア 1,500円
【バージョン】2.5(00/06/03)

□iAgent(Windows95/インターネット&通信)
http://www.vector.co.jp/soft/win95/net/se115580.html

 今回は通常使用しているメールアドレスのメールをiモード端末で読むテクニックを紹介した。これで外出中に会社のメールアドレスを利用したまま顧客とのメールのやりとりが可能になったし、アフター5の約束を取りやすくなったことだろう。では次回はパソコンを活用してiモード端末へメールを送信するテクニックを紹介しよう。

(山崎 真裕)

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