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ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第41回】

「Pictip」

クリック不要のビューワー! エクスプローラで画像をチップ表示、形式変換も

(99/07/05)

 エクスプローラでハードディスク内を整理していると、名前に見覚えのない画像ファイルがいくつか出てきて、ちょっと中身を確認したい……そんなとき、あなたならどうする? 最近は「ViX」や「Linar」といった、画像の整理に向いたサムネイル一覧型の画像ビューワーも人気だが、起動にややもたつくのが難点だ。また起動の速い「IrfanView32」など単ウィンドウ型の画像ビューワーを使う場合でも、ファイルを開いて中身を確認し、いちいちウィンドウを閉じるという操作の流れがなんとなくスムーズでない気がしないだろうか。できればエクスプローラでのファイル整理作業を邪魔せずに、素速くスムーズに画像の中身をちょっと確認したい。今回はそんなわがままをかなえてくれる新作ソフトを取り上げてみよう。

画像をチップ表示するシェルエクステンション

「Pictip」v1.1  「Pictip」はエクスプローラ上でファイルにマウスカーソルを合わせると、チップヘルプのようなタイミングで画像を小さくポップアップ表示する、シェルエクステンションソフトだ。何と言ってもクリックすら不要で画像の中身を確認でき、マウスを動かせば消えてくれるのがミソ。ファイル操作の作業を邪魔しないスムーズさはクセになる。

 対応画像形式はBMP、JPEG(Normal)、GIF、およびPNG。画像ビューワーにしては少ないほうだが、現在最もよく使われるこの4種類をサポートしていれば大抵困ることはないだろう。

 マウスカーソルを画像ファイルに重ねて1秒ほどでポップアップする縮小画像表示ウィンドウは、そのままマウスを動かせば消える。しかしSHIFTキーまたはCtrlキーを押しながらマウスを動かせばウィンドウは消えず、位置を移動したりウィンドウの大きさを変えることができる。さらにウィンドウをダブルクリックすれば、画像を元のサイズで表示してくれる。

 また、SHIFTキーかCtrlキーを押したままウィンドウを右クリックすると、メニューが現れ、[変換]、[編集]、[コピー](クリップボードへ)等の操作が可能となる。[変換]ではBMP/JPEG/GIF/PNGの画像形式を相互にサッと変換でき、なかなか便利だ。ただしJPEGの圧縮率設定やGIFの透過色設定といった細かい設定はできないので注意。また[編集]は関連づけられたプログラムでその画像を開くという意味で、「Pictip」自体に画像の編集機能があるわけではない。

補助ビューワーとして

 このソフトは単体で画像ビューワーとして使うというより、他の画像ビューワーと併用して使うのに向いているように思われる。対応画像形式の少なさも、多形式対応の画像ビューワーと併用すれば問題ないだろう。

 ただ、現バージョンではやはり不満点や不具合もある。一度表示ウィンドウを消した画像を再度表示させるには、一旦別の画像を表示させなければならず、これは操作性の統一やわかりやすさの意味でも、一般的なチップヘルプ同様の表示体系になってほしいところ。またファイル形式の変換では、JPEG圧縮率の設定くらいはできるほうが望ましいし、筆者の環境ではBMP形式への変換ができなかった。さらに、例えば誤ってJPEG画像を同じJPEG画像に変換する操作をしてしまった場合、警告なく元の画像に上書きされてしまう仕様は問題だ。オリジナルとは異なった圧縮率の画像に差し替わってしまうので、操作ミスには注意したい。プログレッシブJPEGに未対応なのも気になった。

 こういった点は今後の改善に期待するとして、サムネイル型の画像ビューワーをわざわざ起動するまでもないようなとき、1秒待つだけでサッと画像を確認でき、しかもエクスプローラでの作業を邪魔しないのは実に気持ちがいい。筆者もしばらく使っているが、手放せなくなってしまいそうだ。『ファイル管理はエクスプローラで』という人は必携の、アイデアソフトと言えるだろう。

【著作権者】瀧内 元気 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.1(99/06/26)

□作者: 瀧内 元気
http://www.vector.co.jp/vpack/browse/person/an013715.html

(ひぐち たかし)

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