【第44回】
「RealSlideshow」
ホームページに使える音声付きのスライドショーを簡単に作成・発行
（99/07/26）
ホームページで使う動画は、読者の関心を惹きつけるものだ。しかしMOVやMPEGの動画ファイルは容量も大きくなりがちだし、画質にも限界があるのが難点。そこでスライドを使ったプレゼンテーションのように、いくつかの静止画を表示しながら、音声で解説をつけられれば容量も少なくて済み、ただ静止画を並べるだけよりぐっとインパクトがあるはずだ。今回はそんなインターネット上でのプレゼンテーションを手軽に作成できるソフトを取り上げよう。
“SMIL”によるスライドショーを簡単に作成・発行
「RealSlideshow」は、スライドショータイプのWebコンテンツを手軽に作成できるソフト。このコンテンツは、W3C勧告によるマルチメディア表現の標準言語「SMIL」で作成されるため、RealNetworks社の「RealPlayer G2」で再生できるのだ。既に「RealPlayer G2」は広く普及しており、Windows版のほかMac版もあるので、多くの人に見てもらえるのがポイントだ。
プレゼンテーションの作成はとても簡単。基本はあらかじめ用意したJPEGまたはBMPの画像ファイルをドラッグ＆ドロップして、Timeline（時間軸）に沿って並べていくだけだ。各画像を表示する時間もマウスで簡単に設定できるが、表示時間の最小値は前画像のダウンロードにかかる時間となる（自動的に計算してくれる）。画像はプロパティ設定により、ダウンロード時間表示を見ながら画像の圧縮品質を調整したり、表示位置調整や回転指定、画像切り替え方法（フェードインさせたり上下左右にスライドさせるなど）を指定できる。
「RealSlideshow」では画像1枚1枚にナレーションの音声を割り当てるが、プレゼンテーションの始めから終わりまで通して流すBGMも別に設定できるのが大きな特長だ。いずれもあらかじめ用意したWAVファイルを使うか、その場でマイク録音することが可能。BGMは音楽CDからも録音できる。またプロジェクトにはそのプレゼンテーションについての情報（タイトルや作者名、著作権表示等）、表示サイズ、使用回線帯域なども細かく設定できる。
すべての設定が終われば、ボタン一発で再生に必要なファイル一式が指定フォルダに作成され、すぐに確認できる。この段階で画像はJPEGに統一され、音声はWAVからRealAudio形式のファイル1つに変換統合されるため、容量がぐっと小さくなる。また「RealSlideshow」には、Web発行機能があり、対話型のウィザードに答えていくだけで、GeoCities等の無料ISPや任意のISPのサーバーへ、作成したファイル群を簡単にアップロードできる。作成から発行まで、まさに至れり尽くせりで行ってくれるツールなのだ。
フル動画よりも効果的なプレゼンテーションが簡単に
テレビのニュースやCMには、静止画＋音声というシーンが意外に多い。静止画と音声だけでも、見せ方によってはインパクトのある映像を作り出せるのだ。特にWeb上では回線速度の制限があるために、フル動画を使うより静止画を組み合わせたほうが効果的な場合も多い。実際、静止画20枚を含む5分程度のスライドショーを作ってみたが、合計1～2MB程度の容量にしかならなかった。1枚の画像を表示する時間が多少長くなっても構わないなら、表示サイズは大きくできるし、MOVやMPEGの動画よりずっと精細な美しい映像を使えるのが何よりありがたい。
この「RealSlideshow」は、そんなプレゼンテーションをHTMLやSMILの詳しい知識がない人でも手軽に作成してWeb上に公開できる、画期的なソフトだと言えるだろう。本ソフトは今後、市販の著名なグラフィックソフト等にも同梱されることになるそうだが、窓の杜読者の皆さんにはいち早くその凄さを体験してほしい。
なお「RealSlideshow」は、「RealPlayer G2」がインストールされていれば、ヘルプメニューの「アップグレードのチェック」から簡単にダウンロードできる。また現在のところ英語版のみで、日本語環境で使用しても致命的な問題はないものの、プロジェクトのタイトルに日本語を入力すると文字化けしてしまったり、一部のボタン表示が重なったり説明文が欠けたりすることがあるので注意。
【著作権者】RealNetworks, Inc.
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】6.0.0（99/06/29）
□Download RealSlideshow
http://jp.real.com/products/tools/slideshow/slideshow.html
□RealNetworksがスライドショー作成ソフト「RealSlideshow」を公開 （INETERNET Watch）
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/1999/0630/slide.htm
（ひぐち たかし）
