【第86回】「ActivePC MP3 Player Mini」
さまざまなエフェクトで歌詞表示を楽しもう！ 細くて小さなMP3プレイヤー
（00/07/03）最近のMP3プレイヤーソフトには、ID3タグやプレイリストを編集・作成したり、スキンで外観を変更できるといった付加価値はあるものの、基本的な機能としてはMP3ファイルを再生・演奏するだけ、というものが多い。中には歌詞を表示できるものもあるが、表示はシンプルでちょっとしたカラオケ程度の機能だったりするようだ。しかしそれではなんとなくもの足りないという人のために、今回は派手な歌詞表示が楽しいMP3プレイヤーを紹介しよう。
どんなソフト？……細くて邪魔にならない歌詞表示対応のMP3プレイヤー
「ActivePC MP3 Player Mini」（以下「ApcMP3pm」と略）は、歌詞表示に対応した細長くて小さなMP3プレイヤーだ。タイムタグのついた歌詞ファイルを用意することで、歌詞の文字列にスクロールやズームインなどさまざまなエフェクトをかけながら表示できるのが最大の特長となっている。また歌詞ファイル作成機能やイコライザー機能もあり、誰でも手軽にMP3の再生と歌詞表示を楽しむことができる。
「ApcMP3pm」のウィンドウには一般的なエクスプローラのウィンドウのようなタイトルバーやメニューバー、ステータスバーなどはない。ウィンドウ上段左側には再生、一時停止、停止、早送り、巻き戻しなど演奏関係のボタンが並び、上段中央には曲番や再生時間を表示する部分、上段右側には音量調節やプレイリスト表示、オプション設定といったボタン類が並ぶ。ウィンドウ下段は歌詞を表示する領域だ。[×]ボタンの隣にある[Open/Close]ボタンを押すと、下段の歌詞表示領域が消え、他のウィンドウのタイトルバー内に収まるほど細長く小さい外観になる。
「ApcMP3pm」は、文字列に凝ったエフェクトをかけながら歌詞表示する点がユニークだ。細く小さな歌詞表示領域の中で、歌詞の文字列が中央へズームインしたり、上からカーテンを下ろすようにスクロールしたり、左右から文字列が中央に集まってくるなど、10数種類のさまざまなエフェクトを備えている。音楽にあわせて歌詞が切り替わるコンマ数秒の演出とはいえ、見る人を非常に楽しませてくれる。これらのエフェクトは標準でランダムに変化するが、[Word Style]ボタンによって好みのエフェクトに固定することも可能。また、歌詞ファイルがない場合はあらかじめテキスト形式で用意したいろいろなメッセージを切り替えて表示させることができる。
「ApcMP3pm」で表示できる歌詞ファイルは、「ApcMP3pm」の歌詞ファイル作成機能を使えば簡単に作成できる。MP3の再生中に[Time Tag Editor]ボタンを押すと、メモ帳風の別ウィンドウが開くので、歌詞を入力したら[テーブル形式で編集]ボタンを押してテーブル表示に切り替えよう。歌詞の左側に[Tag Time]のセルが表示されるので、行にカーソルを合わせ、曲を再生しながら[F1]キーを押していくとそのタイミングで1行ずつタイムタグが入力されていく。失敗したときは[F5]キーでタイムタグを削除するか、[テキスト形式で編集]ボタンを押してタイムタグを直接書き換えてもいい。最後に[保存]すれば歌詞ファイルの完成となる。ファイル名は自動的に、MP3ファイルと同名で拡張子が「.txt」に設定される。
そのほか、32バンドで細かく調節できるイコライザー機能や、配色の変更、Windows 2000ではウィンドウを半透明にする機能など、さまざまなカスタマイズが可能になっている。
「ApcMP3pm」のスゴイところは、あくまでも他の作業の脇役としてMP3を再生しながら歌詞表示を楽しもうというコンセプトだろうか。単に歌詞表示をウリにするだけならば、ウィンドウをもっと大きくしたり目立つデザインにして自己主張させるのはむしろ簡単なことだ。しかしこのソフトは、MP3をあくまでもBGM用としてとらえ、細く小さなウィンドウに多くの機能を押し込めながら、その小さなウィンドウの中で歌詞にエフェクトをかけて表示するという精一杯の“演出”を試みているのが面白い。
また歌詞ファイルの編集機能を備えているのも、ユーザーが気軽に歌詞表示を楽しむための手助けに一役買っている。テーブル形式とテキスト形式の編集モードを切り替えられるといった使い勝手の要所をしっかり押さえているのはうれしい。
普通の歌詞表示対応プレイヤーではなんとなくもの足りなさを感じていた人にぜひオススメしたいソフトだ。BGM用はもちろん、カラオケの練習用として、新曲をいち早く覚えるためのツールとして、さまざまに利用できるだろう。ボタン一つで歌詞表示をOFFにできるのは、作業に集中したいときに便利だ。また変わった使い方としては、歌詞のかわりに英単語と意味を交互に書いて、好きな曲を聞きながら英単語を覚えるといった用途にも使えそうだ。
小さく作られているがゆえに、1,280×1,024ピクセルや1,600×1,200ピクセルといった広い画面でWindowsを使っている人には、ボタンが小さくて見にくく、押しづらいかもしれない。スキンに対応する必要はないだろうが、今後はやや大きめの外観も用意してもらえるとありがたい。また、対応している音楽ファイル形式はMP3のみだが、できればWAVEやWMAなど他の形式にもいずれ対応してくれることを望みたい。
【著作権者】ActivePC 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.14（00/07/03）□ActivePC ON-LINE
http://member.nifty.ne.jp/activepc/
（ひぐち たかし）
