ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第53回】

「かんたんマップ」

イラストマップを手軽に作成! 小学生から大人まで使える地図作成ソフト

(99/09/27)

 引っ越しの挨拶状や宴会の会場案内ポスターなど、文書に簡単なイラストマップをつけたいことは、しばしばある。絵の才能がある人ならまだいいのだが、そうでない場合だとちょっとした地図ひとつ描くのにもなかなか苦労するものだ。そこで今回は、小学生でも簡単にきれいな地図が描けるというペイントソフトを取り上げよう。

小学校の先生が作ったラクラク地図作成ソフト

「かんたんマップ」v2.3  使い方は一般的なペイントソフトの操作性と似ており、直感的にわかりやすい。基本はペン先を選んで線を引き、建物や記号などのアイコン(スタンプ)を選んで貼り付けていく。道路の太さは4種類から選択、線路はJRか私鉄かを選択でき、太い道路には自動的に中央の白線が描かれる。普通の直線や円、四角形も一般的なお絵かきソフトの要領でペンの太さを選んで簡単に描ける。失敗しても1回はやり直しでき、部分的に“消しゴムツール”で消すことも可能だ。

 スタンプは「たてもの」「草や木や花」「のりもの」「いきもの」「たべもの」「地図記号」などに分類され、それぞれ数~数十種類があらかじめ登録されている。それらの一覧を見ながら選択して、地図上の貼り付けたい場所をクリックするだけでアイコンが描かれる。サイズは通常32×32ドットだが、2分の1サイズや2倍、3倍サイズで貼り付けることも可能。スタンプするアイコンは一般的なペイントソフトやアイコンエディターで自作したものを読み込んで使うこともできる。

 また、作成した地図の中にボタンを作り、ボタンを押すと任意の画像が表示される“らくらくマップ”機能も面白い。画像には説明が付けられ、地図上の建物の実物写真と説明を表示させるといった使い方ができるようになっている。

子供から大人まで手軽に楽しめるのがポイント

 実際にやってみるとわかるのだが、一般的なペイントソフトで地図を描くという作業は意外と手間のかかるものだ。特に縮尺精度よりも見た目のわかりやすさが重要なイラストマップは、例えばコンビニをコンビニらしく描いたり病院を病院らしく描くという絵心が必要になってくる。この「かんたんマップ」はそんなイラストマップをまさに小学生でも手軽に描くことができるように工夫されていて、なかなかユニークなソフトだと言えるだろう。メニューの一部がひらがな表示になっていたり、文字の入力にはキーがあいうえお順に並んだソフトキーボードを使って入力できるなど、随所に小学生でも迷わず使えるような工夫がなされているのも特徴的だ。もちろん小学生でも使えるからといって子供向けということはなく、大人でも大いに利用できるソフトであるし、子供と一緒になって楽しむのもいいだろう。

 なお気になった点をあげるとすれば、スタンプするアイコンのサイズに自由度がほしいことだろうか。1/2倍、1倍、2倍、3倍の4種類からしか選べないのでは描ける地図に制約が出てくる。さらにアイコンを左右反転して貼り付けたり、回転して貼り付けることができるようになれば、車や動物のアイコンの使い道にも幅が出てくるだろう。また、縦書きや縁取り、影付けといった文字修飾もサポートしてくれるとありがたい。

【著作権者】鈴木 茂 氏
【ソフト種別】フリーソフト(要メール)
【バージョン】2.3(99/09/20)

□釣りと教育
http://www2s.biglobe.ne.jp/~s-sigeru/main.htm

(ひぐち たかし)

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