【第62回】「エクスビュー」
エクスプローラやファイル選択ダイアログと連動、画像やテキストをプレビュー
（99/12/06）多くのアプリケーションでは、ファイルを保存したり開こうとするとファイル選択ダイアログが現れるが、ファイル一覧に表示された既存ファイルの内容をそのアプリケーションで開く前にちょっと確認したいと思うことがままある。Windows 98なら右クリックメニューの[選択]ではなく[開く]を選べば、関連づけられたソフトで開いて確認できるのだが、沢山あるファイルをざっと確認したいときにいちいち右クリックして開いて…、というのでは手間も時間もかかる。そこで今回は、ファイル一覧の際にファイルを選択するだけで次々と内容を見られるようなプレビューワーを取り上げてみよう。
どんなソフト？……エクスプローラやファイルリストと連動するプレビューワー
「エクスビュー」は、エクスプローラや各アプリケーションのファイル選択ダイアログ（ファイルリスト）と連動し、ポップアップして内容を表示するプレビューワーだ。普段はタスクトレイに常駐し、エクスプローラ起動時もしくは何らかのアプリケーションでファイル選択ダイアログを開いた際、自動的にウィンドウがポップアップし、ファイルやフォルダを選択するだけでウィンドウ内にその内容を表示する。ファイルを選択した場合、基本的にはテキストやリッチテキスト、BMP、メタファイル、アイコン、カーソルファイルを閲覧可能で、その他のファイルはバイナリ形式で表示する。また対応したSusie32プラグインがあれば、JPEG/PI/PIC/PIC2/MAG/XLD4の画像およびLZH/ZIPの圧縮ファイルも閲覧できるようになる。フォルダを選択した場合は、フォルダの中身がウィンドウ上部にリスト表示され、リストからファイルを選択すると内容をプレビューできる。
「エクスビュー」のイイところは、プレビューしたい場面でウィンドウが自動的に現れることだろう。エクスプローラの起動時やファイル選択ダイアログを開いたときに連動してウィンドウが現れ、エクスプローラやダイアログを閉じればウィンドウは自動的に消えてくれる（常駐は残る）。普段はウィンドウが邪魔にならず、いちいちプレビューウィンドウを開いたり閉じたりする操作の必要もない。またカーソルキーでファイル選択のフォーカスを移動すれば次々とプレビューしていけるのが快適だ。カスタマイズによって「エクスビュー」起動時にエクスプローラを起動したりエクスプローラ終了時に「エクスビュー」の常駐を終了するなど、動作を細かく設定できるのもうれしい。ソフトを常駐させるのが嫌な人でも、エクスプローラの代わりに「エクスビュー」のアイコンを開くことで、プレビュー付きのエクスプローラを起動でき、エクスプローラを閉じれば「エクスビュー」も常駐させずに終了できるというわけだ。さまざまなニーズに「エクスビュー」は応えてくれることだろう。
マイドキュメントフォルダのように、いろんな種類のファイルを同じフォルダに保存していたり、ファイル名だけでは中身を判断しにくいような状況で、多数のファイルをざっとプレビューしたいときに便利なツールだ。また例えばテキストファイルを同名で上書き保存する場合に、本当に上書きしていいのかどうかをサッと確認したり、日付を元にしたファイル名で保存された多数のデジカメ写真の中で、同じ日付の数十枚のうちから必要なものだけを確実に選択したりといった、ファイル選択時の素早い内容確認が必要な場面で威力を発揮する。このソフトはシェアウェアで、試用期間は6ヶ月あり、未登録でも大きな機能制限はない。まずはしばらく使ってみて、気に入れば登録しよう。レジストリを使わないためアンインストールも安心、インストールしたファイルを削除するだけだ。
このように便利な「エクスビュー」だが、ノートパソコンなどの狭い画面解像度ではポップアップウィンドウが操作の邪魔に感じることもある。ウィンドウサイズは自由に変えられ、ツールバーやステータスバーを外したり表示フォントサイズを小さくしてコンパクトにすることも可能なので、必要に応じて表示オプションをカスタマイズして使いたい。
なお、Ver1.10では特許ライセンスの関係でGIFとTIFFの画像表示機能が削除されているので注意しよう。やはり将来的には正式にライセンスを受けての再対応が望まれる。またGIFの代わりにライセンスフリーで広まりつつあるPNG形式や、その他の特殊な画像形式も表示できるようになってほしいものだ。
【著作権者】DAIKI（山崎 秀） 氏
【ソフト種別】シェアウェア 1,500円
【バージョン】1.10（99/11/24）□作者: 山崎 秀
http://www.vector.co.jp/vpack/browse/person/an001370.html
（ひぐち たかし）
