【第31回】
「Auto SoftLib for Win95/NT」
ダウンロードした圧縮ファイルのデータベースを自動作成
（99/04/19）
窓の杜の読者なら、毎夜あれもこれもとオンラインソフトをダウンロードして楽しんでいる人は多いと思うが、後日ハードディスクにたまった圧縮ファイル群を見て『コレ何だっけ？』と悩むことはないだろうか。特に「GetRight」や「ReGet」などスケジュールダウンロード機能つきのダウンロードツールを使っていると、いつのまにか何十何百という圧縮ファイルがたまって、どれがどれだかわからないまま手に負えなくなり、“たんすの肥やし”ならぬ“HD/MO/CD-Rの肥やし”にしてしまったりするものだ。
そこで今回は、毎日数10MBもダウンロードしてしまう“パワーダウンローダー”たちには言うに及ばず、ごく普通のオンラインソフト好きにとっても福音となるソフトを紹介しよう。
アーカイブのコメント付き一覧表を自動作成
「Auto SoftLib for Win95/NT」はLZHやEXE形式の圧縮ファイル（アーカイブ）をフォルダやサブフォルダごとまとめて検索し、各アーカイブの情報を一覧表として作成してくれる、一種のデータベース作成ソフトだ。
一覧表はHTML形式で出力され、Webブラウザーで閲覧する。アーカイブ情報としてそれぞれファイル名、バージョン番号、ファイルサイズ、ファイル日付、およびコメントがつく。コメントはアーカイブ内の説明書（README）と思われるテキストファイルを自動的に検出し、先頭から数行（任意の数値を指定可能）を抜粋して表示してくれる。HTML1ページにまとまるので、ざっと流し読みしたいときに役に立つ。また元のREADMEファイルはハイパーリンクされ、クリックすれば全文を読むことが可能だ。
さらにファイルごとの個別情報もHTMLで自動作成される。ファイル名のハイパーリンクをクリックすれば個別情報表示となり、抜粋された説明文とアーカイブ内のファイル一覧が表示される。テキストファイル（*.txtまたは*.htm/*.html）がほかにもあれば、ハイパーリンクでさらに読み進められる。
このようにデータベースとなるHTMLファイルはテンポラリフォルダ中に作成されるが、LZHファイルに圧縮してまとめて保存したり、一覧表のデータ部分のみをCSV形式で保存できるので、他の汎用データベースソフトから読み込んで活用するのもいいだろう。
なお実行にはVB5.0（SP3）ランタイムが必要なので別途入手しておこう。
将来性に“買い”
発想はなかなか面白いソフトで、実際使ってみるとコメント付きの一覧表は確かに便利に感じる。最近の圧縮解凍ソフトにはアーカイブをフォルダのように表示閲覧できるものがあるが、一つ一つ開いてREADMEを読むよりも、ソフト情報を1ページで流し読みできるという点で一覧性・検索性はぐっと上がる。
しかし一方、ソフトウェアとしての完成度が高いかというと、まだまだこれからという印象は拭えない。圧縮形式はLHAのみでZIPやCAB等には対応していないし、フォルダを指定するツリーも「デスクトップ」などの特殊フォルダやネットワークコンピュータの表示には対応していない。サブフォルダ検出指定にしていても、1フォルダごとに1アーカイブを保存している場合などでは、フォルダ名だけが一覧表示されるため一覧性は低くなるし、筆者の環境では十分にロングファイル名に対応していないと思われる不具合も見られた。
だがそういった不満点はこれから順次改善されていくことに期待した上で、このソフトの将来性を買いたい。よく読書好きが買った本を机に積んだままにするのを“積ん読”などと言って笑うが、オンラインソフト好きがオンラインソフトをダウンロードしたっきり開きもしていないということは実にありがちな話だろう（恥ずかしながら筆者も多い）。そういうソフトを掘り起こそうというこの「Auto SoftLib」、ダウンロード後のお供としてぜひ活用してもらいたい。
【著作権者】家庭工房 氏
【ソフト種別】シェアウェア 600円
【バージョン】1.04（99/04/10）
□家庭工房
http://member.nifty.ne.jp/homelabo/
（ひぐち たかし）
