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ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第39回】

「ARTEMIS」

多種多彩なエフェクトが魅力の画像加工ソフト

(99/06/21)

 何の変哲もない1枚の写真でも、ちょっと手を加えることで思わぬ美しさを引き出せることがある。たとえばわざと斜めに手ブレしたような効果をつければ、一瞬の動きを表現できるといった具合だ。デジカメ写真などの画像のレタッチは、カメラマンの腕をカバーする以上に、使い方によってはちょっとしたモダンアートを生み出す力をも備えている。今回はそんな可能性を感じさせてくれる、画像加工ソフトを取り上げよう。

多種多彩なフィルターを備えた本格画像レタッチソフト

「ARTEMIS」v1.00  「ARTEMIS」は多種多彩なフィルターを搭載した本格的な画像レタッチツールだ。実に70種類ものフィルターと10種類の変形をサポートし、簡単な操作で実行できるのが何といっても魅力。エフェクトをかける範囲は任意に指定できるので、一部分だけをマスクしたいという用途にも適している。

 誌面の都合上ここですべてのフィルター機能を一つ一つ詳しく説明することはしないが、例えばぼかし、シャープ化、回転、反転といった一般的な加工や変形はもちろん、ポスタリゼーション、メディアンフィルター、モザイク、ライト、すりガラス、タイル、ボタン化、波形処理、スクロールなどなど、実に多彩なエフェクトを備えている。それぞれのエフェクトは手法や効果の程度をプレビューを見ながら細かく指定でき、やり直しも可能だ。思い通りのさまざまな効果が簡単に得られるだろう。

 特に、放射状にぼかすフィルターや、渦巻き状に変形したりレンズを覗いたように変形するフィルターなどは面白い。霧がかかったような効果をつけるフィルター、色鉛筆・イラスト調・点描のフィルターも、ホームページの素材制作などの用途に活用できそうだ。

 また「ARTEMIS」には、別の画像を独自のクリップボードに読み込み、加工してから元の画像と合成するといった機能もある。上書きだけでなく、透過貼り付けや、画像の明るさを透過率にして貼り付けたりすることもできる。

今後の方向性がポイント?

 実際に使ってみると、とにかくフィルターの種類の多さと設定の細かさが楽しい。プレビュー付きなので処理イメージがつかみやすく、わかりやすいのもいい。1枚の画像をこれほどいろんな表情にできるのなら、カメラの腕が下手でも後から画像加工でなんとかできそうに思えてきて、デジカメ片手に街へ出たくなってくる。

 しかし、一方で不満点もいろいろある。まず画像合成の操作性はかなりクセがあり、とまどってしまう。ヘルプファイルや詳しい説明書はぜひとも必要だろう。また各所に独自の操作性が盛り込まれているのも気になった。コピー・カット・ペーストはWindowsの標準的なキー操作に準拠させてほしいし、800×600ドット以下の画面解像度では最大化でしか起動できない点も改善して欲しいところだ。画面の解像度が小さい場合でも、扱う画像が小さい場合は通常のウィンドウ表示のほうが、やはり便利だ。扱える画像形式についても、ビットマップだけでなく、せめてJPEG形式には読み書き共に対応してほしい。

 リリースから間もないながら、メインであるフィルター処理がなかなかいいだけに、「ARTEMIS」が何を目指してどのように成長していくのか、今後に期待して注目していきたい。

【著作権者】Takeshi Ueda 氏
【ソフト種別】シェアウェア 2,000円
【バージョン】1.0(99/06/12)

□DMMS ~ソフト置き場~
http://www.gld.mmtr.or.jp/~dmms/

(ひぐち たかし)

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