ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第68回】

「HTML Encoder」

HTMLファイルにJavaScriptのパスワードロックを! 簡単お手軽暗号化ツール

(00/02/07)

 ホームページに自分の少々プライベートな情報や家族の顔写真などを掲載して友達だけに公開する場合、パスワードロックをかけて正しいパスワードを入力しないとページが表示されないようにする方法がある。Webでの一般的なパスワードロックはサーバーに設定ファイルを用意して行うが、プロバイダーによってはそういうサービスを用意していなかったり、設定方法が難しく初心者向けでないことも多い。そこで今回は、Webページに簡単にパスワードを設定できる、お手軽暗号化ツールを取り上げよう。

どんなソフト?……HTMLファイルを暗号化

「HTML Encoder」v0.0.2  「HTML Encoder」は、その名の通りHTMLファイルをエンコードして暗号化してしまうソフトだ。一般の暗号化ソフトで単に暗号化するのとは異なり、Webブラウザー上で復元表示できるよう、ファイルを丸ごと暗号化したものの前後にJavaScriptを含むHTMLヘッダやBODYタグなど新しいHTMLタグが付加される。すなわちパスワード入力とページ内容復元は、JavaScriptによってWebブラウザー上で実現される仕組みだ。したがってサーバー側の設定は一切不要。誰でも手軽にWebページにパスワードロックをかけられるのだ。

 使い方は簡単。起動して暗号化したいHTMLファイルを開き、パスワードにする文字列を入力して[暗号化]ボタンを押すだけ。暗号化されたものと、復元のためのJavaScript等を含むHTMLがウィンドウの右半分に表示されるので、それをファイルに保存して使う。必要であれば保存前にHTMLヘッダ部分などを直接修正することも可能だ。保存したHTMLファイルをWebブラウザーで開けば、パスワード入力ウィンドウが自動的にポップアップして現れるので、正しいパスワードを打ち込めば元のページが復元表示される。しかしパスワードが間違っていたりキャンセルボタンを押すと、意味不明の文字化けのような文字列が表示されるだけで、暗号化前にWebブラウザー上で表示されていたテキストや画像などはまったく表示されなくなる。もちろんHTMLソースを見ても数字の羅列があるだけで、普通の人が見ても何が書いてあるかさっぱりわからない。

ここがスゴイ!……難しい設定は必要なし、JavaScriptでパスワード入力

パスワードプロンプトが現れる  このソフトの良さは、その手軽さに尽きるだろう。JavaScriptが有効なWebブラウザーで表示する必要はあるものの、Internet ExplorerやNetscape Navigator等の標準的なWebブラウザーであれば何ら問題はない。HTMLをページ単位で暗号化するため、正しくパスワード入力して表示したものを一旦ファイルに保存しローカルで再表示するときも、必ずパスワード入力が必要になるという安全性もある。

 ただし暗号強度はかなり低いということを理解した上で利用したい。結局のところJavaScriptで復元する仕組みであるため、JavaScriptに詳しい人ならパスワードを知らなくても解読は難しくないだろう。厳密なセキュリティという意味ではこの「HTML Encoder」は決して有効ではない。しかし、金庫で厳重管理するほどのセキュリティは必要でなく、いわゆる“自転車の鍵”のような感覚でページにちょっとパスワードロックを付けたい程度であれば、この手軽さは十分に魅力的だ。

こんな場合に便利……ホームページの一部を手軽に暗号化したいとき

パスワードが正しくないと内容が読めない  数枚のWebページを仲間内だけに公開したいがわざわざサーバー側で設定してパスワードロックをかけるまでもない場合や、契約しているプロバイダーがパスワードロック機能を提供していないような場合に便利なソフトだと言える。

 具体的な用途はさまざまに考えられるが、例えば友達同士での旅行の写真や子供の写真などをホームページで無防備に公開するのは、プライバシーの面でちょっと心配。かといって見せたい相手に大量の画像をメールで直接送りつけるわけにもいかない。そんな場合に、このソフトでパスワードロックをかけて自分のホームページにアップロードし、URLとパスワードのみをメールで相手に送るといいだろう。

使用上の注意は?……フレーム指定や、背景画像を使うページに注意

 ページごとに暗号化してパスワードをかける仕組みのため、リロードを含めてそのページを表示するごとにパスワード入力を促すプロンプトが現れることに留意しておこう。複数ページに対してパスワードロックをかけたいなら、入口となるページだけの暗号化でも十分だ。また、フレームを使う場合は、フレームの要素になるHTMLファイルを暗号化する必要がある。なおIE4の場合など、Webブラウザーのバージョンによっては暗号化前のページ背景画像や配色等のBODYタグ設定が消えてしまうが、暗号化した後のHTMLに記述されている新しいBODYタグを直接書きかえて、暗号化する前のHTMLのBODYタグと同じにすればいいようだ。

【著作権者】Yamashow 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】0.0.2(00/02/03)

□Sho's Curiosity Alley(The Main Site)
http://www.netpassport.or.jp/~wyshow/

(ひぐち たかし)

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